あたしはあたしの道をいく

2006.03.31
XML
あたしは何度か母に対決したことがある。
それは『毒になる親』に書かれているような冷静なものじゃなく、
感情爆発的なもので、事実を述べるというより罵る感じだった。
でも、あたしはそういう方法でしか伝えることが出来なかったし、
母はその都度、「親は親なんだからね!」と、あたしの口を封じた。
あたしはやり場の無い怒りを抱えながらも、黙るしかなかった。

だけど、何度か衝突を繰り返すうちに変わった。
あたしが過去の事で何か言うと、
母は悲劇のヒロインを演じるようになった。

「全て私が悪いのよ」



だから、これ以上責めないで頂戴。
私は私なりに精一杯やったのよ、他にどうしようがあったというの。
でもそうね、私が悪かったのよ。
私が全て悪かったのよ。
だからもう責めないで頂戴。
こんなに反省しているのに責めるなんて、冷たい娘ね。


母は卑怯だ。
「自分が全て悪い」と言ってしまえば、誰もそれ以責めないことを知っている。
そうすれば自分は被害者になるのだから、逆に慰められることを知っている。
外野の父や妹たちも完全に母の味方になってしまって、半泣きの母を懸命に慰める。
慰められた母は「自分が悪いのではない」と立ち直って、行動を何一つ変えない。
全て知っているんだ。
悲劇のヒロインになれば、被害者と加害者が入れ替わることを。

反吐が出る。
責任の放棄じゃないか。

アナタはあたしを傷つけたんだ。
悪気があろうと無かろうと、そんなの関係ない。
現実をちゃんと見ろ!
あたしのココロはこんなに傷付いてるんだ。
親は親なんだから敬えだとか、
悲劇のヒロインぶって安っぽい同情心を買おうだなんて、
ごまかし以外のなんだってんだ。
それが、親のすることか!
それが、一人前の大人のすることか!
その行為、逃げ以外のなんだってんだ!
逃げるんじゃない!
現実を直視しろ!
自分のやったことをちゃんと見ろ!
責任くらい、きっちり取れ!



ああそうか。
あたし、ひどい怒りを抱えてるんだな。

「親は親なんだからね」とか「私が全て悪いのよ」とか言われると、
今の母に対しても、怒りと失望がこみ上げて来るんだよな。

過去のことに対して酷い怒りを感じていて、
そのことに向き合って、受け止めて欲しいのに、
母は押さえつけるか誤魔化すかしかしないもんだから

でもそれを表現することも出来ないから、内側に溜め込んじゃうんだよな。

あたしは、謝って欲しいわけじゃない。
逆に、謝ってなんか欲しくない。
「ごめんなさい」って言葉は、暗に相手の許しを求めてると思う。
「ごめんなさい」って言われたら「良いよ」って言うのが普通だもん。
だけど、「良いよ」って言ってしまったら、二度とそのことを蒸し返せない。
一度許したことを蒸し返して非難するのは間違ってるから。
だから、安易に「良いよ」なんて言えるはずがない。
なのに、「良いよ」って言わなければものすごく人間的に狭量だって言われる。
だから、安易に謝るのは卑怯だって思う。

そうだ。
あたしは、反抗するたびに、過去のことを伝えるたびに、
返ってくる言葉であれ、態度であれ、酷い非受容を感じるんだ。
「過去のことは無かったことにしたい」
そんな色濃いメッセージを受け取ってしまうんだ。
あたしがおかしくなるようなことは、何も無かった。
母親が非難されるようなことは何もなかった。
あたしが母親を糾弾するようなことは何もなかった。
仮にあったとしても、既に水に流されているはずの大昔の問題で、
大した問題でもないし、取るに足らないことだから、
目くじらを立てて大騒ぎするようなもんじゃないんだから、黙りなさい、と。

そっかぁ・・・・・・
何となく、「親は親なんだからね」とか「私が全て悪いのよ」って言葉に
いつも酷く混乱してきたのが分かってきた気がする。
双方の問題意識に、大きな隔たりがあるんだなあ。

悲しいなあ。
親なんだもの。
親として、責任とって欲しいよな。
いや、あたしももういい歳した大人だし、
責任とって欲しい、ってのはちょっと違うなあ。
親として、大人として、責任を感じて欲しい。

だけど、もう無理だろうね。
あたしもそれはもう、期待してない。


にしても。
書きながら、靖国問題の答弁に立つ小泉首相が脳裏に浮かんだんだよね……。
問題の次元が全然違うのに、母の姿と重なっちゃったのは……
なんだかなあ……(苦笑

(オワリ)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.03.31 12:27:14
コメント(4) | コメントを書く
[アダルトチルドレン] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: