あたしはあたしの道をいく

2006.05.18
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「少年A」この子を生んで…


「少年A この子を産んで」
って本を読んだ。

あたしより上の人たちの記憶には、あるかもしれない。
酒鬼薔薇聖斗って名前。
この事件が起きたとき、あたしはまだ高校生だったと思う。
行方不明の小学生の頭部が、小学生の通っていた学校の校門に置かれる、
という非常に残忍で衝撃的な事件だった。

あたしは当時、自分自身が生きるのに精一杯で、

事件の詳細は遠い潮騒のように聞いただけだった。
この本を読むまで、事件のことは意識の端にかろうじて引っかかっているだけで、
残忍さだとか特殊なところだとか、全然考えて無かったのだ。

この本を読んだのも実は年単位で前のことで、
かなり記憶に頼って書くことになってしまったので、
内容については通り一遍で済ませてしまおうと思います。
気になった方は探してみてください。

この本は「少年A(=酒鬼薔薇聖斗)」の両親の手記。
彼が生まれてから事件が発覚し、この手記が書かれるまでの経緯。
非常に印象的だったのは、生後1ヶ月か2ヶ月でトイレでウンチをしたという
「喜ばしい事件」について書かれている育児日記の転載。

生後1ヶ月や2ヶ月って、首も座ってない新生児だよね。
両親の「こんなに普通の良い子なのに、なんでこんな!!!」
って叫びが行間から漏れてくるような手記なんだけれど、
読むにつれ「異常だ」としか思えなくなってくる。
両親の彼に対する溢れんばかりの愛が綴られているにもかかわらず、


色々考えられる本だったので、もう一度読んでみたいんだけど、
引越しのドサクサか、タロウ&ハナコの仕業なのか、見付からないので読めずに居る。

さて、今回なんでそんな手元にない本のことを引っ張り出したかというと。
掲題「神を飼う」。

広島でしばらく前にペルー人男性が小学1年生の少女を殺害する、
という事件があり、ただいま広島地方裁判所で裁判が行われています。
彼は彼の中に降りてきた神のお告げによって、少女を殺害したといいます。

少年A、彼は自身の中に「バモイドオキ神」という神を作りました。
彼はその舌を噛みそうな名前の神に従って事件を起したって言う。

何年か前に「ジャンヌ・ダルク」という映画が公開されましたけれど、
その映画の主人公、ジャンヌ・ダルクも神を自身の中に作りました。
彼女はその神に従って、勝ち戦を続けた。

神は、弱者の所に現れる……。

私もかつて、私の中に神を飼っていたことがある。
少年Aほど凶悪な神ではなく、ジャンヌ・ダルクほど神聖な神ではなく。
どちらかというと、赤毛のアンが鏡の中に見出した友人に近い感じ……。
あたしは、それを、神だと思っていた。
あたしは、あたしの中に、神を飼っていた。

あたしは神の啓示に従って、行動を起したりもした。
神の啓示に従って、母を赦したりした。
あたしはあたし自身が飼っていた神にずいぶん助けられた。
少なくとも、友人関係を上手く築くことが出来なかったあたしには、
孤独を埋めてくれる大切な人だった。

あたしの中に居た、「神」。
あれは、なんだったんだろう。
八百万の神様や仏様たちとは明らかに異質のもの。
いつの間にか居なくなってしまっていた、あたしの中の「神」。

神を飼っていたあたしは、異質なんだろうか。
思春期頃の青少年には良くあることなんだろうか。
内なる声を聞く。

もうずいぶん長いこと、「神」の声を聞いていない。
恐らくもう、あたしには聞けない「神」の声。
懐かしいとは思わないけれど……
変な感じ。






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Last updated  2006.05.18 12:31:53
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