濫読屋雑記

濫読屋雑記

2006年02月02日
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カテゴリ: 手に取った本
今日は、昨日買い損ねた 雪乃紗衣 さんの『 彩雲国物語(光降る碧の大地) 』の代わりに買ってきた、 私の敬愛する 森薫 さんのマンガ解説が載っているアガサ・クリスティーの『 フランクフルトへの乗客 』を取り上げます。と、 言っても本文は全く読んでいません 。紹介するのは終わりの 僅か5ページだけ さんの描いた「 クリスティーで読むイギリス使用人事情 」だけです。そう、 たったこれだけのために今回は文庫本1冊、購入してしまったわけです

さて、その さんの描いた「 クリスティーで読むイギリス使用人事情 」の内容ですが、端的に申し上げますと メイドさんが大好き!という方が真剣にクリスティー作品を読むと… という解説になっています。

まず、 さんは 自分が19世紀末イギリスヴィクトリア朝のメイドを題材にした作品 、ずばり『 エマ 』を描いているので、クリスティ作品に登場する「 使用人(特にメイド)には、ついつい目が行ってしまいます 」と述べられています。そして、クリスティ作品には「 総数200人以上 」の メイドさんが出ていて、普通は脇役としか扱われないのに「クリスティー作品ではそれぞれが実に個性的に書かれて」いて「時にはメイドが事件の中心になることもありますね」 と解説されてます。

さんの好きなクリスティー作品の登場人物が出てくるのですが、これがまた…。一番がポアロの秘書の ミス・レモン 、お次が安楽椅子探偵、 ミス・マープル 、そして最後が私の好きな灰色の脳細胞の持ち主 エルキュール・ポアロ という順番だそうです。

さんはこの中で、 ミス・マープル 彼女の家では孤児を引き取ってお屋敷勤めができるように教育もしているという、メイド養成所とも言うべきおいしい設定です(私にとって) 」と理由を説明して、「 出てくるメイドもしっかりものからだらしのないのまで、メイドとしての振舞や話し方、作法など」といった「昔のイギリス日常生活好きには」たまらない内容が「そういった(使用人の質が低下したとかといった。)事情が実に生き生きと描かれ」ているから だと、その理由を説明しています。

その後、『 フランクフルトへの乗客 』の内容を少々解説されているのですが、それは省略して(推理小説はあまり語りたくないのです。いつもの様に長々と解説を交えて紹介するとすぐ、ネタばらしになってしまうもので…。)最後に書いてある さんの言葉を紹介して終わります。この言葉から、『 エマ がただのコミックを超えた物語である事の一端 さんの作品に対する思い入れとそれに掛ける熱意が理解できるでしょう

作品の中で描かれる こういった生活感、ある意味ささいな事は専門書などではなかなかわかりません。当時の人の生活は当時の人が書いたもので知る。そういう意味でクリスティー作品はまたとない資料でもあるのです

さんのこの言葉に、 私は心からの賛成の意を表すものです 。皆さんも如何でしょうか? あなたの好きな、あるいは愛する古き良き時代 、戦後の高度成長期や終戦直後の混乱した時代、モボ・モガが銀座を闊歩した永井荷風の描く昭和の一桁時代、夏目漱石の描く猫の目から見た明治、シャーロック・ホームズが活躍するヴィクトリア朝ロンドンに、アレクサンドル・デュマが描いた19世紀末のフランス社等々、 その時代に活躍した作家たちが描くその時代の雰囲気を凝縮した作品を手にとって読んでみては?

フランクフルトへの乗客






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最終更新日  2006年02月03日 01時25分44秒コメント(0) | コメントを書く


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