サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2006.11.28
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カテゴリ: 旅行
 昨日は、久しぶりの出張でUPできませんでした、すいません。
 今年の秋は、すでに冬にさしかかっているのに、異様な暖かさで、何かこのしっぺ返しが、別の形で出て来るのじゃないかと、私などしぜんに身をすくめてしまいます。

 ―― ところで、私は列車の車窓が大好きで、子供のころは窓を独占してゆずらないと、親によく叱られたものでした。つぎつぎと現われる自然は、単調に見えても私を飽きさせず、ちょっとした谷や橋を見ると、たちまちそこに連なっている人や自然の生活系を想像して、風景の向こう側に広がる世界を空想したものです(今や、京都から大阪、神戸あるいは神奈川から東京、千葉または埼玉にいたる都市風景には、車窓を楽しむという景観は何一つなくなってしまいました)。
 昔、川端康成でしたか、東京から大阪へ帰ってくるとき、「関が原をこえて近江路に入ると、山の形まで丸く優しく見える」みたいなことを書いていましたが、確かに新幹線で伊吹山の裾野を越えて、琵琶湖が望見できる彦根あたりに入ると、山並みがゆったりしたスロープを描いていることに気づきます。滋賀と岐阜、三重を隔てるのは鈴鹿山系ですが、岐阜県側からみると牙々として、そそりたってみえる山容が、滋賀県側ではお盆の縁のように緩やかになっている。琵琶湖の水面は海抜で80メートルほどの高さがあって、鈴鹿山系をはじめ周囲を取り囲む山々が支え合って、琵琶湖を盛り上げているように見えます。
 もともと琵琶湖は三重県側に開いた湖(内海?)だったのですが、鈴鹿山系の隆起とともに出口をさえぎられ、しだいに北へ向かって湖水が移動し、北西側の比良山系につきあたって現在の琵琶湖があるといわれます。したがって湖の南東にかけて広がる水口丘陵(甲賀、伊賀地域)は古琵琶湖の湖底にあたり、湖に流れ込む最大の河川である野洲川は、もともと伊勢湾側に逆方向に流れていたのでした。盆の底が南東側(鈴鹿山脈)が持ち上がって、北西側にちょっと傾いだ形になっているのです。したがって、琵琶湖は北西側が深く、南東側が浅い湖底を成していて、新幹線や東海道線や名神高速は、その南東側を走っているのでした。そこから見る山や湖面が全体的に低く丸く見えるのは、傾いだ盆の底を横切っているからです。これは対岸に屏風のように連なる比良山系の、急峻な景観と著しい対象を成しています。 琵琶湖の風景はこちら

 隆起によってふさがれた琵琶湖の出口は、結局、京都南方の宇治方面に流れ出て大阪湾(瀬田川-宇治川-淀川)に注いでいるのですが、瀬田洗堰(あらいぜき)から宇治にかけての川筋(瀬田川)は錯綜して急流をなし、水上交通路としての用は成しませんでした。水運は陸上交通が発達する明治までは、物資の大量輸送手段として重要だったのですが、江戸時代まで大阪の荷物は宇治川のほとりである伏見に荷を下ろし、瀬田川をさかのぼることはありませんでした。琵琶湖上は北へ南へあるいは西東へと、自由に航路を取れますが、四周は山に取り囲まれて容易に外界に出ることが出来なかったのです。
 現在でも滋賀県は瀬田川が京都側に流れ出ていることで、近畿の水がめとして近畿地方に属していますが、地勢的には京都大阪から見れば、近畿の北辺に位置し、何となく独立的な異文化の匂いがある。空想して、これが仮りに三重県側に流れていたらどう見えたかとか、福井県側(若狭)に流れていたらどう見えたかとか、いろいろ考えてしまうのですが、いずれにしても四周を山に囲まれて周囲の文化を享受はするが、そこから発信することはない、一種ブラックホールのような文化圏を築いたであろうとは思うのです。

 というわけで、琵琶湖を含む近江盆地は、古代以来、日本の東と西、あるいは北と南をつなぐ(あるいは遮断する)地勢を成していて、それは小さい県のわりに、近江の文化の多重性にも結びついていますね。

                                     ― つづく ―





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Last updated  2006.11.28 13:51:22
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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