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昔、金魚屋古書店出納帳という漫画が出た後、版型を変えた出直しだと思っていたら、実は違うらしい。
それを早く言ってよ。とりあえず、 3
巻を買いましたが。
とにもかくにも読んでみた。出納帳の頃と設定は変わっていないらしいけれど、取り扱いの作品が(古本とは言え)多少新しくなっているみたい。出納帳に出てきた漫画はどれも古すぎて喰いつけなかったから。(笑)
今回特に楽しかったのは、媒図作品にまつわる第1話だ。
やたら怖がりのナンパ男に謎の美少女「京子様」から届いたダンボールいっぱいの媒図漫画。そのダンボールの図柄と封印がまた素晴らしい。こんな箱で贈られたらそりゃ怖い。
媒図サロンという、その京子様が主催するサロンでの訳の分からんトップ争いがおかしいったら。(笑)
ところで私にとって媒図かずおといえば、母の実家である。
母の実家はその昔、小さな旅館を営んでおり、夏場はそれなりにお客が入っていた。小学生の頃は、母に連れられて毎年の夏休みを避暑と手伝いを兼ねてその旅館で過ごしたものだ。
その旅館の筋向いにこれまた小さな書店があり、暇をもてあました私は日がな1日そこへ出かけて行っては漫画の立ち読みをしていた。(何せ、京都のせせこましい路地でしか遊んだことの無い子どもだったので、急に山や川やだだっ広いところに行っても遊び方が分からない。おまけに友達もいなくて、結局漫画を読むくらいしか出来なかったのだった。)
その書店に、あったのだ。媒図作品が、ずらりと。
昼間読む分にはあまり怖くなくて、ただドキドキしながら読んだ。
でも大変なのはその夜だ。
古い旅館である。家なりがする。ミシッとかガタッとか。何かが走ってるような音もする。ロビーの柱時計の音が妙に響くし、天井を見上げればおどろおどろしい木目が媒図キャラに見えてくる。床の間の掛け軸のだるまの目も絶えずこっちをにらんでいる。。。セオリー的にはそういう時にトイレに行きたくなるものである。
さあ、トイレまでの道のりが遠いのだ。大人2人が並んで手を広げて降りられる広い階段をぎしぎし言わせながら降りると、ロビー。件の柱時計がコッチンコッチン鳴っている。その下にでかい姿見があって、この横を通る時は、もう怖くて泣きそうだ。
そこを過ぎると食堂の横を通って突き当りがトイレなのだが、その食堂がまたガラス戸がずっと続いていて、映ってる自分の影がまたまた怖~。泣きそうってかちびりそう。今にも髪を振り乱した女の人に追いかけられそう。目を半分つぶって小走りにトイレへ行くと、そこは便器から手がにょっきり出てきそうなああいうトイレである。帰りもまた同じところを帰っていかなきゃいけないことにげんなりしながら用を足したものだ。
ほんと、怖かったなあ。
私にとって母の実家の旅館はまさしく、媒図漫画の舞台だ。
この漫画を読んでそんな昔のことを思い出してしまった。
さて、ちょっと長くなってしまった。 この漫画は、新しいタイプの漫画ガイドブックであると同時にちゃんと独立したお話でもある。今回はセドリの岡留クンとあゆちゃんの恋愛も絡んでなかなかほんわかムードである。ま、この芳崎さんの作品は大体どれをとってもほんわかムードなんだけれど。漫画の楽しさを知るにはうってつけの作品だ。
それに、あまり一般には知ることの出来ない古本業界の事情なども知ることが出来る。セドリなんて仕事があることも初めて知ったし、ゾッキ本とか、素人には分からん世界も垣間見えて楽しい。
ただ、私は古本屋というもの全てにもろ手を挙げて賛成するものではない。やっぱり好きな作家の本は新刊本を買って作家に利益が還元されるほうがいいと思っている。もちろん、古い本を大切にする心は大切だし、捨てられずに誰かの手に渡って読まれ続けることも大いに意義のあることだ。私も表紙買いする勇気のない本なんかは古本屋で買うし。
でも、法外なプレミアを付けて売り買いされることはおかしいと思うし、あと、古本でも何%かは原作者に利益が還元されるシステムが出来れば良いのにと思ってしまう。その分高くなったらあんまり古本の意味がないかしら。
でも何となく、古本屋さんで本を買うのはちょっとばかり後ろめたい感じがするのだもの。。。皆さんはどう思いますか?
東京ゴースト†トリップ 葉芝真己著 2009.08.31 コメント(8)
彼は花園で夢を見る よしながふみ著 2009.06.29 コメント(2)