サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2016.07.12
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カテゴリ: クラシック
音楽的「表現」

 「スタンド・アローン(自立単独主義)」な「自由競争」こそ、個人のパフォーマンスを最大化させると信じて疑わない人たちは、むしろそれが自身のキャパを押し下げる場合がある、ということに気付こうとしない。
 早い話、朝起きるのも飯を食うのも、いつも「我意」のままに振る舞うことこそ、自立単独主義的「自由」ということになれば、その人があるいは本来発揮出来たはずの能力は、確実に下降線をたどることになるでしょう。「それを自己管理できる者こそ、真に強い奴じゃないか」となりそうですが、人はそれを平然と豪語して回れるほどたぶん強くはない。というか、それができている人こそ、じつは「他者(親とか祖父母、親族兄弟、友人など)に導かれた成果」としての自分、という在りように気付くべきでしょう。

 「そんな、何ものかに『呼び出し』された記憶なんかないぜ」。「どうせ、そんな『声』を聞くことが出来るのは、特別な人なんだろう」と、またもや揶揄されそうですが、我々は案外、日常でそういうふうに「呼び出される」シーンに遭遇しているのかもしれない。
 我が子の泣き声を聞いたお母さんは、自身の都合は取り合えず差し置いて、それに耳を傾けるでしょう。男の場合もたぶん一緒で、会社勤めはたいてい鬱陶しいというか、辛気臭いことだらけですが、それでもやれてしまうのは、「お前がやれ」という「声」を各々が無意識に聞いているからです。「奇道を為す人」というのは、あるいはそうした「声」に人一倍敏感な受容体を持っているのかも知れませんね。

閑話休題
 さて話がエレクトーンから、ずいぶん離れた地点にまで来てしまいました。大急ぎで元に戻して着地点を探さねばならないのですが、ことの成り行き上、何となく仕方がなかった感じもします。
 気分直しに再び826Asukaさんの演奏を聴いてみましょう。「 バック・トゥ・ザ・フューチャー 」なのですが、これとか先の「ジュラシック・パーク」を聴いていると、同じ鍵盤楽器でもピアノとエレクトーンの基本的なコンセプトの違いを改めて感じてしまう。


 ピアノがチェンバロとかクラブサンといった弦を弾く楽器から、大音量と広音域を確保するために、ハンマーで弦を叩く打鍵楽器に進化したのに対して、エレクトーンの淵源はたぶんサスティナブルで多様な音色と音量が可能なパイプオルガンだったでしょう。
 日本でオルガンといえば、幼稚園や小学校の教室に置いてあるみたいな、講堂に鎮座しているピアノに比べて、いかにも地味で廉価な印象を受けたものですが、ここ最近のデジタル技術の進展で、その本来持っていたキャパを発揮し出した感じ。ヨーロッパでは普通オルガンと言えば、教会のパイプオルガンのことで、その巨大さと演奏の難しさゆえに「楽器の王様」と言われてるんですよね。
 私の見るところ、パイプオルガンの「難しさ」の本質というのは、両手足を使って多段鍵盤を演奏するという、見た目のトリッキーさにあるのではなくて、まさしくその楽器本体の巨大さと多様な音色ゆえに生じる、「音楽的表現」そのものの難しさなのだと思う。
 それはもう、ほとんど一人の奏者の間尺を越えた広大さなのではないか?

 メカニズム的にはパイプオルガンは、文字どおり大量の管に風を送って音を発生させる「管楽器」ということになるようです。しかしその最大の特色は、さまざまな木管や金管から繰り出される音色を、複数混ぜることによって生じる「倍音」にあるでしょう。同じピッチの管でも、その材質によって当然音色は異なる、ではそれをいろんな組み合わせで、同時に発生させたらどうなるか?
 というわけで、さまざまな管の組み合わせを指定する「ストップ」というボタンが、鍵盤の側壁に何やらプチプチみたいに並ぶことと相成ります。奏者は一種の職人技のようにして、両手の運指と両足鍵盤、ストップボタンの切り替えを同時進行で行う(さすがに圧搾空気のふいごは別の人がやっていたようですが)ことになるわけで、こうなるとそれは例えば、ヴァイオリンやフルートのような一本の楽器を「演奏する」というのと、同じ次元で捉えるのはどう見ても難しいでしょう。
 肝心なことは、一本のフルートやヴァイオリンでも、一瞬にして人の心は「捉えられる」ということです。では、優れた演奏とか音楽的表現というのは、詰まるところ一体何なのか、あるいはどこから生まれて来る、と云えるのか?





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Last updated  2016.07.12 15:54:00
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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