日々、是、ざつぶん

日々、是、ざつぶん

August 8, 2005
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テーマ: 三国志(508)
カテゴリ: 書評(三国志)
郵政法案が否決されちゃいましたね……そんでもって、衆議院も解散しちゃいましたね。
選挙事務を担当している同僚さんが「ボクの夏休みは何処へ……T_T」と嘆いてましたが……仕方がないですねぇ……。

それよりも、私の頭の中ははじまったばっかりのプロジェクトと、予算が100万円(!!)足りない消耗品費のことで頭がいっぱいです(爆)。
企画書を作ってはボツをくらい、作っては直しを入れられ、それらのコピー用紙は無惨にも古紙に行き、スティック糊はコンビニ弁当(昼食。もちろん私費)に付いてくる 爪楊枝で綺麗にこそぎ取りながら 使っております(爆死)。

…こんなにがんばっても、給料は20%カットなんですね、社長。

まぁ、たすくっちは物欲があんまりない方で(本は除く)、最近なんて 給料の40%ぐらいは貯金に回せてた んでまぁいいんだけど(←ぇ)。

ところで。



今回選んだ本は、こちら。


曹操残夢 魏の曹一族


カテゴリも「三国志」関係のものを別に立てることにしました。

先に買ったはずの らくらく読める三国志 はどーしたのよ?とか言われそうですが……すいません、そっちはまだ読めてないっす(爆)。
字は大きくて読みやすそうなんだけどね……たすくっちは演義より正史の方が好きなので、読むときの気合いの入れ方が違うというか……^^;

んじゃ早速……と、言いたいところですが。その前に。

「三国志」の名に惹かれてこのページに辿り着かれた皆さまへ、一言ご忠告申し上げます。

たすくっちは、 筋金入りの呉ファン&アンチ蜀人間 ですので、感想がひじょーに偏ってる(もちろん呉視点に)上に、蜀ファンにはかなり辛口なコメントになるかと思います(ま、この本は魏中心だから、蜀の話には 全く ならないと思うけど←それもどうかと)

この忠告を無視して不快な気分になられた方がいらっしゃっても責任は取れませんので、自己責任でお願いします。

それでは、はじめさせていただきます。



まずは恒例の、全体を通してみた感想から。

一応、語り手は曹操の従妹・曹紅珠の息子、曹宙ということになってますが、作者が想定した主人公は曹植かな?と思います(それっぽいことをあとがきでも述べている)。
他にも、「表向き死んだことになっている」紅珠や甄氏、政権から離れて隠者のごとくひっそりと生きている山陽公・劉協(献帝)や斉王・曹芳が世の中の流れを冷静に眺めるような語り口で印象に残っている一方、通常曹操死後の三国志の華として注目を浴びるであろう諸葛亮と司馬懿が……いや、司馬懿はともかく、諸葛亮が、 圧倒的に目立ってない

あと、これは連載されていた小説を1冊にまとめたものだから仕方がないんだけど、同じような説明が各章に繰り返し出てくるのがすごく気になった。この辺りは、1冊にまとめるにあたって訂正しても良かったのではないかと(←たすくっちは趣味で小説を書いている人間でもあるので、小説の構成にはちとうるさい)。

1冊15章構成で曹操死後(220年)から魏滅亡(265年)の45年間を描くわけで、個々のエピソードが薄くなってしまうのはまぁ仕方がないとして。

個人的に一番印象に残ったのが、そのご隠居の皆さま同士(とりわけ、劉協)の会話……というのが、自分でも何だかなぁと思う(汗)。

それにしても、曹植も劉協も曹芳も、権力を離れた後の方が幸せそうなんだよね(ま、曹植は領地を転々とさせられていて、その意味では苦労したかもしれないけど)。その価値観は解らなくもないけど……曹丕を除いた魏の後継者たちは、あまりにも帝王学を知らなすぎたかも。曹叡でさえ、後継者に指名されたのは曹丕の死の直前だったわけで、それまで後継者として育てられていたかというと、個人的にはかなり疑問に思ってます。
ま、そんなことを言ったら劉禅も孫休も孫晧もそうなんだけどさ(孫亮は別。彼は、時代があんなんじゃなかったら……というか、 孫峻があんなとこでぽっくり死ななければ 、真っ当な呉の皇帝として君臨できたと信じている)。

…と、ここは正史の考察をする場所じゃなかった(汗)。小説の感想の続き、ですね。

曹叡についてインパクトがあったのは、「曹叡を間違いなく曹丕の子とするために」、(わざわざ)正史で書かれた生年を意図的に変えてた、ってところかな。甄氏が浮屠の教えに傾倒していて、隠居させるためにわざわざ死んだことにした……という「曹丕優しい人説」もとってる。

それはそれで、小説的解釈としてはまぁありかなぁとは思うけど(最近、「いい人な曹丕」ってネットじゃ結構見るし)、どうも違和感がありまくりかね。その「実は生きてる甄氏」の存在を、弟の曹植には教えてるのに、息子で甄氏の子でもある曹叡に教えてないからかなぁ。だったら、曹叡の帝位即位後に起きたと言われる郭氏への復讐も、別に描いてもいいんじゃないのかな、とか(ま、作者は『魏末伝』の記述を信用してないけど)。

ところで、我らが大帝・孫権さまですが(←たすくっちは呉の中で、というか、三国志の中で孫権が一番好き)、結構出てました。出てるだけで、そこでの描き方が満足のいくものだったかというと……ちょっと、アレだけど(何だよ)。

曹宙の口を借りて「彼は案外皇帝が似合うんだな」と書いてるのはともかく(そのニュアンスは若干否定的だが……)、「呉の朝廷は暗い」って(号泣)。
人だってめちゃくちゃ少ないような描かれ方をされてるけど、揚州一州だけで統治してた頃はともかく、荊州・交州を併合した後は蜀よりもずっと人口は多くなってたはずだよ(『後主伝』と『(呉主)三嗣主伝』の末にある数字をちゃんと検証しろ、と)。
むしろ、人口対比で行けば蜀の朝廷は明らかに官吏・軍人が多すぎていびつ。今の公務員バッシングのように、人件費が国家予算に多大なダメージを与えていたと見るべき(今、ちょーっとちくまの『蜀書』がなくて確認できないけど(汗))。

…って、また話がズレた(汗。どーも三国志系の本を読むと考察をしたくなってダメだのぅ……)

呉の官吏や軍人の数が明らかに少ないのは「呉側が多く見せかけようとしたから」というのが作品上での解釈らしいけど、これも若干違和感があった。
最近買った 中国人民に告ぐ! (←文庫版を買ったので、文庫版で)という本を読んだんだけど、そこでは「中国人の不精確性」を指摘しており、現代でもそうなんだから過去の記録なんて言わずもがな(上の記述と矛盾してるようだけど、この人口対比のいびつさ自体が数字に弱い中国人の姿を表しているとも言える)。下手したら10倍ぐらい大げさに言うこともあるので、中国が出してくる数字ってのは容易に信じない方がいい。

それでも、公孫淵との確執を結構な紙面を割いて描いてくれてるところはいい感じ(例え否定的な解釈であっても……)。演義に出てこない士燮の名前が出てくるところもグッジョブ。

ただし。
陳先生の二宮の変の解釈を読んでみたかったけど、その単語はおろか、呉のお家騒動そのものをすっぱりとスルーしてくれました^^;;

ま。
この作品は魏の物語なんだし、中途半端な描かれ方をされるくらいならスルーでいいです、アレは。二宮の変の完全小説化は私がやるんで(って、こんなとこで宣言してていいのか……)

では、総評。

魏好きなら楽しめると思います。
駆け足ですが、魏の歴史の本筋はしっかりと押さえられています。
司馬懿と曹髦が何を考えてたのかはよくわからなかったけど(特に司馬懿の考え方が意味不明。帝位を獲って何をやりたいわけでもなく、ただ司馬家存続という保身のためだけに簒奪を画策するって……)曹丕と曹芳の新鮮なキャラ設定に出会えるだけでも一見の価値ありかも(その二人に比べると、曹叡のキャラはちょっと薄いかもなぁ……)。

呉好きの人にはちょっと厳しいかもしれません。
曹操死後ってことは、呉の人気キャラでそこそこ活躍するのはほとんど陸遜しかいないわけですが(君主である孫権はどっちかというとふんぞり返ってるだけなので(汗)、どーも彼の活躍も前半だけで、後半は名前も出てこないし性格もよくわかんないし(汗。むしろ呉で一番目立ってくれたのは虞翻(爆))。

ただ、どちらにしても、戦争シーンはあまり期待しない方がいいでしょう。かな~りあっさり目の味付けです。

……え?蜀好きの人?ええっと……(←明後日の方に向かって遠い目)

※ちなみに、たすくっちは前作にあたる同作者の 『曹操』 は読めてないのであしからず。
そのうち読みたいけどね。



たすくっちオススメ度 ☆☆☆
呉&孫権Love度    ☆☆
曹丕いい人度     ☆☆☆☆





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Last updated  August 8, 2005 11:46:53 PM
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