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川沿いを手を繋ぎ 2 人で歩く、満開の桜がオレ達を迎えてくれる。
沢山の人が桜を見上げ指さしながら歩いている。
肌寒さを感じ肩をすくめ歩く人もいる・・・
倫子の手を取り、結んだ手をそのままにポケットに引き入れる。
オレの左手と倫子の右手・・・温もりは幸せの証。
ポケットの中には 2 人の世界がある。
互いの手が会話する・・・
強く握ったり、握り返したり・・・
指の腹で相手の手の平を優しく擦る・・・
くすぐったい・・・これはどう??
中指と人差し指で緩く挟んだ指を軽く擦る・・・
目と目を合わせる・・・絡む視線・・・瞳の底に宿る思い・・・
大切な人と過ごす喜び・・・
すれ違うカップルの話し声が耳に入る・・・
「桜の花言葉は種類によって違うけど、優れた美人・清純・潔白。。。しだれ桜にはごまかしの意味もあるらしいよ・・・」
前方からミニチュア・シュナウザーと散歩をする女性。
桜色のフレアスカートから覗く可愛い膝小僧に見とれてしまう。
桜の花の下を歩く家族連れやカップルに混り、ひと際輝いて見える。
「こんにちは、昨日はメールをありがとうございました」
「場所は分かった??」
「分かりましたよ。昨日、早速に行ってきました」
「よかった、突然の引っ越しだったらしいからね」
狭い道をいつもの何倍もの人が桜の花見物に歩いている。
立ち話も憚られ、またお会いましょうの言葉を残し歩を進める。
「きれいな人ね、若いし。ああいう人が好き??」
ポケットの手はいつの間にか抜き取られ、刺を含む視線が突き刺さる。
「なんか誤解してない??」
オレの先を歩き、桜並木から外れ多摩川へ向かう道を歩いて行く。
「言い訳を始めてみる??」
「いつも行くパン屋さんが突然閉店したというので、その店に詳しそうな人に心当たりがあるから聞いてあげるよと・・」
「それで・・・」
「引っ越してたので、その場所をメールで知らせてあげただけだよ」
「どうしてメアドを知ってたの??」
「朝、ワンコの散歩で時々挨拶をする人だから・・・」
「ワンコの散歩で会う人にはメアドを聞くのかな??」
「閉店の理由が判れば知らせようと思って聞いた」
「散歩で挨拶する程度の人にパン屋さんがなくなったって話す??」
「・・・ゴメンナサイ」
「誰に聞いたの・・うちが買うパン屋さんじゃないでしょ」
「・・・ゴメンナサイ」
「ケータイは没収、反省しなさい」