教えない教育実践日誌

教えない教育実践日誌

やる気の話 その1



よく「やる気を引き出す教育」などという塾のキャッチコピーがあったりしますが、その実態が何かというと、競争をさせて、人よりできる自信を持たせるとか、いい成績を取ると報償を与えるというようなものです。

おとといの新聞に関西の私立大学が、成績の結果によってマイレージのポイントを与え、海外旅行に行けるようにするということを決めた記事が載っていましたが、これで大学生が勉強するようになるのかというのは私にはとても疑問です。

というのは、競争させ順位をつけたり、報酬を与えたりするのは皆、外側からあれこれと刺激を与えることで、外発的動機と言います。

「百点取ったらお菓子を買ってあげるよ」と言うような、モノで釣ることをやってみたら分かりますが、その時は効果があっても、次第に効果はなくなってきます。これは、飽きるのか、モノをもらってもうれしくなくなるのか、よく分からないのですが、一過性でその時だけしか効果がないことは確かです。

要するに、その人の中に「やりたい気持ち」が生まれてくることをしないと『やる気』にはつながらないからなのでしょう。

内側からやりたい気持ちが生まれてくることを、内発的動機と言って、これが実際には、なかなか生まれにくいというのは、一人ひとりの実体験から分かると思うのです。

私が考えるのは、内側から「やりたい気持ち」が生まれるというより、やりたいとかやりたくないということと無関係に、「しなければならないことはする」という姿勢が身に付くことが大事なんだろうということです。

対策の一つは「やりたいとかやりたくないと考えないで、とりあえず取りかかること」

前に糸井重里さんが脳について学者に話を聞いた『海馬』という本を読んだとき、「やる気というのはやり始めてから出てくる」と書かれていて、すごく納得したことを思い出します。

とにかく手をつけてみるというのは、やる気のない時の対策の一つだと思っています。

え、手をつけるのにやる気が必要?

それにも一工夫いるかも知れませんね。じゃあ、それについては、また明日。


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: