あまり知られていないと思うが Clos du Vougeot (CdV)
は今でこそ PN100
%だが、歴史的には白もかなり植えられていて Danguy et Aubertin
( 1891
)では大凡6割が PN,
4割は白と記されている。特記すべきは白の Cepage
が Aligote
や Pinot Beurot
ではなく18世紀当初当時は比較的珍しい Chardonnay
でその出来は Meursault
に比されるところだ。その CdV
の白だが今で全て赤に変わっているが、いくつかの文献から推測するにフィロキセラ禍後の改植が機だったように思える
実際先の文献では修道院が所有していたのは CdV だけではなく現在1級、村名格の Vougeot 村の畑の殆どを所有しており、現在の Clos de Perrier 、 Le Cras 、 Petit Vougeot 、 Vignes Blanches という一級畑や他の村名格畑を現在のクリマ区分以上に現在は消滅してしまった Clos Blancs de Vougeot, Clos Noir 、 Le Plante 等細かく管理していたことが伺われる。
前置きが長くなってしまったがこのワイン。以前 Heritier de Guyot が作っていたが所有が変わり今日はこの新しい所有者。 Clos du Perriers に有りながら畑の表記は歴史を鑑みて Clos Blanc de Vougeot としているが、実は最初の CAB の格付け( 1860 )では両名併記のスタイルで有った。歴史的にも畑は評価が高く、その格付けでは CdV と並ぶ1級(現在の特級)。
さて肝心のワインだが、資本的にはブルゴーニュ最大のネゴス下に入った今も基本的には前の所有者のスタイルだ。前の作り手から引き継いだ隠し味的に入っている PG (Pinot Beurot) と PB が効いていて横の広がりはなくスレンダーで知的なボディ。 CdN らしく膨らみは全くなく淡く端正なワインだが、他の凡庸なマチエール不足の CdN の白とは違い気品、エレガントさが有る。 RP 氏は CdN 最良の白と書いているが個人的にも Musigny Blanc を思い起こさせるスタイル。そして20年余が経っているが全く落ちている要素が無いのが素晴らしい。個人的には Musigny Blanc にかなり近い CdN 白の双璧だと思う。
因みに Vougeot の白は、後 Bertagna が作る一級格の Le Cras, 村名 があるが全くつっけんどんな凡庸の CdN だと思う。因みに Le Cras は CAB の格付けでは Clos Blanc de Vougeot よりも二級落ちる三級格(現在の村名)。まあ、出自は大切だ。
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