のほほん暮らそう。

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基礎看護学・実習


1、2年生の間に人体の構造や機能、薬学や病態学などの勉強や、
基礎的な看護技術を学生同士で実施する勉強をしてはいるものの、
実際に患者さんを相手にするなんて5日間と短くたって緊張そのもの。

私が受け持った患者さんは70歳前の女性で、
とてもやさしい、かわいらしい方でした。
手術で永久気管孔をつくったため、
もう声を出して会話をすることはできません。
とてもつらい状態のはずなのに、
筆談や身振りで一生懸命お話をしてくれました。
私はこの方がとても好きになり、毎日通うのが楽しみでした。
患者さんも私を受け入れてくれたようで、
すぐに打ち解けることができました。

5日間、この患者さんが何とか少しでも気持ちよく過ごせるように
いろいろ関わったつもりです。
家族の話を聞いたり、体を拭いたり…。
5日目の実習最終日に、
患者さんが自ら散歩に行きたいと言ってくれたり、
永久気管孔から出る痰を自分で吸引できるようになったり、という変化がありました。
それまでの4日間は散歩へ誘っても断られてしまっていたのに。
「最後の日だから学生の期待に応えたい」
という気持ちもあってのことだったのかとも思いますが、
自ら意欲が出てくるのはうれしい変化でした。

そして、その日の最後に
「これで実習を終了する」という挨拶をしました。
本当はいけないことだと思うけど、
私は淋しくなって泣いてしまいました。
患者さんも泣いていました。
患者さんは筆談で
「あなたのことを忘れないわ」
「気づかいの気持ち、忘れないで」とおっしゃっいました。

私は、基礎看護実習はとてもよい体験として終えることができました。
終わったときに、やっぱり看護師になろうって思えたし。
今こうやって振り返ってみると、
この時がいちばん看護をしていたように思います。
技術的なことではなく、もっと患者さんの心に触れていたと思う。
患者さんからいただいた言葉を胸に刻んで、
もっと患者さんの気持ちに近づく努力をしなくちゃ。

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