あたしはあたしの道をいく

2006.06.23
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カテゴリ:
人間の証明新装版


やっと「新・人間の証明」で気になってた、
棟居刑事の過去が分かりました~!!
も、「新・人間の証明」で何度も前作に触れられてるから、
気になって仕方が無かったのよね~っ!

教訓。
シリーズものは順番に読みませう☆

戦後二十数年経った東京の高級ホテルで黒人青年が刺殺される。
この事件に当ったのが、棟居刑事。

(森村誠一が推理小説作家だってことを知らなかったくせに、
 当然とか言うなっつーの!>_<)

すごいです。
単なる推理小説の枠に収まりきりません。
本当に「人間であることの証明」を突きつけられる作品。

戦後の進駐軍による、統治下の状況。
そこで幼い日の棟居刑事が失ったもの。心に誓ったもの。
当時の日本の惨状。
その後の日本の復興と、復興の過程で失ったもの。
上流家庭の危機的状況。
ニューヨーク・ハーレムの悲惨な状況。


推理の流れなんて、オマケみたいな感じ(笑

オマケ、なんて言っちゃいけないですね。
それはそれで、すごいのよ。
途中、「ん??」って感じる違和感も、
パズルのピースがピタリピタリとはまっていくみたいに、

これは、推理小説以外では味わえない醍醐味よね。
だから、これはこれで本当にすごいの。

だけどね、そんな推理なんかかすんでしまうくらい、
たくさんの問題が提起されているのよね。
読んでいて、クラクラしてきちゃう。
のめりこんでしまいます♪

森村誠一、ここまで敬遠してきたなんて、ものすごく勿体無い!
オソロシゲな題名に腰が引けて、どうしても手が伸ばせずにここまで来たけど、
これはもう、ハマりそうな予感、大ですよ!!!

この小説が書かれたのは、ずいぶん前のこと。
だから、時代の変遷とともに変わったこともある。
だけど……この作品で提起された問題は、殆ど片付いてない。

そして。
戦後の危機的状況を述べられると、気になるのが……

イラク、だよね。

イラクはまだ、安全とは程遠い国だ。
アメリカを始めとする国々の兵による、虐待も何度も報じられた。
民間人犠牲者の話も後を絶たない。
イラクは、この本の中に書かれている、日本の戦後と同じ状況だ。
いや、もしかしたらもっと酷いのかもしれない。

幼い日の棟居刑事が、イラクにもきっと居る。






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Last updated  2006.06.23 17:33:49
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