たゆたひ

たゆたひ


額にはりついて

ベタりとした感触が
重々しい質量が

今の自分の心をあらわしていた

髪は乾けば元に戻る

ドライヤーで乾かすなり
タオルで乾かすなり
自然乾燥にまかせるなり

方法は様々で

でも
数多あるその方法のどれを選んでも
湿った心が乾くことはない

自然に乾燥したらどんなにいいことか
窓でもついていて、そこから新鮮な風をとりこめればいいのに

なんて
いくら考えたって

ジメジメしたままの心は重たい質量を保って

それを乾かす方法を、未だしらない自分は

いずれ、その湿気が体全体をつつみこむ

だらぁ、とだらけて
もう、何もする気が起こらないそんな状態

心がマヒして
体がマヒして

カビが生えるまで、あと一歩

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