サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2011.03.22
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 さて、先に挙げた三つのポイントのなかで、前後してしまいましたが、
 今回の危機管理の上での、政府その他行政機関、及び東電の対応ぶり、さらに加えてそれを取り囲むマスコミ、政治家たちの振るまいかたに関することです。
 私はここにこの未曾有の大災害の拡大をどこまでで抑え込めるか?言わば、日本国の「退却線」をどのあたりで引けるか?の成否がかかっているように思える。

 例の内田樹さんが、現在の日本という国の「負け白の大きさ」ということいついて、以前触れられていましたが(「街場の中国論」他)、この人の論によれば、今どきの日本ほど政治的社会的失敗を重ねても、国そのもののかたちが危殆に瀕することの少ない国というのは、世界的に見ても稀だろう、というのが趣旨だったような気がします。
 これは「尖閣問題」での中国と日本の政府の対応振りに関して、日本の一部マスコミあるいは政治家が、ファナティックな発言を繰り返し、中国脅威論と愛国主義の高揚を叫んでいるのに対して為された発言ですが、要は領土問題とか人権問題といった国の基幹的要素に関して、相手国と同じ土俵でいがみ合っても仕方がない(得るところが少ない)、ということなのでした。相手がより先鋭的な語法や実力行使に出てくる場合、それはおおむね相手国の「負け白」の少なさを示しているに過ぎない。ひらたく言えば、この問題に関して中国側ははるかに大きいリスク(政体そのものの崩壊)を背負っている、ということなのです。
 日本はその点、仮に尖閣諸島が不法占拠されたとしても、国のかたちが独裁政体に変わったり、クーデターが起きたりといった危険性を想像することは、誰も夢にも思っていないわけで、はなはだ不愉快な事態は今後とも継続するにせよ、あまりそれに乗せられてもしかたがない、要はこれらの事象にいちいち反応するのは「つまらない」ですよ、といった事だったと思います。
 しかし同時に内田さんは、そうした日本の「負け白」の大きさも次第に狭くなって来ているのかもしれない、ということも指摘されているわけで、それは今現在の日本に関するさまざまな指標データ(震災前の)によっても、明らかです。

 では今回の大災害については、どこまで「負け白」を認め得るのか?分りにくいので、私はこれを戦闘時における「退却線」というしかたで、考えてみたいのです。実際の戦闘でもそうなのでしょうが、例えばスポーツを例に取れば分りやすい。野球なら何回に何点までなら奪回可能か?ということを常に考えながら、選手起用や攻め方を考えるわけで、自他の状況を勘案しながらの判断が求められます。
 ここで大事なことは、危険とか危機には二種類あるということです。これまた内田さんの受け売りですが、リスク(Risk)とデンジャー(Danger)の違い、といったところです。元来リスクマネージメント(危機管理)とは、予測し得る危険に対する、さまざまな回避の手法を意味するのですが、今回の事象は地震災害としても原発事故としても、明らかに予測不能、つまり想定のはるか上で生じているわけで、そうした場合、通常の危機管理の考え方は通用しないということなのです。


 デンジャーのレベルで事象が進行している時とは、先ほども言ったように、事態は「予測不能」あるいは「完全な無秩序状態」を意味するので、この時点で管理者は妙な気休めや憶測は言ってはいけません。この場合求められるのは「激励」と「結束」だけなのです。その点アメリカの大統領などは、何をさて置きこれを国民に語りかけるし、議会も日頃の政争はさて置いて大統領を支持する。 このあたりの呼吸をアメリカ人は(何度も戦争を起こしてきたので)よく知っている。さまざまな批判が出てくるのは、事態がリスク管理の遡上に乗った時点からなのです。

 さて今回の事象において、日本はどうなのでしょうか?

― つづく ―






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Last updated  2011.03.22 13:43:02
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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