Nights of Cabiria (1957)



最初の30分位を見たところでは、「いやあ、知らなかった、フェリーニがコメディーを作ってたなんて、しかも松本明子主演で!!」と思ってしまった。(後でこのイタリア版松本明子はフェリーニの奥さんだったと聞いてまた驚き。)特に、この主人公カビリアが、ヒョンなことから有名な映画スターの家に行く場面なんて本当に結構笑えて、まるでアイ・ラブ・ルーシーみたい(でもちょっと悲しいんだけどね)。フェリーニがこういうユーモアのセンスの持ち主だということを発見できて、なんだか知らないがちょっと嬉しい。

しかし、しかし、その後は...あまりに可哀相すぎる!! カリビアが「ちょっと短気だけど、元気で明るいお人好し」というキャラクターゆえに、更に可哀相さが倍増してしまう。でも、この50年代の生活と雰囲気、なんだか好きだわ。あと驚いたのは、ファッションが今でも通用してしまいそうだということ。主人公カビリアも、娼婦だというのに、ペッタンコの紐付きパンプス(とでもいうのだろうか)に白の三つ折り靴下。少し大き目の薄いコートか、とても丈の短いジャケットを着ていて、なんだかすごく可愛い。ルームメートの御姐さんもすごい、何がすごいって、髪型がまったく現代の型にしか見えなかった。ものすごいショートなんだけど、なんというか、てっぺんがいい具合につんつんしていて、まるでシャロン・ストーンがショートにしていた時みたい。こんな髪型って、こんな時代の頃からあったんですねえ。 また、この役の人のファッションはカビリアのとはちょっと路線が違うけど、なんだかやっぱり洒落ているのよね、さすがイタリアと言うべきか。

あと、個人的に注目してしまったのが、上記の、有名映画俳優のお屋敷に行くシーンの中で彼の部屋にあったクローゼット。大金持という設定だから、クローゼットの中には勿論洋服がたくさん詰まってるんだけど、そのクローゼットのドア(引き戸形式)を開け閉めする時に、いちいちオルゴールのような音が流れる仕掛けになっていた。いやあ、昔はヨーロッパのお金持ちの間ではあんなのがもてはやされていたのだろうか?微笑ましくて、リワインドして確かめてしまった。

ストーリーはさておいて、どうってことのない風景のシーンや、ラストのカビリアガ道を歩くシーンなんかがとても美しいと思った。カメラのアングルと被写体の動きが、なんとも言えない位心の琴線をくすぐる映像となっている。計算の上なのだろうが、うまいと思う。モノクローム映画だからなおさら。でもやっぱり画質はさすがに年期が入っている。今度は画質修正版のDVDで見てみたいものです。


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