セールスマンは見た

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2008.12.17
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東京都内のとある外資系ホテルのバンケットルーム。

○○生命主催の代理店表彰式。

どうだ豪華だろう、とでも言いたげな料理や酒がテーブルに運ばれてくる。

ステージ上では、○○生命代表取締役社長なる人物が、

「今日お集まりの皆さんの業績は大変すばらしい。」

と、型通りのスピーチしている。


丸テーブルに座る私に、ホスト役の○○生命部長が、

ビールを注いでくれる。



「ワインがよかったですか?ウイスキーもありますよ。」

と、精一杯のもてなしをしてくれるが、

なんだか落ち着かない。



同じような丸テーブルが、会場にはいくつもあって、

どこのテーブルでも、

ドヤ顔の代理店とに、つくり笑顔の保険会社社員。

判を押したように同じ光景が並んでいる。




社長のスピーチが終わると、

司会をつとめるテレビタレントが、

「さあ、いよいよ表彰に移らせていただきます。」

もったいぶった言い方と、仰々しい音楽




各テーブルの代理店を1組づつ紹介する。

代理店の人はスポットライトが当たるなかを、

晴れがましい、ドヤ顔でステージに登り、

花束を手渡され、社長とガッチリ握手。

記念写真のフラッシュがたかれる。





その度に会場からは、盛大な拍手が巻き起こる。



こういう会場に来るのは何回目だろう?

どこの保険会社も同じような、派手さを競った表彰式をするが、

どこの保険会社でも、表彰をシテヤッテル感がある。

『どうだ?嬉しいだろう?』的なものを、

感じるようになったのは、今回が初めてではない。

表彰を受けている保険代理店の人を見ていて、

滑稽に感じたのは今回が初めてかもしれない。




そんな事を考えていると、私の名前が呼ばれる。

私にスポットライトを浴びせられる。

ステージに上れという合図だ。

拍手のなかをステージ向かう。



はっ恥ずかしい・・・

なんかすごくバカバカしい事をしているように思える。

もうやめてほしい。

できれば帰らせてもらいたい。



ステージでキレーなお姉ちゃんが花束をくれる。

『おお、いい女だな~(^.^)』

と思っていると、社長が大股で私に近づいてくる。

満面の笑みで、右手を差し出す社長。

目が笑っていないのは、どこの保険会社も一緒だ。



ガッチリと握手を交わすと、フラッシュがたかれる。

カメラに向かって微笑む私。

すこし、顔は引きつっていたはずだ。



この時初めてこみ上げてきた感情。

『ああ、俺は奴隷だな~」

と。



つづく。












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Last updated  2008.12.21 18:14:32 コメント(2) | コメントを書く


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