いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

2、北京就職という夢

2、北京就職という夢


 北京にいたころから、私は現地での就職を考えていた。そんなとき、幸運にも北京の友達からおもしろそうな仕事の話をもらう。大学卒業を待って現地に戻り、働くという口約束(今思えばかなりてきとう^^;)を交わし、私は日本へ帰国。

 大好きな北京で働けるということに、わくわくしていた。その一方で、いつか日本に戻ってきたとき、日本で働いたことのない自分が再就職できるのか?日本の社会で必要とされるのか?という不安や、待遇面での不安も大きかった。

 私の家族は、猛反対。両親は、私が日本で(地元名古屋で)就職することを強く望んでいた。母には「北京に行くっていうのなら、あんたは元々おらん娘やったと思って忘れるしかないやない。」と泣かれ、私の心は痛んだ。

 家族の想いと、自分の夢と、将来への漠然とした不安の中で気持ちが揺らぐ毎日。私は、就活に忙しそうな友達の姿を見るたび、自分自身の北京就職という選択に自信が持てなくなっていった。同じように北京で一年を過ごしてきた皆が、どんどん大企業に就職し、この日本で堅実に生きていこうとしている。なんだか、自分だけが取り残されていくような孤独を感じていた。


続く→


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