サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2015.07.16
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カテゴリ: スポーツ
本者と偽者

 しかし何度も触れたことですが、それこそが言わば「守り慣れた『なでしこ』」の術中にはまる」ことを意味するのであり、佐々木監督が言うようにイングランド戦は「守備で勝った」試合なのです。並々の高さと技量のチームなら、ことごとく今は「なでしこ」の網に引っ掛かる。これこそ長い時間をかけて「なでしこ」が編み出した、力攻と高さの欧州サッカーへの解答なのです。決勝点になったオウンゴールも、偶然とかラッキーという結果ではもちろんなくて、延長戦必至と誰もの頭によぎっていたであろう後半最終盤でも、敵ゴールに向かって走るのを怠らなかった川澄さんと、その意図を汲んでアーリークロスを受けようと、相手ゴール前に詰めて行った大儀見さんのガッツが生んだ必然の決勝点だったように思う。
 このあたりの不思議な強さというか、しなやかに広がったような「なでしこ」特有の「拡張された身体性」の危険を、肌で感じて「本当に知っていた」のは、たぶんアメリカだけだったろうという気がするのです。

 しかし「耐えて耐えて、わずかなチャンスをモノにして、最少得点で勝つ」というのが、「なでしこ」のすべてなのか、と言えばそうでもない。
 前回ドイツ大会の翌年、つまりロンドン・オリンピックの年に行われたアルガルペ・カップ大会では、決勝でドイツと点の取り合いをやって4-3で負けてますね。前年に例の長い長い延長戦を戦って、最後丸山さんの劇的ゴールで降した相手と、まったく趣きの異なった試合をここではやっている。オリンピックの前哨戦ということもあって、佐々木監督もいろいろ試したいというところがあったのでしょうが、「へえ、『なでしこ』もこういう試合が出来るんだ」と思ったものです。
 これまたドイツが先制すると「なでしこ」が2回追いつくという展開で、試合最終盤大儀見さんが同点ゴールを決めると、アディショナルタイム1分の間にドイツが決勝点を挙げるという、はなはだスリリングな展開なのでした。このあたり力攻型のチーム同士が、互いにノーガードで撃ち合ったらこうなるというような試合。随分いろいろな引き出しを、「なでしこ」は持っているんだなと思ったものでした。ドイツとしたらロンドン・オリンピック出場を阻んだ「なでしこ」に対して、「真の王者は私だ」という意地があったでしょう。
 以下、今大会のアメリカ戦を話すとき、私はどうしてもこの試合を思い出すのです。

 さて、今大会の決勝戦は先にも言ったように、確率的にはなかなかあり得ない三回めの頂上決戦ということで、すでに女子サッカー界のレジェンドになりつつある対戦となったわけですが、ご存知のとおり日本にとっては残念な結果となりました。テレビの解説者の中には「野球で言うなら、コールドゲームのような試合」と評されていましたが、多分この人はアメリカが4点取った時点で、以後の展開はほとんど観なかったのではないか?
 確かにサッカーというゲームが、なかなか点が入り難いスポーツで、序盤16分間で4点失うというのは、なかなか考え難い。ましてここ最近の「なでしこ」では、ほとんど想定外の事態であったのは間違いないにしても、現実にはそういうことも起こり得る。肝心なのはそうした想定外の事態が出来した時、当事者たちがそれにどう対処したか、ということでしょう。後のインタビューで鮫島さんが「4点取られた時点で、『負けた』という選択肢は無かった」とおっしゃってましたが、常識的にはどう考えても、限りなく絶望的な状態であっても、「負けた(終わった)」という仕方で物事を捉えてない。これは彼女に限らず、監督も含めて「なでしこ」全員が、ごく当たり前のように共有していたマインドだったでしょう。


 また中には「ファイナリストだから、充分偉いじゃないか」と誉める方もおられますが、これもまた当事者たちの気持を汲んで言っているというよりは、傍観者の自己満足的言辞の臭いがしないでもない。「なでしこ」たちは、宮間キャプテンの言うとおり、掛け値なしで「本当にトップを取りに行った」のです。この場合「ファイナリストだから…」という誉め言葉は、彼女たちにとって激励にもねぎらいにも、何にもなって無いと思うのです。いろいろ、うるさいようですが。





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Last updated  2015.07.16 21:11:12
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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