濫読屋雑記

濫読屋雑記

2007年06月19日
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カテゴリ: 手に取った本
今日、6月19日は「 濫読屋雑記 開設600日目 にあたる記念すべき日です。途中、3ヶ月ほど空白の期間もあったり、再開してみれば週1回ぐらいの緩やか~なペースでの更新で、細々とやってきていますが、600日という数字は、考えてみれば中々の日数ですね。鬱の病状がもう少し和らげば、以前のように濃い内容の文章をバンバン書いていけるのですが・・・。体調だけはどうしようもないので、仕方がありませんね。

ああ、 それにしても書きたいネタ、見たいDVDなど溜まりに溜まっているのですが、これが見る時間もないし、気力も仕事で使い果たして、ついでに書道の展覧会の作品作りまで重なってストレスが溜まりに溜まっている今日この頃です 。 エマ第二幕 もまだ1話も見ていないし、折角買った『 マナーハウス 』にも手が付けられていない状態・・・。あと、アニメでは、 精霊の守り人 に 彩雲国物語 の第二期、 ウエルベールの物語 ロミオ×ジュリエット もDVDに録画したまま・・・。 あぁ、一週間ぐらいまとめて休暇が取れないのでしょうか・・・ 。でも、そんなこと言ったら「 どうぞ、お辞め下さい 」と言われるがオチなのでしょうがねぇ(嘆息)。

そんなこんなな状態の中で、細々と読んでいるのが、以前、このブログでも紹介した『 チョコレート工場の秘密 』の著者で有名な ロアルド・ダール が青年時代を懐古して書いた自伝、 永井純 訳『 単独飛行 』(早川書房、1989年)です。



この本の原題は『 GOING SOLO 』。英和辞典を紐解くとsoloとは、空軍の用語でそのものずばり「 単独飛行 」と訳されています。他にも「単独で(生活)する」とか「独演」とかいう訳も載っていて、 戦闘機での「単独飛行」というだけじゃなくて、ロアルド・ダール自身の個人主義的な生き方も表しているともとれる、意味深長な好いタイトルですね

本書は、著者自身による自伝『 少年 』の続きなのだそうですが、私は『 少年 』を読んだ事はありません。このお話は、 ダールが学校を卒業した後、シェル・カンパニーに無事就職して、アフリカ勤務になってからの思い出と、第二次大戦でイギリス空軍の戦闘機パイロットとして、枢軸国と戦った出来事を中心に、2部構成でお話が展開していきます 。

前半の「 アフリカ赴任 著者みずから精選したエピソードというだけあって、おもしろおかしく、時にスリリングな話の連続です 。任地へ向かう船の上では、早朝にデッキの上を、全裸で駆け回るする陸軍少佐夫婦。同室となった男のフケの悩みを盛んに周囲に漏らしていたとんでもない秘密(本書を読めば分かりますがマンガか妄想の世界のようなあきれて果てた理由です)。こうして珍妙な船旅は地中海からスエズ運河を通過して紅海へと出るのですが、紅海を行くこと2日目、とんでもない船に出会います。その船はイタリア船なのですが、船のデッキが女で溢れかえり、ダール氏曰く「 船上には数千人の女がいるに違いない 」と思われるほどの状況。で、当然「あれはなんですか?」と航海士に尋ねてみれば、「 イタリア軍兵士向けですよ 」との回答。なんと、イタリア軍はアビシニア(現在のエチオピア)征服(ファシズム政権下の夢想の結果です)のための 兵士の慰問用にイタリア人女性をアビシニア征服に疲れ果て、嫌気がさした兵士や将校向けに送られていったのです・・・。いずこの国もみな同じなんですね 。

こうして珍妙な航海を終え、やっと到着した 赴任地タンガニカでは、毒ヘビやライオンの襲撃に四六時中油断がならないといういかにもアフリカ!というような状況に直面します 。 とくにダール氏は蛇が大嫌いだそうなので、このあたりは同じく大の蛇嫌いの私にとって非常に親近感の持てる話でした 。さて、このようにシェル石油の販売員としてステーション・ワゴンに乗って西は中央アフリカのタンガニカ湖から南はニアサランドの国境近くまで、ダイヤモンド鉱山や金鉱、シサル麻農園等のお得意様にシェル石油の品質の良い澗滑油と燃料油を供給するという、「 知性や相続力は大して必要ではなかったが、無条件で健康でタフでなければならなかった 」仕事と生活、そして自然を満喫していたダール氏。ところが、この生活に暗雲が立ちこめてくるのです。第二次大戦の勃発です。

当時、ダール氏が住んでいたタンガニカは第一次大戦中はドイツ領東アフリカと呼ばれ、1919年の休戦のあとイギリスが割譲、タンガニカと改名したいわく付きの土地だったのです。当然、イギリス領となった後も、大勢のドイツ人が生活をしていました。その数は、タンガニカに住む他の全ヨーロッパ人を合わせた数より多いぐらいで、当然、開戦となればドイツ人は当局にとって危険で厄介な問題となる恐れがあったのです。

そして、事態は緊迫の度合いを増し、ついに宣戦布告と同時にダルエスサラーム周辺の何百人のドイツ人を借り集めるための綿密な計画が練られ、ダルエスサラームに住む数少ない若い男性が仕事を離れ「 ある種の手品のようなプロセスをへて、臨時の陸軍将校になることを命じられた 」のです!そこで、アフリカ近衛ライフル銃隊(KAR、現地では黒人兵士はアスカリと呼ばれた)のイギリス人大尉からダール氏に命令が下されたのです。 小銃と機関銃1丁で武装した25名のアスカリを指揮して宣戦布告と同時に中立地帯であるポルトガル領東アフリカへ通じる一本しかない海岸道路を封鎖し、脱出しようとする全てのドイツ人を阻止し、まとめて強制収容所へ連行せよ、との命令です 。

ダール氏はこの任務は無理でもっと責任のある将校にやってもらえないかと大尉に頼んでみますが、意見は却下されてしまいます。そこで、ダール氏はドイツ人が「 銃を持っていて、戦闘をしかけてきたらどうなります? 」と質問します。するとくだんの大尉どのは「 そのときは薙ぎたおせ。機関銃があるだろう?機関銃が一丁あれば小銃を持った五百人の敵に勝てる 」(う~ん、第一次大戦の塹壕戦の影響をモロに受けていますね。ちなみにこの時配備された機関銃というのは旧式のルイス機関銃なのでしょうか?それともやはりヴィッカース水冷重機関銃?ブレン軽機関銃は新式なので植民地には配備されてないと思うのですが・・・。どうもこの手のマニアは、その辺りが気になります)と言い放ちます。ダール氏は「 五百人の民間人を機関銃で薙ぎたおせと命令する人間になりたくなかった 」と心境を吐露しています。そこで、「 その中に女子供がいたらどうしますか? 」と尋ねてみると「 その時は自分で判断したまえ 」と明言を避けられしまします。 こうして、学校での軍事教練しか受けていなかったダール氏は部隊を指揮して海岸道路に封鎖線を引くことになるのですが、この先は本書を読んで下さい 。 書き出すとまた長々と書き散らす事になりそうなので・・・ 。

そんな理由で、今日はドアルド・ダールの『 単独飛行 』の前半部を長々と紹介してみました。 今度は、余裕があれば、この後起こる前半最大のハイライト、ドイツ人とダール氏の対決や、後半のRAF(王立空軍)入隊後のお話をこんな感じで長々と書いていきたいと思います 。 それでは!






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最終更新日  2007年06月20日 00時39分39秒 コメント(4) | コメントを書く


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