サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2011.08.08
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カテゴリ: スポーツ
 その後90分後半終了までの数分間は、明らかに「なでしこ」が心理的に押していて、一種の「すごみ」を感じさせましたね。確かにここの局面では、90分の時間内で決着出来る機会があったかもしれません。
 しかし結局同点延長になり、再びの失点とその後の同点ゴール、さらにはペナルティーキック合戦の経緯は、皆さんもよく知り、またさんざん繰り返し流されている映像なので、詳しくは触れませんが、この間に少なくとも三つの奇跡的なプレーを、私たちは見止めることが出来るでしょう。

 例の宮間さんと澤さんの阿吽の「居合抜き同点ゴール」、その直後にあったモーガンに対する岩清水さんの「捨て身のファウル」、そして海堀さんの「神業的ブロック」です。「居合抜き」のことはもう話しましたが、岩清水さんのファウルはその瞬間その場所でなければならなかった。彼女はそれを充分理解して意図的にファウルしたらしい。相手が先制ゴールを放ったモーガンであること(さらに言うと、ワンバックの2点目も彼女がアシストしている)、この試合でおそらくいちばん乗りに乗っている選手を、そこで止めないとペナルティーエリアに入って、ブロックが困難になることを瞬時に判断して、その場で倒したらしい。となるとこのファウルには大きな「意味」があったわけで、まさしく「栄光のレッドカード」と言うべきでしょう。
 同じようなことが、ペナルティーキック合戦においても起こったのごとくで、最初の神業的ブロックでアメリカ勢が堅くなった。海堀さんの脚が偶然当たったのではなくて、彼女がキックのラインを読んでいたということが、次のキッカーを力ませたのではないか?サイドは危ないというわけで、上を狙ったところが枠を外した。その結果次のキッカーはまた慎重にサイドを狙ったのですが、今度こそ海堀さんは完全にラインを読んでいましたね。
 報道ではペナルティー合戦の前から、「なでしこ」が監督はじめ笑っていて、完全にアメリカを気持的に圧倒していたかのような説明をするところがあるようですが、私はそうではないと思う。勝負は海堀さんの最初のブロックで決まったのです。

 こうしたプレーは一試合どころか、一シーズンに一回見られるかどうかという種類の出来事であって、それが数十分の間に立て続けに起こったというのは、やはり再三申し上げているように、めったとお目にかかることの出来ない「拡張された身体性」のようなものが、決勝戦の後半に現れたとしか言いようがない。で、それを現出させたのは、紛れもなくイングランド、ドイツ、スウェーデン戦を経た、今回の「なでしこ」自身だけであって、そのほかでは有り得ない事態だったということなのです。

 このたびの「なでしこ」の戦いを、プレイバックで全試合やっているので見てみた(やっぱり、好きですね)のですが、同じ延長試合でありながらドイツ戦とアメリカ戦では、選手の動きがまるきり違うように見える。ドイツ戦は敢闘しているとはいえ文字どおりの消耗戦で、とくに延長後の30分間は「勝ちたい、勝ちたい」の一心で、互いにノーガードで立ったまま打ち合っているボクシングのような、壮烈な印象がします。逆に言うと、有機的な動きというのはお互いに少なくて、人数はたくさんいるけれども、かなり疲れきってしまって、散発的な印象がしないでもない。というか、サッカーの延長戦というのは、けっこうこうした展開が多いじゃないですか。
 だからこそ、丸山さんの決勝ゴールは、もちろん彼女のタフネスが生み出したものですが、ほとんど「天佑」といっていい事態だったのだと思う。「なでしこ」が大バケして、有り得ない奇跡を続けざまに起こすような、別の次元に入って行ったのはこの時以後だろう、とは前にも言いましたが、やはりワールドカップのような舞台で、いまだ勝ったことのない相手を倒すというのは、ある種「運」を引き寄せる瞬間が必要なのかな、とも思ってしまいます。彼女たちが、まったく新しい地平を切り開いて歩み出したのは、この惨烈なドイツ戦の勝利からだと思う。


 ドイツチームは明らかに苛立っていたし、その苛立ちが全体的にかのチームのクォリティーを押し下げていったように見えるのです。この試合ドイツチームは明らかにベストパフォーマンスとは言えなかった。で、それを引き出したのは「なでしこ」の粘りだったでしょう。ゲームとか戦いの展開というのは、常に相手との時々の「相互作用」の結果、生み出されてくるものです。
 という意味では、次のスウェーデン戦は「なでしこ」にとっては、今大会のベストゲームだったとはいえ、相手は中二日(日本チームは中三日)ということで、いささかバテていた感じがしますね。こちらのパス回しが面白いように決まるということは、逆に相手の動きが鈍いということを示しているのです。

― つづく ―





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Last updated  2011.08.08 10:58:44
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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