80年後半から一流ドメーヌが挙ってフィルターをやめ、赤に至っては無清澄、無濾過(ni colle, ni filtre)、白はベントナイト清澄をすることはあるが、無濾過というのが一流ワインのスペックとして確立した。これはもともとネゴシアン卸が主の無名ののドメーヌだったが、RP氏の薫陶を受け、フィルターを廃止したら質が向上したという見本みたいなものである。今は彼からコンスタントに90点前後を取っている。
このブルゴーニュ・ブランには滓がもこもこ舞っていて、一見、Dart et RiboやChassorneyのようであり、ちょっと嫌な予感。しかし、白果実の香りは柔らかく、花の香りも混じり、ごてごてしたところを感じさせない。口に含むと酸も高いのであまりぽってりした感じは受けず、あくまでもナチュラルに感じる。勿論このクラスなのでそれ程凝縮度はないが、あくまでも成熟した樹から作ったというマチエールは感じられる。ミネラルは畑のせいもあり、中庸。フィニッシュもそれ程長くないがこのクラスとしては秀逸。ルフレーヴのブルゴーニュより好きである。