濫読屋雑記

濫読屋雑記

2005年12月26日
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カテゴリ: 手に取った本
今日、仕事帰りに本屋に立ち寄ったら文庫本コーナーの新着に、平置きで『 クラウゼヴィッツ 躊躇なく手にとってそのままレジに 。そうしたら、レジにて「 1500円です 」。 へぇ!? 、と一瞬思って本を良く見てみれば、「 中公文庫 」の文字が…。 やられた~、と思いつつ、どうせ必要なものだと 自分を納得させつつ家路につきました。

と言うわけで、本日は、 ピーター・パレット 著(この人はドイツ、ベルリン生まれ。アメリカの歴史学者で、専攻は国際関係史。プリンストン高等学術研究所の名誉教授、『戦争論』の英訳もされている、生粋のクラウゼヴィッツ研究者です。) 白須英子 訳『 クラウゼヴィッツ 『戦争論』の誕生

クラウゼヴィッツ この人物を知らなかったら、戦争を語るな!!!と言うぐらいの人物、一部では神格化されているほどの現代軍事思想のバイブルと呼ばれる、大著『戦争論』を記した大戦略思想家です

カール・フォン・クラウゼヴィッツ (Carl von Clausewitz)。ドイツ、当時のプロイセン王国に 1780年に生まれ 、1972年にかのフリードリッヒ大王の末弟、フェルディナント親王が連隊長を務めるポツダムの第34連隊に入隊し、1801年にベルリンの一般士官学校に入学します。そこで、同じく当代を代表する戦略思想家の シャルンホルスト に師事し、1803年にプロイセン軍のアウグスト親王の副官となり、6年間務めます。(出世コースです。)しかし、 時代は革命の寵児、ナポレオンがフランス・大陸軍を指揮してヨーロッパを荒らし始めた時期です 。不幸にも、クラウゼヴィッツは1806年、イエナ・アウエルシュテットの会戦にプロイセンが敗れた際に、部隊共々フランス軍の捕虜となります。しかし、1年後、講和条約が締結されるとクラウゼヴィッツはフランス占領下のベルリンに帰還します。その後、1809年には陸軍省勤務となり、翌年、少佐に昇進しますが、1812年にフランスと母国、プロイセンが軍事同盟を結ぶや、 打倒!ナポレオン!! を目指すクラウゼヴィッツはロシアの参謀本部に中佐として奉職することなります。( この当時の軍人は、待遇、給料や階級が良い方へ平気で母国以外〔この定義も、この当時は難しいのですが…〕の別の国へ仕官します。 )この時、クラウゼヴィッツは、タウロッゲン協約の締結に尽力します。( ナポレオン戦争は、各国とも戦争しては講和して、の繰り返しです。今から見れば、節操なしに見えますよ。 )この後、1814年にクラウゼヴィッツは大佐としてプロイセン軍に復職し、第3軍団の参謀長に任命されます。その後、 目出度くワーテルローでナポレオンが敗北した後 グナイゼウ (彼も、当代のプロイセンを代表する戦略思想家です。)1818年には、少将に昇進後に陸軍大学長の校長に就任し、『 戦争論 1831年に死去します 。(当時の衛生状態は、今日から考えると劣悪でした。クラウゼヴィッツの師匠、シャルンホルストも、戦傷、左脛の銃創が原因で1813年に死去しています。)

このように、ナポレオン戦争の激動の時代の中から生まれた、『 戦争論 』は「 戦争とは政治におけるとは異なる手段をもってする政治の継続にほかならない 」という一節で有名です。これは、 「用兵」の「政治決定」への従属を説いたものとして、「戦争行為」と「政治目標」密接不可分な結合を洞察した言葉として クラウゼヴィッツを語る時には必ずと言って良いほど引用されます 。このように、『 戦争論 戦争という複雑な政治的・社会的現象を論理的に体系付け 」(『 戦略思想家事典 』芙蓉書房出版、2003年)た、名著です。

さて、私が このクラウゼヴィッツについて書かれた本を躊躇なく手にした理由 が、先ほど取り上げた『 戦略思想家事典 』に、クラウゼヴィッツの研究書誌として、クラウゼヴィッツの生涯についての基本文献として記載されていたからです。ちなみに私は当然、『 戦争論 』(中公文庫、2002年)も持っています。

このレビューを読んで、戦争について長々と、とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、 日本人ほど戦争が何たるものか、と言う基本知識がない国民は世界広といえどもいません 。そんな、国民とその国民に選ばれた政治家(屋)が国政を運営しているのですから、恐ろしい限りです。以前、防衛庁長官をされた中谷元氏が就任された時は、日本もココまで、と感慨深いものがありました。確かに、政治家や政治に影響を与えるポジションにいる方々も、戦争について勉強されていますが、肌で軍事組織の何たるか、を知っている人が国防の長(本当は首相ですが。)となるとは、と思いました。閑話休題。そして、その 戦争というものは、人類が生み出し各種活動の中で、もっとも非生産的なものです 。例えば、手間隙かけて作った弾丸なんて、弾は飛んでいったらそれでお仕舞い、火薬は煙と消えます。そして、 皮肉なことに国家(若しくは、それに類する集団。)の利益を守るための行為のはずなのに、負けても勝っても国家に損害を与えてしまう行為が戦争です 。(私も、勉強の途中なのであんまり詳しく、且つ上手に解説することが難しいです。と言うことで、今日はこのくらいで勘弁して下さい。)

詳しくは、今日紹介した本を読んでみて、戦争とは何ぞやという事を、考えながら答えを見つけ出して下さい 。また、『 クラウゼヴィッツ 』については、ゆっくりと読み込んでから書いてみたいと思います。

クラウゼヴィッツ改版 戦争論(下) 戦争論(上) 戦略思想家事典





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最終更新日  2005年12月27日 00時07分35秒 コメント(4) | コメントを書く


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