京阪・宇治駅のすぐ北側、「椎本(しいのもと)」の古蹟の手前に、「東屋観音」の像があります。ここが、源氏物語・宇治十帖の第五十帖、「東屋(あずまや)」の古蹟です。
東屋観音
添えられた説明によると、宇治市指定有形文化財に指定されているこの石仏は、鎌倉時代に造られたものだということです。もともと20メートルほど離れた場所にあったのですが、宇治橋の架け替えとともに府道が拡張され、この場所に移されたということです。
「東屋之古蹟」の碑
源氏物語の「東屋」は、薫が26歳のときの話です。
亡き大君(おおいきみ)に似た浮舟(うきふね)に惹かれながらも、浮舟の身分が低いことにためらいを感じていた薫。その一方、中君(なかのきみ)のいる二条院で浮舟と出会った匂宮(においのみや)は、浮舟に強引に言い寄ります。
匂宮から逃れ、三条の隠れ家にいた浮舟はしかし、薫によって宇治に連れて行かれます。
「東屋」は、浮舟が隠れていた場所を訪れた薫が詠んだ、
さしとむる むぐらやしげき 東屋の あまりほどふる 雨そそぎかな
に由来するものです。
浮舟がいた隠れ家(東屋)は京都の三条ですから、なぜここが古蹟? という疑問が残りますが、もともとフィクションなのですから、突き詰めてもしかたないですね。
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