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カテゴリ: 今日読んだ漫画

雨柳堂夢咄(11)

実に2年ぶりの新刊だそうな。
相変わらず表紙は加賀友禅のごとくあでやかでした。

主人公の蓮という少年は、最初から狂言回し的な役回りだったけれど、ここに来てそれにますます拍車がかかり、なんかもう黒子状態に。雨柳堂の店先もほんの数ページしか出てこないし、おじいさんに至ってはご存命なのか心配してしまうほどです。(爆)ちょっぴり寂しいのですが、もうこのお話自体が雨柳堂という仕掛けをあまり必要としなくなったということなのかもしれません。読者も蓮のことを熟知しているし、最後に話をきゅっと締めるために出てくるだけで雨柳堂夢咄として成り立つっていうことなんでしょうね。(でも数ページとは言え、雨柳堂の店先が出てくるお話があって良かった。)

お話も、以前はもっと骨董品自体への興味というものを感じていたんですが、今回は品物よりも人物の方により重点が置かれているような気がしました。なんだか、2年たって作者の視点もこんなに変わってしまったんだなあと感慨深いものがありました。

さて、波津さんが好んで使うテーマに、「お金持ちの孤独な大人と、その家に養子に入る寄る辺ない子ども」というのがありますが、今回も2つ、(「秋の鈴音」「夏の言問い」。ちょっとパターンは違うけど「茶師の家」もそうかもしれない。)ありました。愛を失ったり遠ざけたりしている孤独な人物と、親の愛を知らない子どもとがだんだんと心打ち解けていく様は、互いに欠けた茶碗が繕いによってまた違った美しさを持つ新しい茶碗に生まれ変わるのに似ています。特に「秋の鈴音」はそういうお話です。波津さんによって繰り返し語られるこの手のお話が、私は実に大好きです。

「夏の言問い」はまた違った意味でも好きな作品です。実はこのお話の舞台となる洋風建築にすごく惹かれるんです。私の街にもヴォーリズという人が作った洋風建築がいくつか点在していますが、日常とは隔絶された本当に不思議な空間です。純和風なお座敷の隣に暖炉のある素敵なダイニングがあったりして(数え上げればキリがありませんから書きませんが、)、予想を裏切られる快感と、意外な和と洋の調和を感じていつまで眺めていても飽きません。
そんな洋風の建築を思い浮かべながら読むと、ますます不思議度アップです。

波津作品を読む前に、一度お近くの洋風建築を見学してみてはいかが?






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最終更新日  2006.04.09 02:05:01
コメント(8) | コメントを書く


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雨柳堂夢咄11出てたんですね  
sabao  さん
しまったぁ、もう11巻出てたんですね。本屋に走らなくちゃ。波津は貴族シリーズと和物シリーズがありますが、どちらも幻想的で美しく、とても微妙な感情の動きを表現していらして、大変好きな作家です。これも、一番長いシリーズになり、大判の本なので、置き場所に窮していますが、また買っちゃいます。しかも、絶対売らない。 (2006.04.01 00:37:54)

コメント有難うございます。  
sabaoさん
いらっしゃいませ。
波津さんの作品は私もひととおり揃っております。日本趣味のイギリス貴族の話とか好きです。でも、レディースはやめた方がいいと思う。痛々しいんですもの。 (2006.04.01 22:23:57)

Re:雨柳堂夢咄【其の十一】波津彬子著(03/27)  
ハレバレ  さん
TBありがとうございます(^^)
こちらもTBさせていただきますね。

洋風建築のお話、参考になりました。
全然気付いておりませんでした( ̄ー ̄;)ゞ
じっくり読み返してみます。
波津先生ご自身も、そういう建築に興味がおありなのかも知れませんね(^^)
(2006.04.13 22:56:52)

Re[1]:雨柳堂夢咄【其の十一】波津彬子著(03/27)  
ハレバレさんいらっしゃいませ。

波津さんは間違いなく洋風建築好きでしょう。というか、和洋を問わず「貴族」的なものがお好きなのでしょうね。 (2006.04.13 23:15:55)

好みの絵でございます。  
iketa  さん
初コメントなのに、こんなところに出現です(笑)。

この方は全く知らなくてもちろん読んだことも無いのですが、綺麗な絵ですね~(#^.^#)。2年ぶりの新刊で11巻。連載期間長そうですね。てんてん(^^)/さんが書かれた文章を読んで、そのテーマに惹かれました。このシリーズは入手しやすいですか?貧乏人なのでできれば古本で購入したいなあ、と思っています。どこの会社から発売されているのか良かったら教えてください。 (2006.04.27 14:07:49)

Re:好みの絵でございます。(03/27)  
iketaさんいらっしゃいませ。
>初コメントなのに、こんなところに出現です(笑)。

いえ、お気になさらず。

>この方は全く知らなくてもちろん読んだことも無いのですが、綺麗な絵ですね~(#^.^#)。2年ぶりの新刊で11巻。連載期間長そうですね。てんてん(^^)/さんが書かれた文章を読んで、そのテーマに惹かれました。このシリーズは入手しやすいですか?貧乏人なのでできれば古本で購入したいなあ、と思っています。どこの会社から発売されているのか良かったら教えてください。

朝日ソノラマから出ています。(掲載誌は「ネムキ」)A5版の、ちょっと大きいサイズのコミックです。新刊はとりあえず、まだ概ねどこの書店でも買えるんじゃないでしょうか。若い巻はちょっと微妙ですね。でも文庫で出直しているので版型を気になさらないのであれば文庫を揃えるという手もあるかもしれませんね。

古本屋さんのことはちょっと分かりませんが、ネットで捜せば結構引っかかるんじゃないかと思いますよ。 (2006.04.27 22:47:41)

Re[1]:さっそく(03/27)  
iketa  さん
探してみますp(*^-^*)q。

話は変わりますけど、1000HIT越えおめでとうございます。すごい勢いですね。ちょっと羨ましいなあ。 (2006.04.28 20:06:51)

Re[2]:さっそく(03/27)  
iketaさんいらっしゃいませ。
>探してみますp(*^-^*)q。

楽しんでください。(^o^)/

>話は変わりますけど、1000HIT越えおめでとうございます。すごい勢いですね。ちょっと羨ましいなあ。

ありがとうございます。スルーの方が多いんですけどね。特に楽天会員以外の方はドメインしか分からないのでもどかしいですね。リピーターの方がこの中にいてくださるのか気になります。。。 (2006.04.28 22:12:31)

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