PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ
フリーページ
見たい映画が3本。どれを見るか迷いに迷っていたのですが、なんと、「西の魔女が死んだ」は夜だけの上映になっており、その場でインディジョーンズとマジックアワーのあらすじを見比べてやはりマジックアワーを見ることに決定してしまいました。(やっぱ、インディジョーンズの「ソ連軍が立ちはだかる」ってのにぐったりしてしまったのよね。もう何か展開バレバレっていうか。。。)
ということで、マジックアワーです。。。太陽が沈んでから真っ暗になるまでのほんの少しの時間、その時間にカメラを回すと奇跡のように美しい絵が撮れる。それが映画業界で言うマジックアワー。昔から逢魔が時とも言われる不思議な時間ですよね。そんなワクワクするようなタイトルを冠されたこの作品。登場人物の上にマジックアワーは訪れるのでしょうか。
街を牛耳るボス天塩の愛人マリに手を出してしまった備後。あわやコンクリート詰めにされかけるが、とっさに命と引き換えに幻の殺し屋「デラ富樫」を5日以内に連れてくると約束してしまった。しかし、幻の殺し屋を5日で見つけられるはずも無く、苦肉の策で売れない映画俳優村田を映画撮影と偽って殺し屋に仕立てることに。。。しかし、村田の思わぬ名演に話は思わぬ方向に転がっていく。。。
とりあえずまず見たかったのは美術です。前作はホテルを丸ごと作っちゃいましたが、今回は街を一つ作ってしまわれました。こんな街が本当にあったら素敵だなあと思わせる、ノスタルジックな佇まい。禁酒法時代のアメリカ(無論シカゴ)と昭和中頃の日本を微妙にミックスして無理やり現代に持ってきたような、懐かしいけれど誰も行ったことの無い異次元の街のようです。このセットのきめの細かさは「有頂天ホテル」の時にも感じたのですが、監督はもちろん、それぞれの現場のスタッフの映画に対する愛情と情熱の賜物なのでしょうね。隅々まで気持ちが行き届いていることが感じられました。
さて、この不思議な街を舞台に息をもつかせぬノンストップコメディが繰り広げられるわけです。俳優の村田が騙されてるとも知らず本物のヤクザ相手に芝居をしてしまい、ヤクザたちが本気で言ってる言葉が村田的にも妙にマッチしてしまったり、度胸をボスに買いかぶられたり、誤解が誤解を呼んでどんどん話が展開していく、まったくもって三谷節全開で、ホントにその辺の積み上げ方は傑作でした。
でも、そこが面白ければ面白いほど、築き上げられた嘘が崩れる瞬間の衝撃は大きいんですよね。
それを思うと、チャンスを掴んだ村田の、演じることに喜びを感じる純粋な姿を、私は途中からだんだん正視できなくなってしまったんです。切なくて。案の定全てを知った村田が涙するシーンはやはり辛かった。
面白いのに胸が痛い、涙が出るのにおなかがよじれるという、非常に不思議な体験をさせていただきました。
それにしても俳優陣は本当に素晴らしかった。佐藤浩市さんの冒頭の大根役者っぷりと、後半の巧さの妙。普段の村田の緩さとデラ富樫スイッチが入った時の凄みの使い分けは流石でした。妻夫木君の笑顔の眉唾感。訥々とした噛んで含めるような深みのある台詞回しでボスの孤独感と何より奥底に潜む怖さを表現した西田敏行さん。甘ったれで薄情で悪女なのにそのくせ可愛げがある深津さん。とりあえず謎すぎる戸田恵子さん。伊吹五郎さんの大喝は癖になる~。。。その他エキストラを含め全ての役者が生き生きと輝いて芝居をされているのですね。

この三谷幸喜という人は役者をその気にさせる何か不思議な力を持っているのだろうかとも思ってしまいます。役者と監督が相思相愛と言ってもいいような雰囲気をかもし出すんですよね。不思議です。
最後に。。。
ある老役者が、村田に向かって「マジックアワーを逃した時どうやったら取り戻せるか知ってるかい」と問います。答えは是非作品でご覧いただきたいのですが、何だか役者を目指している人のみならず、何かを為さんとする全ての人への激励のように感じました。
素敵な映画です。
映画「大奥」見てきました 2010.10.27 コメント(8)
インビクタス 負けざる者たち 2010.02.11 コメント(4)
かいじゅうたちのいるところ 2010.01.26 コメント(6)