たろりんの“ウィスラーだより”

たろりんの“ウィスラーだより”

トフィーノの旅


*****トフィーノの旅*****

2006年5月3日から2泊で訪れた、トフィーノの旅の日記をお届けします。



=トフィーノ(Tofino)=
カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の西の端っこに横たわる大きな大きな島、バンクーバー・アイランド。その西海岸(太平洋岸)に、長く美しいビーチと手付かずの温帯雨林が残るパシフィック・リム国立公園があります。トフィーノの町は、その国立公園のすぐ隣。カナダ西部随一のビーチリゾートでありながら、もの静かで、小ぢんまりして、First Nation(カナダ原住民)の文化が今も色濃く残るところです。サーフィンのメッカとしても有名なほか、ホエール・ウォッチング、シー・カヤック、ハイキング、キャンプなど、アウトドアなアクティビティも盛りだくさん。

トフィーノってこんなところ→
ブリティッシュ・コロンビア州観光局のページ(日本語)
GoTofino.Comのページ(英語)


5月3日 (水) 晴れ

朝から快晴!旅行日和です。ウィスラーを朝8時頃出発して、ハイウェイを下ること1時間半弱、ホースシュー・ベイのフェリーターミナルから、バンクーバー島東部のナナイモ行きのフェリーに乗りました。デッキの上はものすごい強風!立っているのもままならず、私たちはすぐに室内へ戻りました。ナナイモまで、1時間35分の航海です。

写真の奥のほうに見えているのはいつも走っているハイウェイ99。
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ナナイモに着いたのはお昼ごろ。フェリー・ターミナル近くで軽く昼食を済ませて、寄り道もせずにトフィーノへの道を急ぎました。何しろ、バンクーバー島東岸のナナイモから西岸のトフィーノまで、島を横断するのに3時間!バンクーバー~ウィスラー間より遠い…。大きな島です。

島を横断するハイウェイ4号は、延々と曲がりくねった山道を抜けていくコース。山と、森と、湖以外はほとんど何もありません。。。中間地点にポート・アルバーニという町があって、当初そこで休憩を取る予定でしたが、あまりに小さな町で休憩場所を探しているうちに通り過ぎてしまいました…(笑)。結局そのままノン・ストップで一路トフィーノへ。

ようやく島の西岸へたどり着くと、パシフィック・リム国立公園の入り口があります。細い半島に沿って横たわる国立公園を突っ切るハイウェイを走ることしばし。国立公園を抜けるとそこはもうトフィーノです。道路沿いにリゾートホテルやロッジの看板が点々と立っていて、その中に私たちの目的地はありました。

今回私たちが泊まったのは、 The Wickaninnish Inn(ザ・ウィカニニッシュ・イン) 。実はここ、「トフィーノと言えば、このホテル!」というくらい有名な、高級リゾートです。この憧れのホテル、インターネットをチェックしたら5月(Low Season)の特別料金が出ていたので、思い切って予約してしまいました!

小さいけれど落ち着いた雰囲気のホテルのロビー。窓の向こうは太平洋です。
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客室は全室オーシャン・ビュー。私たちの部屋は1階でしたが、バルコニーからは木々のすぐ向こうに海が。
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山道の運転でヘトヘトだった夫は部屋に入るなり即、ベッドに沈み込んでひと眠り。その間に私は、フロントで周辺地図やガイドブック、アクティビティーのパンフレットなどをもらって来て旅の計画!バルコニーで紅茶を飲みながら、静かな波の音をBGMに…!!
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私も夫も、商売柄(?)、ホテルの客室のインテリアやアメニティには興味津々。とくにこのホテルは、自然を意識したインテリアがどれも素敵。

デスクには、流木を使って作られた椅子。
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暖炉の上には、野鳥図鑑やFirst Nationの歴史・文化に関する本、夜にバルコニーでリラックスする時のためのオイルランプ(もちろんクローゼット内にひざ掛けブランケットもあり)、それにバード・ウォッチングやホエール・ウォッチングに持っていくための双眼鏡も。
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バスルームには、手づくりの温かみのある備品がいろいろ。可愛い!
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夕食の時間までにはまだ余裕があります。昼寝から目覚めた夫を連れて、ホテルの脇にあるビーチ(Chesterman Beach)へ散歩に行きました。

ホテルから5分くらい歩いたところで振り返って撮った写真。中央付近、崖の上に立っているのが私たちの泊まったホテル。
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さらに20分くらい、ただただ歩いてビーチの端まで行って、すこし座って休憩して、またひたすら歩いて戻って来ました。時間はすでに7時を回っていましたが、日没はまだまだ先です。
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夕食はホテルのレストランで。太平洋を180℃見渡せる最高のロケーション。ちょうど日が暮れて色がどんどん変わっていく海と空を眺めながら、とてもロマンティックなディナーでした。写真を撮りたかったけれど…、今度だけは遠慮しておきました。ごめんなさいね。


5月4日 (木) 快晴!

この日のメイン・イベントはHot Spring Cove(ホット・スプリング・コーブ)へ行くツアー!トフィーノから北へ40kmほど行った海岸の岩場に、天然の温泉が湧き出ているところがあって、モーターボートに乗ってそこを訪れるツアーです。ただ行くだけではなく、途中ホエール・ウォッチングや、白頭ワシ、アザラシ、ブラック・ベアーなどの痩せ動物たちを見ることもできる、一日がかりのツアーなのです。

ツアーの出発前、船着場で巨大なHalibut(大ヒラメ)をさばいている人発見。
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屋根付きのモーターボートに乗り込んで、さぁ出発!
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トフィーノの町がどんどん遠くなっていく…。
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最初に出会ったのは、白頭ワシ。見えるかな~、右側の木のてっぺんにとまっています。実際はもっとハッキリ近くに見えてました。ガイドさんによると、白頭ワシはいつもつがいで行動し、主にオスが子育てをするのだそう。この時も、この木の裏側に巣があって、そこでオスがヒナに餌付けをしている様子が見られました。
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Beautiful British Columbia!入り江の向こうに見える山々の景色、そこを渡っていく白頭ワシ、まさにBC州特有の景色だと思います。っていうかこの写真、ホントは景色だけを撮ったのではなく、水面に顔を出したアザラシ君を撮ったつもりだったのですが…、一瞬だったので採れなかった!水面にぷっかりと浮かぶアザラシ君、とっても愛嬌があって可愛かったです。
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そして更なる目標は…、クジラです。春先から夏にかけては、Gray Whale(コククジラ)が太平洋北部を回遊する季節。今は絶好のホエール・ウォッチングの季節なのです。それまで入り江にいた船は、スピードを上げて太平洋へと乗り出しました。この日はとてもいい天気で波も穏やか!…ですがそれでもそこは太平洋。木の葉のように小さなモーターボートは波に煽られものすごい揺れ。最初のうちはそれを楽しんでいた私ですが、案の定どんどん気分が悪くなってしまいました。。。

この赤い岩場の辺りにいつもクジラがいる、との情報を得てしばし停泊。しばらく目をこらしていると…、いた!水面に、クジラの背中から潮が噴き出されるのが見えました。ガイドさんによると、どうやら親子2頭のクジラがいて、子供にお乳を与えているので動かずにそこにいるのだろう、との事。しばらく見ていると、ときおり背びれを覗かせたり、時には尾びれをひるがえすところも見えました!例によって写真に収める事はできなかったけど…、ごめんなさい!
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クジラに目をこらしながら、足で舵を取る(笑)ガイドのキース。こう見えても、正真正銘のGeographer(地理学者)。クジラや野生動物に関する知識もとても豊富で、とても詳しく、でも楽しくガイドをしてくれました。
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午後3時、温泉のあるMaquinna Marine Parkに到着。ここはBC州の州立公園で、入り口には入園料3ドルを支払うポストが置かれていました。
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下の写真は、公園の入り口から船着場の方を振り返って撮った写真。対岸に見える小さな集落は、First Nationの人たちの居住区です。ネイティブ・カナディアンとか、カナディアン・インディアンなんて言った方が分かり易いでしょうか?でもカナダでは、もともとこの土地に住んでいた彼らのことを、敬意をこめてFirst Nation(ファースト・ネイション=最初の民族)と呼びます。地図の上でも、First Nationの人々の居住区とそうでない土地はハッキリと区別されていて、ウィスラー周辺にもそういうところは沢山あるんです。彼らにとっては、"カナダ人"はいわば侵略者。長い歴史を経て、お互いを尊重しあう事で共存しているんですねー。

こんな静かなところで細々と生活をしている人たちもいれば、東京みたいにゴチャゴチャしたところで生活している人もいる…、世界って広いんだなー、いろんな生活があるんだなー、と考えさせられました。。。
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さて、ここからが温泉への長い道のりの始まり。え?もう公園に着いたんじゃないの?とお思いでしょうが、とんでもない。公園の入り口から、森の中をひたすら歩く事30分(片道)!うっそうと茂る温帯雨林の中に、温泉へと続く歩道が作られています。
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木で作られた歩道には、ここを訪れたたくさんの人たちがその足跡を残していました。
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樹齢何年!?ものすごい太い杉の木がその辺にゴロゴロしていました。古代杉、って言うんでしょうか。
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ひたすら歩いて30分、何となく硫黄の臭いが漂って来ました。やっと温泉に到着です。下の写真、手前の小さな泉から温泉が湧き出して、川となって流れ出しているところです。
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その先は、海を見渡せる岩場の海岸。まずはここで、持ってきたサンドイッチで軽くランチ。ピクニック気分!
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さっきの温泉の川が滝のように流れ落ちて、小さな岩と岩のすき間にお湯が溜まっています。…、そう、このお湯に浸かるんです!! この滝は、自然の温泉シャワー、ってとこです。
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足元はかなりゴツゴツして、歩くのもままならない状態。この先に湯舟2つ分くらいのスペースがあって、お湯に浸かりながら海を眺められるのですが…、カメラを持っていると危ないのでここまでが限界!更衣室(小さな小屋、もちろん男女共同…、笑)で水着に着替えて、さっそくお湯に浸かってみました。ここの源泉は50℃ほどだそうで、岩場に溜まったお湯はちょうどいい湯加減。100%天然温泉なのでかなり硫黄の臭いがしてヌルヌルしていました。強い硫黄成分に湯あたりするといけないので、あまり長く浸かりすぎないように注意。気持ちよかった~、でもこんな大変な思いをして温泉に入るなんて、初めてです(笑)。

温泉でリラックスした後は、再びひたすら歩いて船着場まで戻ります。程よく疲れて、帰路のボートではぐっすり。帰りは波の静かな入り江だけを通っていくので揺れも少なく、1時間弱位?でトフィーノの港に帰ってきました。到着したのは7時過ぎ。港のそばの小さなレストランで食事して帰りました。私がオーダーしたのは、今朝見たHalibutのソテー。初日も2日目も、思いっきりシーフードを堪能してしまいました。


5月5日 (木) 晴れ 時々 くもり

お天気に恵まれたトフィーノでの3日間も、最終日です。ホテルのレストランで朝食。朝の海の景色がとても気持ちいい!オーダーしたのはポーチド・エッグと焼いたプチトマト&アスパラガス&ポテト。特製のブラック・カラント&グレープの生ジュースと一緒に。
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食事の後、早々にホテルをチェックアウトして、午前中のうちにトフィーノの町を散歩。この日はちょっと雲が多くて肌寒かったです。
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町の中心部への入り口に、Welcome To Tofinoの看板。First Nationのアートが使われています。
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町の中心部、といっても、ホントに何にも無いところで…(笑)。マクドナルドも、スターバックスもここにはありません。ほんの最低限のスーパーマーケットと、何軒かのアートギャラリーやギフトショップがあるだけです。

ギフトショップに、フィッシュ・アンド・チップスのスタンドが併設された可愛いお店。
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アート・ギャラリーにも何軒か行ってみました。お土産にFirst Nationのアート・クラフトを買いたかったけれど、そういうのって意外と高いんです。。。あるギャラリーのショップで、この地方のFirst Nationの伝統的な手編みの籠を見つけて、可愛かったので手にとって見てみたら…、直径わずか3cmほどのちいさなアクセサリー入れサイズのものでも60ドル!大きなものは何百ドルもするとか。

最後に訪れたのは、トフィーノで最も有名なこの Eagle Aerie Gallery 。独特のアートが用いられた外観はインパクト大。
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何気なく入ったこのギャラリー。前半はギャラリー内の絵をただ何となく眺めていたのですが、ショップで一冊の画集を目にして、何と言うか、ものすごくインスパイアされてしまいました。。。その本の名前は "The Elders Are Watching" 、日本語訳版も売っていて、日本語題は『長老達のまなざし』。さっきギャラリーで見た絵を集めた画集なのですが、ひとつひとつに短い文章がつけられています。それはFirst Nationの人々にとっての神のような存在、つまり遠い昔の祖先たちやワシ、クジラ、サーモンなどの動物達=「長老たち」からのメッセージ。この土地に入植してきた者たちが、彼らの愛してきた大地や自然や動物達を破壊していく姿を厳しく見つめている、という内容のものでした。美しい色使いの絵とは対照的なそのシビアな視線が、とても胸に突き刺さるような感じがして、さっきはただボンヤリ眺めていた絵たちも、強く深いメッセージを持ったものに見えて来ました。夫はフレームに入った絵をいくつか購入したい、と言っていましたが、やはり高価だったので断念、この画集とポストカード集を買って来ました。

こうして、トフィーノの海、大自然、First Nationの文化に思いっきり触れた3日間の旅もこれでおしまいです。あとは再びあの険しい山道を延々ドライブしてナナイモへ戻り、フェリーにのって帰途に就きました。今まで同様に楽しさ満載、でも今までとは違う、なにかスピリチュアルなものを感じた旅でした。今回は短くて国立公園まで足を伸ばせなかったので、もし次回また訪れる事があればもっと長期で過ごしたいです。遠いけど…(苦笑)。


*****おしまい*****




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