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「ここも一杯だよ」例年になく酷暑が続くので、プールへ行く機会が多くなった。しかし、この暑さでどこの公営プールも満員で駐車場すら空いていない。「アキ、たまにはホテルのプールにでも行こうか」「瞬一にヨッコ、今日はホテルのプールイェーイ!」「やったー!」「わーい」瞬一五才、洋子三才。アキと初めて一夜を共にした時の子が瞬一だ。その妹の洋子。洋子はアキに似て、目鼻が、整ったかわいい顔をしている。瞬一も瞬次に似合わず、目鼻の整った顔立ちだ。瞬次も63才を超え、後2年もすれば雇用延長も無くなるが、末の子の洋子が成人するまでは、バイトをしてでも頑張らねばならない。あと17年、瞬次は八十歳になる。
Aug 24, 2019
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「寝てしまったよ。四時か」昨夜は酒も進み、アキと一夜を共にした。今日は仕事も休みだが、アキが起きる前にこの場を去ろうと、衣擦れの音に気を付けながら身支度を終え、メモを残した。「えっ何時?」「まだ四時だから、ゆっくり寝てていいよ。俺、先に行くけど、タクシー代置いてくから」酒の勢いで昨夜はアキも一夜を共にしたんだろう。日が昇る前に夢の中に蔵っておこうと瞬次は考えていた。「ダメ。こっち来て」アキに手首をグイッと引き寄せられた瞬次は、腰が抜ける様にアキの亜麻色の香りの中に崩れて行った。つづくこれはフィクションです。
Aug 23, 2019
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「マジかよ」それなりに身だしなみにも気をつけて、体型も年齢の割には締めていると自分でも思っているし、実際、同級生との食事会でもいつも「お前スタイル良いよな」と褒められている。しかし、ロマンスグレーのお洒落なジョバンニという程でもない。少し気後れしながらも、目の前のアキに、にこやかに目で挨拶をして、「歩きましょうか」とネオンがその気をそそる街へ向かった。「この店、よく来るんですか?」以前付き合っていた彼女とたまに来たイタリアンレストランに落ち着くと、アキは辺りを見回すようにして瞬次に聞いてきた。客も多く、サラリーマンや女子会で賑わっているので、二人だけのデートの場所としては、疑問に思ったのだろう。瞬次にしてみれば、周囲の喧噪がアキとの間を持たせる為でもあったのだ。「たまにね。仕事仲間と打ち上げなんかする時に来たりするよ。今日はアキさんとお会い出来た事に感謝して乾杯しようか」瞬次は、女子受けすると思い込んでいるMARTINIのシャンパンをオーダーする。「今宵の出会いに乾杯!」今宵だけで終わらぬ魍魎の匣が開きはじめた。つづく
Aug 23, 2019
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