サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2006.06.27
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カテゴリ: スポーツ
野球はスポーツか?

 サッカーやラグビーは云うに及ばず、体力勝負のすべてのスポーツ競技からみて、野球ははたしてスポーツといえるのかどうか?という、ささやき声が私の子供時代にもありました。いわく
「ピッチャーはともかく、他の野手はほとんど何もしてないじゃないか、
「各ポジションの体力の消耗度に差がありすぎるんじゃないか、
「ホームランだと走らなくていいというのはおかしい、
「プレーが切れ切れで持続性が乏しく、緊張感がない、
「時間がかかりすぎてスピード感に欠ける、等々

 野球を一生懸命やっている人からは、いっせいに大ブーイングがおきそうな話ではあります。(私もそのくちでした)
 プロや高校野球は云うに及ばず、野球選手はそれこそ、むちゃくちゃトレーニングする、連続ノックなんて取れないとわかっていても、取りに行かないと怒られる。

 しかしそれを云うなら、ゴルフやボウリングがスポーツなら、ビリヤードだって、チェスだってということになるので、一応競技場の本番で発揮される体力の消耗度という点にしぼって云えば、野球がちょっと分が悪くなるのは事実かな。(まあだからこそプロ野球が、年間で140試合以上もやってられるってことになるんでしょうが)

 ここはやはり野球の起源である、クリケット競技を思い起こさなくてはなりません。クリケットはイギリス貴族のスポーツでした。例の汗と泥を忌み嫌う貴族たちも、野原でボールを追いかけて楽しむ農民、労働者たちの球技に憧れを抱いたのでしょう。
 そこで考えついたのが、汗と泥を極力排した球技でした。同じフィールド競技であるにもかかわらず、クリケットにはMoc Combatにみられる接触プレーや体力の消耗がありません。あきらかに乗馬やゴルフ、テニス(今のパワーテニスとは違います)に近いスポーツです。

 しかしアメリカは英国と戦争をして独立した国ですから、もとより貴族は存在せず、イギリスのスポーツを、ことあるごとにアメリカ流に改造してしまいました。改造の要点は、
1 誰でも参加できること(民主的であること!)
2 多人数をできるだけ参加させる
3 プレーを寸断して作戦的妙味を加える
4 見ていても楽しいゲームにする
といったところでしょうか?相当乱暴な意見ですが。1と2は関連しますし、3と4も同じことかもしれません。
 野球にしてもアメリカンフットボールにしても、大前提は大きい奴も小さい奴も、それぞれのポジション(役柄)で活躍するチャンスを与えられているということです。さらに選手の交代は無制限です。(選手の総数は決まっているが、何回でも交代はできる。)
 短いプレーを寸断してやることで、作戦タイムを作る(見ているものにも参加させる)。

 サッカーやラグビーにも数字はありますが、不思議なくらい少ないですね。勝ち負けだけが伝説となって、あとは文学的表現で各選手の功績が称えられます。数字的記録ではなぜかほとんど語られないのです。

 このあたりはアメリカの国民性を何やら表わしているような気がするのですが、一時期アメリカではやった分析的文学批評(New Criticism)と一脈通じるところがありますね。何事も(文学芸術も)明瞭に分析できて、明示され、誰にでも(努力さえすれば)分かるようになっていないと意味がない、とは機会は均等であるべしという民主主義の根本精神の現われにもみえます。

 話が逸れてしまいました。野球のもうひとつの原風景は、草野球に見られる牧歌性でしょう。R・レッドフォードの映画「ナチュラル」の冒頭で、野原で草野球をやっている中に、ホームランバッターが入ってくるというシーンがありました。これは私の子供時代にもよくあった話で、小学生の野球に突然大人が参入して、でかいホームランを打つ。われわれは羨望のまなざしで、それを眺めるという図式です。
 メジャーリーグの球場は、何となくそういう牧歌性を残しているところがあって、新しいといわれるマリナーズのセーフコフィールドでも、レトロな感じがありますね(とくに屋根を動かす大車輪)。東京ドームなどがボールパークというよりは、劇場(国技館みたいな)に近いのと対称的です。

 野球というのはおもしろくて、やってても見ててもいろいろ楽しめる、草野球でも少年野球でも、うるさい解説者は必ずいるのです。云わば 寸断された瞬間芸の連続
 それに対してサッカーはともかく、ラグビーなんかはどちらかというと、私の経験では見るよりやったほうが面白い。とくにスクラムやラック、モールなどの密集戦は、くんずほぐれつの中でいろいろ駆け引きがある、これはやったものの楽しみでしょう。

 ともあれ野球はスポーツか?ということよりスポーツが、それぞれの国や歴史を背負っているということが分ったみたいな、一体何を話していたのかな。
 ようするに野球のルーツは、英国貴族の趣味で、本来汗かきスポーツではないのが、アメリカ的民主主義で、すこし汗と泥をミックスして大衆化されたもの、ということになるでしょうか。
 国民性といえば、ワールドカップサッカーほど、それを反映したスポーツもないようで。

― つづく ―





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Last updated  2006.06.27 09:37:31
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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