濫読屋雑記

濫読屋雑記

2006年01月23日
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今日は、いつもと異なり 時事問題について 書いてみたいと思います。取り上げる話題は、今日の夕方以降のニュースを塗りつぶした「 ホリエモン逮捕 」です。証券取引法違反で遂に両手が繋がってしまいました。しかも、よりにもよって東京地検特捜部の手によってです。一巻の終わりですね。 東京地検特捜部に逮捕されて無罪放免になった人間はいませんから

元々、 私は堀江さんが嫌いでした 。最初のうちは、なぜだか理由もわからず嫌いでした。私の周囲は私のことを、守旧派、改革に抵抗する側の人間、とか言っていましたが、それでも私は嫌いでした。そのうち、ああ、 この人は日本の社会にとって異質な存在だから、伝統的な社会に育った私は違和感を感じるのか 、と思い始めました。そして、小泉首相等、改革推進派が堀江社長などの革新的行動を行う人たちを擁護しだすと、確かにあの破壊力は日本のコチコチ凝り固まった閉鎖的な社会を打破する力になるのかな?と考え始めたのですが…。それを、 ぶち壊したのが去年の日本放送株取得事件でした

あの時、 私はホリエモンがいつか近いうちに足元を掬われるな、と確信しました 新聞社に喧嘩を売ったことです 。歴史を、日本の近現代史を少しでも齧った人なら、日本の大手新聞社のほとんどのルーツが、政党の機関紙的側面を兼ね備えていた事を知っているはずです。私の専門からはメディア史は外れるので詳しくは語れませんが、政党、つまり政治とそれに付随する権力と新聞のつながりはかなり深いのです。その新聞、フジテレビと同じサンケイグループの産経新聞だけではなく、新聞の存在自体に堀江社長は喧嘩を売ってしまったのですから。ただでさえマスコミは現在、国家権力に次ぐ力を持った集団なのですからね~。その 新聞業界の神経を逆撫でして、同じテレビや週刊誌等のマスメディアを通じて売名&商売をするとは… 怖いもの知らずにもほどがあります

ですのでその後、国政選挙に堀江さんが討って出た時は、意外さと小泉自民党は 本当に今までの日本を変えるつまりなんだな~、という感慨にふけりました 。まぁ、堀江さんが選挙に勝てるとは思ってはいませんでしたが。比例区なら兎も角として。今考えれば、自民党は何とかかんとか命拾いをしたわけですが。(この辺も、裏ではどうなっている事やら。 それにこの後、通常国会でどうなることやら 。)

そもそも、 日本はこれまでの社会にとって異質なものを排除してきた歴史があります 。太古、飛鳥の時代には聖徳太子(正確にはその子の山背皇子。)、戦国時代には織田信長、現代では田中角栄と、枚挙に暇がありません。そして、 その先覚者や改革児が行ったことを、その人が失脚した後にその下にいた人やそのやり方を学んだ人たちが、緩やかに実行して社会を変えてきたのが日本という国です

さらに言うと、 日本はトップではなくその下にいる人間が閥を作ってその中で組織を動かして、または、組織自体が人を動かして、これまでやって来ました 。トップは最初のうちはアレコレ指図はしますが、そのうち、お飾りだけとなって、極端に言いますと責任を取るだけの存在になってしまいます。その良い例が、戦前・戦中・戦後の官僚たちです。戦後、政・官・軍・民の代表は、それぞれ連合国から戦犯として逮捕されたり、公職追放されてしまいました。でも、その後の昭和史を見てください。その後、日本の政治を動かしたのは、その人たちの下にいた官僚や外交官ではありませんでしたか?吉田茂は、重光葵首相の下にいましたし、満州国建国の立役者の1人、革新官僚・岸信介は戦犯収容されたのにも関わらず、首相にまで上り詰め、旧軍の良識派(?)の面々は自衛隊の幹部として活躍しています。組織やその運用に関しても、戦前の総力戦体制運営の形態、つまり統制経済が戦後そのまま傾斜生産方式に運用され、つい最近までこのお上による護送船団方式で国家の基幹となる産業は運営されてきたのです。

お金儲け至上主義 」を打ち出して、その下にいたライブドアの宮内取締役たち幹部が「バレはしない」、「死なばもろとも」、「お上の保護があるだろう」、「いざとなれば、責任は社長に」というような考えで危ない橋を渡っていたところを、 このところの株価の高騰に危機感を抱いた沈着冷静な官僚機構 が(世間は散々、悪口を叩いていますが、日本の官僚ほどプロフェッショナルな集団はいません。ただ、その人たちを〔彼等は、穴を深く掘りすぎて周りが見えないので。〕大局的な見地に立って活用できる人がいないだけです。)、 市場に冷や水をかけて沈静化させ、また、欧米の市場に比べてまだまだな規制の緩い部分を引き締めるために人柱として、そしてその他私たちが知らなくて良いような、複合的な要素をが複雑に絡んで今回のライブドア幹部の逮捕という事態になったのでしょう

当然、上記の文章を読んで「違うわい!!!」と思われる方々も多いでしょう。 でも今回は、あえて私の考えている事の過激で独断と偏見に満ちた部分ばかりを選んで、つまり極論ばかりを抜き出して書いてみました 。当然、これは私の考えばかりではなく、様々な情報源からえた情報を私なりに考えて組み立てた代物です。以下に、3冊ほど今回参考にした本を紹介しておきますが、この本を読んでみた人は、どのような考えを導き出すのでしょうか?

日本の近代(14) 日本の近代(13) 満州と自民党

佐々木隆 著『 日本の近代(14) メディアと権力 』(中央公論新社、1999年)は、明治維新からの日本のメディアの概説書として裁量の一冊です。政治権力と記者との関係や大手新聞社の歴史などが紹介されいます。次は、 水谷三公 著『 日本の近代(13) 官僚の風貌 』(中央公論新社、1999年)です。この本は、明治維新から日本という国家を動かしてきた、顔の見えない人々の誇りと驕りを詳細に解説した1冊です。最後はお手軽な、一冊を。 小林英夫 著『 満州と自民党 』(新潮社、2005年)。これは戦後の日本の再建が、戦前の官僚や南満州鉄道調査部の関係者などの実務者の手によって行われたことを解説している本です。





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最終更新日  2006年01月24日 00時47分17秒コメント(0) | コメントを書く
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