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イヴ&ローク本邦初訳の中篇集です。
書かれた時期がバラバラなので、どの事件の後?何の前?と混乱しつつも、
やっぱりこのシリーズは面白い。
イヴはいつも理性的であろうとして、ときどき怒り発作を爆発させるしロークは最高にセクシーでエッチでエレガンスで、癇癪持ち
ピーポディにマクナブ、フィーニー、モリス、マイラといった
おなじみの脇役が、ときにメインステージに現れて、
イヴの心を良くも悪くもかき乱すのがまた、面白い
そして、いつもながら、
人を殺す手段は、時代と共に変わっていっても、
人を殺すのは、人の心なんですよね
憎しみであれ、愛情であれ、好奇心であれ、
人が人に何かを思うから、殺人が起きる
奇天烈なトリックもなく、
変質的なシリアルキラーが出てくることも(滅多に)なく、動機を持った人が、理由あって人を殺す
単純なのに、普遍的な話なところが、大好きなのかも。
それにしても、J.D.ロブことノーラ・ロバーツは
執筆速度が速いです。
あとがきによると、今年だけで
イヴ&ロークシリーズが二本とアンソロジーに一本収録され
ロバーツ名義では、三冊が刊行されるとか
一人で、長編五冊と中篇or短編が一本
いったい、一冊書き上げるのに、どれくらいの日数かけてるんだろう???
さて、中身の感想です
1、はるかなるオリンパスの英雄
栄誉ある元警察官が絡む殺人事件が、
ロークの巨大なおもちゃ オリンパスリゾート で起きる
空飛ぶ乗り物が大嫌いなイヴが、宇宙に行くのも山場だし、
自分のシマじゃないところで、捜査をするのも山場だし、
夫が持ち主というのも邪魔になるし、
イヴにとっては、やりにくいことこの上ないのに
きっちり仕事は仕事で頑張るイヴ
元警官が、今の団塊の世代っぽくって、
どの国、どの人種でも、
ある程度の年齢になった元地位ある立場の人は共通してるなぁと思いました。
2、報復は真夜中の秘め事
これは珍しく、探究心から人を殺す殺人者の登場です。
かつて、イヴが刑務所に叩き込んだ奴が、脱獄して戻ってきた。
裁判に関与した人を捕え、死に至るまでの記録を取り、
イヴの目の前に死体をつきつける。
マイラが捕まったときのイヴの動揺と、
囚われのマイラと身代りになろうとするイヴの連帯感
イヴも『家族』を持てるようになるのかも......と思いました。
ロークは自分の母親を知り、母親の親せきと会って、
自分につながる人たちを見つけることができたけれど、
イヴにはそういう人はまだいないから、
マイラが母親代わり、
フィーニーが父親代わり、
ピーポディが妹代わり
そういう疑似家族で、いっぱい家族の練習をしたらいいと思います。
3、ニューヨーク十二番地の呪い
これもまた、いつものシリーズとは毛色が違います。
幽霊が犯人????
イヴは心霊現象に遭いながらも、絶対に信じようとしないのが
イヴらしいなぁと。
ロークは、科学で割り切れないこともあるとわかっているのに。
ピーポディは、呪いとか癒しとか普通に信じてますけどね。
今起きた殺人事件と、八十五年前に起きた殺人事件を
一度に解決しちゃうイヴはさすがです。
さて、次の発売はいつになるんでしょうか。
本国とは10冊の差があるんですけど
いったい、いつまで続くのやら......
終わりがこないでほしいような、
どんなラストになるのか楽しみのような、
かといって、途中で絶筆になるのも嫌だし。
最終巻だけ書いておいて、金庫に入れたりしてませんかね?
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