サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2012.11.25
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やっぱり本屋さんが好き!

 ブログというのは、それでもかなりハードルの低い媒体で、私などその気安い居心地の良さが気に入って、ずいぶん調子のいい話をし続けてきたのでした。しかし先だってのかなり大マジメに振りかぶったような話になると、「こんなこと自分が話すことかいな」というか、この類の話をまともにするには我が身があまりにも知らないことが多過ぎる。それは取りも直さず「その道の専門家」に対して僭越な態度なのではないかということなのでした。

 かといって、自分が気に入ったこと感心したことを表明しないのは、これまた表現の自由という意味では、何となく民主的でないような気がするし、だいいちこっちが「面白くない」じゃないですか。となると問題は「表明するしない」ではなく、たぶん「表明の仕方」の問題だろうということになって来るのです。例の「素人の節度」を保ったしゃべりかたで、大マジメな話をもう少しまともに話することは出来ないか?そういう話し方ははたして可能なのか、で、それを最後に識別できるのは結局「キチッとした文章」かなあ、などと首を捻るということになって来るのです。
 どんなに「言えてること」が書いてあったとしても、カチッとしない荒っぽい文章だと、読んでるこちらの気分も荒んでくるというか、走り読みでいいかという気分になるものです。考えてみればNETの文章なんて、まさしく走り読み飛ばし読みで、即使い捨てされるべき文体で、書いてる側ももうほとんどその前提でパソコンやスマートフォンに向かっているのではないか知らん。私は以前は「中味が充分言えてるのであれば、それでもいいじゃん」という気分で書いていたのですが、ここ最近自分がパソコンに向かって「何か話そう」と辛吟しているときの態度と、他人のブログやニュース記事あるいはコラムを読んでいるときの、我が身の傍若無人ぶりな態度の落差に衝撃を受けるのです。
 これじつは目下のファンである内田樹さんとか佐藤優あるいは青山繁晴氏といった、かなりクオリティ高めのブログを読んでいても同じで、本を読むときとは明らかに私の入り方の態度が違う。早い話、内田さんのブログなど次から次と(あきれるほど)コピペされて本になってますが、その読後感はブログとは全然違う。ほぼ同じ中味がまったく違う相貌をしているのです。この違いについて巷間さまざま云われていますが、結局のところ電脳空間にバラ撒かれた活字と、印刷で紙に固定された活字の差ではないか?要は「文章の居住まい」が違うのだと思う。相手の居住まいが違えば、こちらも姿勢を変えざるを得ないじゃないですか。同じ饅頭でも菓子折りに入っているか、新聞紙に包まっているかみたいな。

 と、あれこれ舌打ちしながらも、私はこういう時は、たいてい本屋に飛び込む。図書館じゃありません、本屋の一見整理されたかに見える本の並びの裏には、じつは独特の無秩序感があって、私はその感覚がとても好きです。図書館やインターネット・ショップでは絶対ありえない、何やら「横にずれていく」驚きと期待の感じが、私のような仕方で刺激を求める人種にはたまらないのです。
 一応何か買おうと思って入っても、まず買わない。目星をつけて買い物するというのは、こと本屋さんに関しては、あり得ないことなのです。平積みや背表紙の並んだ本をサーッと一瞥しながら、さて今日はどんな本が隠れているのかなという、一種「宝探し」の高揚感に導かれて歩いていると、何やらこちらに向かって呼びかけたり囁いたりしている本が、必ずあるものです(誰それの写真集のように、無理やりそっちに目を向けさそうというのもあります)。

 さて、今どきすっかりカジュアル化した感じの「新書版」コーナー。私もご他聞に漏れず寝ころんで「知るを楽しむ」はなはだがさつな人間ですが、それにしても最近の新書の質の低下は目も当てられない。見ているこちらが(それこそ写真集のように)恥ずかしくなるような、挑発的なタイトルあるいは帯だけで中味が分かる本が並んでいるのです。
 とはいえ、そうした品下がる(写真集ならぬ)新書の中にも、ときには侮りがたい本が挟まっているから油断がならない。最近見つけたその種の新書といえば、


「精神論ぬきの電力入門」 澤昭裕 新潮新書
「動乱のインテリジェンス」 佐藤優、手嶋龍一 対談 新潮新書
「経済学の犯罪」 佐伯啓思 講談社現代新書

といったところでしょうか。
 いずれも「いかにも」というタイトルがついてますが、中味はとんでもない。こんな本が時々あるから本屋通いが止められないということでしょう。中味の話はいずれこちらの考えがまとまったらということにして、どちらにしても巷間「あたりまえ」で片付けられて、なおかつ結論を見出し得ない今日的困難に対する、この人たちのスタンスやものの見方は目からウロコであると同時にものすごい勇気を感じる。
 中でもイチオシは神門さんの農業論、現在への絶望と未来への懺悔という形を取りながら、我々が何となくそうじゃないかと思っていた一番痛いところを、ことごとく「言い当てている」。若干暴走しかけますが、こういう勇気のある人がいるということは、まだ絶望するには及ばないということでしょうか。次、二番オシは佐藤さんと手嶋さんの対談。目下沸騰中の時事を扱いながら、話のレベルは恐ろしく高い。外交論とか戦争論を素人が勇ましく論じる危険をこれほど感じさせる対談はない。とくに沖縄の話は前から抱いていた想念が、どうも虚妄でなかったらしいことが分って、それだけでも私的には大満足でした。
 しかしこれもまた、改めて詳しく話することにしましょう。





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Last updated  2012.11.25 17:30:16
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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