Tamarindo

Feb 9, 2016
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カテゴリ: 法律復習
根抵当権2

1 根抵当権の処分

  1、376条の処分
   元本確定前には、根抵当権者は、転抵当以外の376条1項の規定による、譲渡・放棄・
   順位譲渡・順位放棄ができない。

   根抵当権の転抵当は、転抵当権者と根抵当権者との合意契約により成立する。
   設定者ならびに第三者の同意や承諾を得る必要はない。

   されない(398の11−2)。
   つまり、元本の確定前に債務者が転抵当権者の承諾を得ずに原根抵当権者に弁済をしても
   弁済による被担保債権の消滅をもって転抵当権者に対抗できる。
   これは、確定前の根抵当権は被担保債権に対する付従性がないからである。


 2、全部譲渡・分割譲渡・一部譲渡

  (1)全部譲渡
    1、意義・要件
    全部譲渡は、根抵当権全体を譲受人に譲渡することである。
    全部譲渡をするには、設定者の承諾を得なければならない(398の12−1)。

    2、効果
    根抵当権者が設定者の承諾を得て、譲受人に根抵当権を全部譲渡すると、根抵当権だけ
    譲受人に移転。
    債権の範囲に属するものであれば、全部譲渡がなされる前に発生した譲受人の債権も
    担保される。一方、譲渡人の債権は、全部譲渡がなされる前に発生した債権も担保され


 (2)分割譲渡
    1、意義・要件
    分割譲渡とは、根抵当権を2個に分けてそのうちの1個を譲受人に譲渡することで
    ある。  
    例えば、極度額1000万円の根抵当権を、極度額600万円、極度額400万円に
    分割するなど。
    この譲渡には、全部譲渡同様、設定者の承諾を得なければならない(398の12−3)
    また、転抵当権のように当該根抵当権を目的とする権利を有する利害関係人がいる時
    は、その者の承諾を得なければなりません(398の12−3)。
    設定者の承諾及び利害関係人の承諾はいずれも分割譲渡の効力要件である。

    2、効果
    分割譲渡されると、2つの根抵当権は同順位の2個の独立した根抵当権となる。
    譲渡された根抵当権については、転抵当などの権利は消滅する。

 (3)一部譲渡
   1、意義・要件
   一部譲渡とは、譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡す
   ことであり、設定者の承諾を要す(398の13)ことが効力要件。

   2、効果
   一部譲渡がなされると、根抵当権は譲渡人と譲受人とで共有される。

 (4)順位の譲渡・放棄を受けている根抵当権の処分
    先順位抵当権者から、順位の譲渡、放棄を受けている時は譲受人もその利益を受ける
   (398の15)

 3 根抵当権の共有
  (1)態 様
   1個の優先弁済権の枠を共同利用するが、債権の範囲や債務者が同一である必要はない、
   それぞれ異なっていても構わない。
   準共有である。

  (2)共有者の優先弁済権
   1、原則
   共有根抵当権の元本が確定した場合、共有者の債権の合計額が極度額を下回る時は
   それぞれ債権全額につき優先弁済を受けることができる。
   債権の合計額が極度額を上回る時は、共有者はその極度額につきそれぞれの債権額の割合
   に応じて弁済をうけることができる(398の14−1)。

   2、優先の定め
    根抵当権の共有者は元本確定前であれば、原則と異なる割合で弁済をうけられる。
    例えば、Aが7、Bが3の割合や、BはAに優先すると定めることができる。
    優先の定め(398の14−1)。
    共有者間の優先弁済の割合や順序を変更するには、設定者や債務者の承諾を得る必要
    はない。

  (3)共有者の権利の譲渡
    共有根抵当権者の共有者は、他の共有者の同意及び設定者の承諾を得て、その権利の
    全部を第三者に譲渡できる(398の14−2、398の12−1)。
    ただし、権利関係が複雑になるため分割譲渡や一部譲渡はできない。

  (4)共有根抵当権の変更
     共有根抵当権につき、債務者や債権の範囲などを変更するには、共有者全員が当事者
     となり、設定者との間で変更の合意をしなければならない(264・251)。
     共有者の一部の者についての変更も同様である。

2 共同根抵当
  1 態様・成立要件
  (1)態様
  同一の債権を担保するために数個の不動産上に根抵当権を設定できる。
  共同担保の関係になるものを、純粋共同根抵当といい、
  共同担保の関係にならないものを、累積式根抵当という。

  1、同一の債権の担保として根抵当権を設定すること。
    同一の債権とは、債権の範囲・債務者・極度額のすべてが同一であることである

  2、設定と同時に共同担保として設定された旨の登記をすること
    共同担保である旨の登記は、共同根抵当権の効力要件である。

  (2)純粋共同根抵当の成立要件
   1、同時設定の場合
     数個の不動産について、根抵当権の設定登記と同時に共同担保である旨の登記を
     することにより成立。

   2、追加設定の可否
     追加的に他の不動産に根抵当権を設定して共同担保の関係にできる。


  2 効果
 (1)優先弁済権
    1・共同抵当の規定を適用。
    すべての目的不動産から、極度額の限度で優先弁済を受けることができる。
    同時配当での各不動産の分担額の割合、異時配当の優先弁済権や後順位抵当権者の代位
    は共同抵当権と同様。

    2・累積式根抵当の場合
    各不動産に設定された根抵当権ごとに、その極度額の限度で優先弁済を受けることが
    できる(398の18)。
    よって、後順位抵当権者の代位の問題は生じない。

 (2)変更・処分・元本の確定
    1、純粋共同根抵当の場合
    債権の範囲・債務者・極度額の変更、根抵当権の譲渡は、その根抵当権が設定されてい   
    るすべての不動産についてその旨の登記をしなければ効力が生じない(398の17−1)
    1個の不動産について元本確定事由が確定すると、他の目的不動産もすべて確定する。

    2、累積式根抵当の場合
    各不動産上の根抵当権ごとに変更や処分ができる。
    1個の不動産について、元本確定事由が生じても、他の目的不動産は当然に確定しない。

 3 元本確定

  1 意義・効果
    元本の確定により、被担保債権が特定され、付従性・随伴性が生じる。
    元本確定後も極度額という枠が存続して、その限度で利息や損害金を担保する。

  2 元本確定事由
  (1)確定期日が到来したとき 

  (2)相続の場合に合意の登記をしなかったとき
     根抵当権者又は債務者について相続が開始して、相続開始後6か月以内に指定根抵当
     権者又は指定債務者の合意の登記をしなかった場合、相続開始の時に元本が確定され
     たものとみなされる(398の8−4)。

  (3)合併の場合に設定者が確定請求をしたとき
     法人である根抵当権者又は債務者に合併があった場合、設定者が元本の確定を請求
     した時は、合併の時に元本が確定したものとみなされる(398の9−3・4)。

  (4)会社分割の場合に設定者が確定請求をしたとき
     根抵当権者又は債務者を分割会社とする会社分割があった場合に、設定者が元本の
     確定を請求した時は、分割の時に元本が確定したものとみなされる。

  (5)設定後3年経過後に設定者が確定請求をしたとき
     設定者は、根抵当権の設定から3年を経過した時は、元本の確定請求ができる。
     担保すべき元本は確定請求のとき(根抵当権者に意思表示が到達したとき)から
     2週間を経過することにより確定する(398の19−1後段)。
     ただし、元本の確定期日が定められている場合は、確定請求はできない。

  (6)根抵当権者が確定請求をしたとき
     根抵当権者は、いつでも元本の確定請求ができる(398の19−2)。
     ただし、元本の確定期日が定められている場合は、確定請求できない。

  (7)根抵当権者が根抵当権を実行したとき
     根抵当権者が、抵当不動産について競売もしくは担保不動産収益執行又は物上代位に
     よる差押えの申立をしたときは、元本はその申立の時に確定する
     (398の20−1−1)。
     申立の取下げ等により、これらの手続きが開始されなかった場合は、元本は確定しな
     い。

  (8)根抵当権者が滞納処分による差押をしたとき
     根抵当権者が国や地方自治体で、滞納処分による差押をした時は、差押の時に確定。

  (9)他の債権者の申立による抵当不動産の競売手続等を知ったとき
     根抵当権者が、他の債権者の申立てにより競売開始又は滞納処分による差押えが
     あったことを知ったときは、それから2週間を経過したときに元本が確定する
     (398の20−1−3)。
     なお、競売開始又は差押の効力が取下げにより消滅したときは、元本が確定しなかっ
     たものとみなされる(398の20−2)。
     元本が確定したものとしてその根抵当権を取得した者又は当該根抵当権を目的とした
     権利を取得した者がいるときは、元本確定の効果は覆らない。

 (10)債務者又は設定者の破産
     債務者又は設定者が破産手続開始の決定を受けたときは、そのときに元本が確定
     なお、破産手続の決定の効力が消滅したときは、元本が確定しなかったものと
     みなされる(398の20−2)。
     元本が確定したものとしてその根抵当権を取得した者又は当該根抵当権を目的とした
     権利を取得した者がいるときは、元本確定の効果は覆らない。

 3 極度額減額請求・根抵当権消滅請求

 (1)極度額減額請求
   1、意義・要件
    元本確定後、極度額を現存する確定債務の額と以後2年間に生じるべき利息その他の
    定期金及び債務不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額するように請求できる
    (398の21−1)。これを極度額減額請求という。

   2、効果  
    極度額減額請求権は、形成権であるのでその行使で効力が生じる。
    共同担保関係にあるときは、そのうちの1個の不動産について請求すれば足りる。

 (2)根抵当権消滅請求
  1、意義・要件
    根抵当権設定者(物上保証人のみ)又は抵当不動産の第三取得者は、元本確定後の
    確定債務の額が根抵当権の極度額を超え流ときは、根抵当権者に対して、極度額に
    相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅を請求できる。
    ただし、主たる債務者、保証人及びこれらの承継人
    条件成否未定の間の停止条件付権利取得者は根抵当権消滅請求はできない。
  2、効果
    形成権だり、行使により効力が生じる。
    共同担保関係にあるときは、そのうちの1個の不動産について請求すれば足りる。






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Last updated  Feb 25, 2016 11:02:38 PM
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