濫読屋雑記

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2005年10月28日
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カテゴリ: 手に取った本
 「ブックトークに使おうかな」と今、読んでいるのが、田中芳樹さんの『ラインの虜囚』(講談社、2005年)です。

 この『 ラインの虜囚 』、『「本」の復権(ルネッサンス)を願い…』と題して講談社から発刊されている『ミステリーランド』シリーズの最新刊です。ちょうど昨日の「」の趣旨にピッタリですね。ちなみに、このシリーズの第1回配本は、敬愛する『十二国記』の小野不由美さんが書いた『 くらのかみ 』だったので、狂喜した覚えがあります。

 さて、その内容は、

 ナポレオンが、ヨーロッパを引っ掻き回した余波が残る1830年冬。カナダからパリへとやって来た少女、コリンヌは祖父から奇妙な命令を受ける。それは、ライン河岸にある奇怪な塔に幽閉されている人物の正体を確認すること。コリンヌは夜の街で、編集者と借金取りに追われる自称天才作家のアレクサンドル・デュマ、スペイン・イギリス・アメリカの政府から賞金をかけられた海賊王ジョン・ラフィット、そして謎の剣士モントラシェら3人の大人たちと共に、謎と陰謀渦巻くへと旅立つことになるのですが、その様子を影から窺う怪しげな影が…。



 いやもう、この本は私の嗜好にドンピシャリ。活躍するのが、実在した軍人・海賊・文豪等々。歴史モノ大好き人間には堪りません。田中さんの『 アップフェルラント物語 』と同様、当時の歴史背景・国際情勢を巧みに利用して物語を造り上げていて、さらに、歴史好き・文学好きの人間にはたまらないネタが、作品の中に振り撒かれています。そして作品の雰囲気は、『三銃士』や『鉄仮面』等の昔懐かしいヨーロッパを舞台とした冒険活劇風に仕上がっています。

 対象が小高・中以上なので、文章量が少々少ない中篇といった作品ですが、裏返せば気軽に読める一冊。田中芳樹さんのファンなら買って損は無い作品です。 私は、読んで面白かったですし、内容等々にも満足しました。 また、この本は装丁が綺麗ですので、子供さんにプレゼントとして贈って、後で読むという手段もとれるおいしい本でもあります。
ラインの虜囚





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最終更新日  2005年10月28日 22時46分06秒
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