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2015.09.19
カテゴリ： マラソン
今日、西葛西図書館で、元オリンピック選手の弘山晴美さんの講演会がありました。
弘山さんといえば、いまでも現役時代の活躍はいろいろと思い出します。
特に、シドニーオリンピックの代表選考会となった、大阪国際女子マラソンでのシモンとの最後のデッドヒートがすごかった。
最後、２秒とどかず、代表にはなれなかったけど、当時の日本歴代３位、世界歴代９位の記録だった。
シドニーは、高橋尚子さんがシモンとのデッドヒートの末、金メダルを獲得したけど、
もし、弘山さんが出ていたら、３人のデッドヒートだったかもしれない、と思っている。
そんな弘山晴美さんの講演会。
先月に予約しておいたので、ずっと楽しみにしていた。
場所は、西葛西図書館の３Fのセミナールーム、といっても40人くらいの小さい部屋。
まあ、そうなるよね。
館長さんのごあいさつの後、弘山さんのご登壇。
現役時代とくらべると、やはりかなりフックラされている。
弘山さんは、2004年～2011年に、東葛西に住まわれていて、江戸川競技場が練習場所だったらしい。
そのときの縁で、今回の講演会となったとのこと。
講演では、中学生で陸上をはじめてから、引退するまでの、エピソードを
そのときの気持ちや考えなどを感情を込めて、とても熱く語られました。
日本では、中距離で日本記録を６回も更新している弘山さんですが、
世界との差を痛感していたとのことで、特に、初めての世界陸上で、中国の馬軍団の練習を見たときの衝撃は強烈だったとのこと。
このときには、1500m、3000mで日本記録をもっていて、多少の自信もあったのに、井の中の蛙、だったと。
アトランタ五輪では、直前にぎっくり腰、そして、風邪をひいて、十分な練習もできずに出場した5000mで予選落ち。
帰国してから、自分の体調管理の甘さを痛感して、生活のすべてを見直したようです。
そこから、次のオリンピックでは、マラソンで日本代表を目指すことにして、
マラソン代表をめざした、最初の選考会の1998年の名古屋では、まだマラソンの走り方を試行錯誤されていて、直前まで故障していて、高橋尚子さんのスパートについていけなかった。
こんなコンディションでも、タイムは、2時間28分台だったので、マラソンでいけるという感触があった。
でも、まわりからは、「弘山はマラソンに向いていない」という声が聞こえてきて、ナニクソと強く思った。
でも、３位とは１分も離されていて、世界と戦うのはこの舞台ではないということで、シドニーではマラソンで代表にという思いを強くする。
それでも、陸連からは、シドニーでは１万ｍの内定をだす、そのかわり、マラソンには出てはいけない、という条件を提示されて、気持ちが大きく揺らいで、かなりの葛藤があったようです。
それでも、失敗をおそれずに、やはりマラソンで勝負したい、と決断したとのこと。
そして、2000年の大阪国際でのシモンとのデッドヒート。
結局、マラソン代表にはなれず、１万メートルで代表になることを目指すことにしたときの葛藤のお話のときには、かなり、感極まっていたご様子でした。
なんで代表になれなかったのか？
誰が悪いんだ？
陸連が悪い！
とか、誰かのせいにしたくて、悶々として、まったく練習にならなかった。
そんなときに、シモンから届いたメッセージ「あたなは強かった。シドニーでまた会いましょう」。
これがとても励みになった。
このまま誰かのせいにして、オリンピックに出られなかったら、将来きっと後悔する。
そうはなりなくない、という気持ちが湧きあがり、ついには１万ｍの代表を勝ち取ったということでした。
このときは、本当に熱くなっていて、聞いている私も、つい目頭が熱くなりました。
結局、シドニーでは1万ｍで決勝までいったものの、最下位の20位。
母親からは、「見事な負けっぷりだった」と言われた。
それまで、母親からは、何も言われたことがなかったので、このとき、「ずっと、見守っていてくれているのだ」と、心から感謝したようです。
この後、故障などもあって、マラソンではうまく走れなかった。
次のアテネ五輪も１万ｍで出場して、決勝で１８位。
年齢的にも３５になっていたので、引退も視野にいれていたそうですが、
目標としてたこと
・中距離で日本記録をだしたい
・世界選手権でメダルをとりたい
・マラソンでオリンピックにでたい
・チーム（資生堂）で実業団駅伝を優勝した
のうち、日本記録は６回出して、世界陸上では４位で、なんとか結果は出した。
マラソンでオリンピックは達成できなかったが、世界陸上でマラソン代表になれた。
あとは、マラソンで一度は優勝したかったのと、駅伝優勝をまだ達成できずにいたので、このままでは心残りで、とても引退できない、と思っていたようです。
そして、３７歳のときに、１０回目となる2006年の名古屋で、１分ちかく先行する渋井陽子さんを大逆転して、ついに初優勝。
タイムも２３分台と、３７歳としては、すばらしい記録として、今でも輝いています。
本人も誇りに思っているとのことでした。
さらに、３８歳のときに、実業団駅伝で、アンカーでゴールテープを切って、資生堂を初優勝に導いた。
引退も考えたあとの、この充実ぶりは、心残りのままやめたくない、という負けん気の強さもあるのでしょが、まわりのサポートがやはりチカラになったようです。
それまでは、弘山さんがチームのけん引役で、後輩のめんどうも見たりしていたのに、このときは、チームの後輩がとても頑張っていて、練習でも先頭を引っ張るなどして、弘山さんがチカラを出し切れるようにさせてあげたい、弘山さんにテープを切らせてあげたいという気持ちが伝わってきたそうです。
まわりは、弘山さんがアンカーになるのを１年前からきめていたようです。
そして、2009年現役引退。
今では、資生堂を退社して、自分の会社をもって、後輩指導などに力を注がれているとのこと。
自分の陸上人生を振り返って、まわりに伝えていきたいことは、
・目標をもつことの重要性
・失敗を恐れずに挑戦すること
・体調管理の重要性
・人と人とのつながり
いろいろ、へこむことも多いけど、
現役時代に経験した、どん底での気持ちの持ち方や、まわりの聲に耳を傾けて自分の力にすることなど、を大きな財産として頑張られれているようでした。
1時間１０分ほどのお話しでしたが、本音もチラホラあり、とても熱のこもった、良い講演会だったと思います。
個人的には、もしシドニーでマラソンを走っていたら、どうなったかと、考えることはないか、と聞いてみたかったのですが、やめました。なんとなく、答えがわかった気がしたので・・・
弘山さんといえば、いまでも現役時代の活躍はいろいろと思い出します。
特に、シドニーオリンピックの代表選考会となった、大阪国際女子マラソンでのシモンとの最後のデッドヒートがすごかった。
最後、２秒とどかず、代表にはなれなかったけど、当時の日本歴代３位、世界歴代９位の記録だった。
シドニーは、高橋尚子さんがシモンとのデッドヒートの末、金メダルを獲得したけど、
もし、弘山さんが出ていたら、３人のデッドヒートだったかもしれない、と思っている。
そんな弘山晴美さんの講演会。
先月に予約しておいたので、ずっと楽しみにしていた。
場所は、西葛西図書館の３Fのセミナールーム、といっても40人くらいの小さい部屋。
まあ、そうなるよね。
館長さんのごあいさつの後、弘山さんのご登壇。
現役時代とくらべると、やはりかなりフックラされている。
弘山さんは、2004年～2011年に、東葛西に住まわれていて、江戸川競技場が練習場所だったらしい。
そのときの縁で、今回の講演会となったとのこと。
講演では、中学生で陸上をはじめてから、引退するまでの、エピソードを
そのときの気持ちや考えなどを感情を込めて、とても熱く語られました。
日本では、中距離で日本記録を６回も更新している弘山さんですが、
世界との差を痛感していたとのことで、特に、初めての世界陸上で、中国の馬軍団の練習を見たときの衝撃は強烈だったとのこと。
このときには、1500m、3000mで日本記録をもっていて、多少の自信もあったのに、井の中の蛙、だったと。
アトランタ五輪では、直前にぎっくり腰、そして、風邪をひいて、十分な練習もできずに出場した5000mで予選落ち。
帰国してから、自分の体調管理の甘さを痛感して、生活のすべてを見直したようです。
そこから、次のオリンピックでは、マラソンで日本代表を目指すことにして、
マラソン代表をめざした、最初の選考会の1998年の名古屋では、まだマラソンの走り方を試行錯誤されていて、直前まで故障していて、高橋尚子さんのスパートについていけなかった。
こんなコンディションでも、タイムは、2時間28分台だったので、マラソンでいけるという感触があった。
でも、まわりからは、「弘山はマラソンに向いていない」という声が聞こえてきて、ナニクソと強く思った。
でも、３位とは１分も離されていて、世界と戦うのはこの舞台ではないということで、シドニーではマラソンで代表にという思いを強くする。
それでも、陸連からは、シドニーでは１万ｍの内定をだす、そのかわり、マラソンには出てはいけない、という条件を提示されて、気持ちが大きく揺らいで、かなりの葛藤があったようです。
それでも、失敗をおそれずに、やはりマラソンで勝負したい、と決断したとのこと。
そして、2000年の大阪国際でのシモンとのデッドヒート。
結局、マラソン代表にはなれず、１万メートルで代表になることを目指すことにしたときの葛藤のお話のときには、かなり、感極まっていたご様子でした。
なんで代表になれなかったのか？
誰が悪いんだ？
陸連が悪い！
とか、誰かのせいにしたくて、悶々として、まったく練習にならなかった。
そんなときに、シモンから届いたメッセージ「あたなは強かった。シドニーでまた会いましょう」。
これがとても励みになった。
このまま誰かのせいにして、オリンピックに出られなかったら、将来きっと後悔する。
そうはなりなくない、という気持ちが湧きあがり、ついには１万ｍの代表を勝ち取ったということでした。
このときは、本当に熱くなっていて、聞いている私も、つい目頭が熱くなりました。
結局、シドニーでは1万ｍで決勝までいったものの、最下位の20位。
母親からは、「見事な負けっぷりだった」と言われた。
それまで、母親からは、何も言われたことがなかったので、このとき、「ずっと、見守っていてくれているのだ」と、心から感謝したようです。
この後、故障などもあって、マラソンではうまく走れなかった。
次のアテネ五輪も１万ｍで出場して、決勝で１８位。
年齢的にも３５になっていたので、引退も視野にいれていたそうですが、
目標としてたこと
・中距離で日本記録をだしたい
・世界選手権でメダルをとりたい
・マラソンでオリンピックにでたい
・チーム（資生堂）で実業団駅伝を優勝した
のうち、日本記録は６回出して、世界陸上では４位で、なんとか結果は出した。
マラソンでオリンピックは達成できなかったが、世界陸上でマラソン代表になれた。
あとは、マラソンで一度は優勝したかったのと、駅伝優勝をまだ達成できずにいたので、このままでは心残りで、とても引退できない、と思っていたようです。
そして、３７歳のときに、１０回目となる2006年の名古屋で、１分ちかく先行する渋井陽子さんを大逆転して、ついに初優勝。
タイムも２３分台と、３７歳としては、すばらしい記録として、今でも輝いています。
本人も誇りに思っているとのことでした。
さらに、３８歳のときに、実業団駅伝で、アンカーでゴールテープを切って、資生堂を初優勝に導いた。
引退も考えたあとの、この充実ぶりは、心残りのままやめたくない、という負けん気の強さもあるのでしょが、まわりのサポートがやはりチカラになったようです。
それまでは、弘山さんがチームのけん引役で、後輩のめんどうも見たりしていたのに、このときは、チームの後輩がとても頑張っていて、練習でも先頭を引っ張るなどして、弘山さんがチカラを出し切れるようにさせてあげたい、弘山さんにテープを切らせてあげたいという気持ちが伝わってきたそうです。
まわりは、弘山さんがアンカーになるのを１年前からきめていたようです。
そして、2009年現役引退。
今では、資生堂を退社して、自分の会社をもって、後輩指導などに力を注がれているとのこと。
自分の陸上人生を振り返って、まわりに伝えていきたいことは、
・目標をもつことの重要性
・失敗を恐れずに挑戦すること
・体調管理の重要性
・人と人とのつながり
いろいろ、へこむことも多いけど、
現役時代に経験した、どん底での気持ちの持ち方や、まわりの聲に耳を傾けて自分の力にすることなど、を大きな財産として頑張られれているようでした。
1時間１０分ほどのお話しでしたが、本音もチラホラあり、とても熱のこもった、良い講演会だったと思います。
個人的には、もしシドニーでマラソンを走っていたら、どうなったかと、考えることはないか、と聞いてみたかったのですが、やめました。なんとなく、答えがわかった気がしたので・・・
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