サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2017.10.04
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またぞろやって来たハロウィーンのゾンビたち


 すっかり古びた劇場型政治手法に、骨の髄まで染まった方々が、またぞろいやに元気になって表に飛び出して来ました。話題だけ振りまいて十年ほど経ったら、「あれは一体何やったんやねん」というのは、小泉「郵政解散」ですでに明らかになっていることです。当時マスコミも有権者も何に興奮していたのかと言えば、要は自分に関係のない出来事、絶対我が身に降りかかる恐れのない災厄を、観客席から見物するのが面白くて騒いでいたのでした。
 小泉さんが大儀として持ち出した「郵政改革」は、大半の国民にとっては他人事、消費税などと違って直接生活に響くわけではない。であるにもかかわらずフィーバーしたのは、いわゆる既得権益層(郵政族)と言われる人たちが敵に想定されて、小泉さんの炙るフライパンの上で飛び跳ねているのを、見物するのが面白かったからです。

 いつぞや曽野綾子さんが、教育問題をテーマにしたBSの報道番組で、キャスターから
「イジメはなくせますか?」と聞かれたところが、
「いいえ、なくなりません」。
「なくなりませんか?」
「なくなりません」
「なぜですか?」

「!?…」。
 この時のキャスターの顔が面白かった。
 曽野さんの話はいつもズバリとしていて、しかも補足がない(落語家がオチの説明をしないように)。「なぜ面白いかくらいは、自分で考えなさい」ということでしょうか。

 ここからは想像ですが、曽野さんは人間というか、生き物がそもそも蔵している「暗部(悪魔性)」のようなことを言っているのでしょう。ネコだってネズミを捕まえたら、すぐ殺すようなことはしない。動かなくなるまでいたぶってから殺す(最近はそのまま食べずに、放って行ってしまう)。
 そうした「暗部はヒト=生き物には、初めからインプットされている」、逆にそもそも「暗部を蔵していることこそ、ヒト=生き物の在りよう」そのものかもしれない、ということから「目を逸らしなさんな」ということでしょう。ヒトは安全地帯から他人の不幸を観るのが、面白くてやめられない性根を隠し持っているのです。すべての議論はそこから出発し、そのうえで「どうして行くのか」という筋道をたどらないと、話は建て前論のきれい事ばかりで終始してしまう。
 曽野さんはもちろん「イジメはしょうがない」と言っているわけではない。それはなくならない(ヒトの本質だから)という前提で、そうした「暗部から上がろうとして行く営み」こそ、人の人たる品格を支える根源だろうと言っているのでしょう。

 小泉さんのような劇場型政治手法には、逆にこのヒトの暗部(悪魔性)に擦り寄る気配が、ゾンビが脚に喰らいついて仲間に引き入れようとするかのように、濃厚にあるのです。本人が意識するしないにかかわらず(たぶん夢にも思ってないでしょう)、多くの政治家はここ最近のお笑い芸人と同様、ヒトの品格を貶める仕方でしか、衆目を集めることが出来ないと信じ込んでいるのではないか?自分の品格を刻苦して高める努力より、他人を貶めフライパンで炙る仕組み作りのほうに、自身の「知的資源」を投じたほうが、よほど楽で効率が良いらしいのです。
 民進党の議員諸氏は、今まさしく小池さんの遡上に載せられて飛び跳ねている。私はここから先も民進党を指示しないけれど、そのプライドのかけらもない浅ましい立ち居振る舞いを、面白おかしく書き立てるマスコミ評論家諸氏は、それを煽らずにいられない自身たちの心魂を、「恥ずかしい」とはまったく思わないらしい。

 まあ今さら「森友・加計問題」(これどうやら「森友・前川問題」らしいのですが)をあげつらってもしょうがないのですが、野党議員もマスコミもこれを取り上げるごと、自分たちの品位を貶めているということに、まるっきり気づいていませんでした。仮にも「公選で選ばれた代表者」に対して、それを糾弾する事案が出て来た場合、その取り扱いはよほど慎重であるべきはずなのです(贈収賄とか殺人などは別として)。
 詐欺罪が疑われる人物、あるいは「私怨」をかなり蔵しているらしい人物が出してくる事案を、一方的に流し続ける姿勢には、マスコミや野党政治家としての知性とかプライドなどどこにも見出せません。「公選で選ばれた」ということは、「国民が附託している」ということです。「附託された人物」はたんなる一個人とは違う。何か事があれば、誰よりも先んじて「命を捨ててもらわなければならない」立場にある人です。
 なぜなら「国民から附託された人間」として、「国民に犠牲や忍従を強いる要請」を行う場合もあり得るからです。その信任を担保するのは、結局その「公人」の人格識見に帰するのではないですか。


 これは何も安倍さんのことを擁護するために言っているのではなく、一般論として話しているのです。民主党政権の折り、私は尖閣ビデオ漏洩事件に関して、かなり政権側に擁護的な書き込みをしましたが、後から考えればずいぶん拙劣な政権であったとしても、だから「どんな手法を使ってでも、貶めて良い」ということにはならない。
 どうも日本のマスコミやある種の有権者には、妙な因習として政治家をそこらのオッちゃん(ゾンビ!?)と同等のレベルに押し下げたい、という願望があるのではないか。しかし誰より先んじて「命を捨ててもらわなければならない」人たち、つまり「公人」はそういう扱いにはなじまない、逆に「公人」は市井のオッちゃんであっては困る。絶えず刻苦して「公人」足るべく、品格識見を磨いていくことを要請されるのです。

 さて、そういうふうに考えてくると、小池さんという人物が、どのように見えるかというと、私はやはり小沢さんの顔を思い描いてしまう。一言でいえば、「権力欲に取り憑かれた人物」ということです。「権力欲」というのもまた、人間という生き物が蔵した「暗部(悪魔性)」の一種だと私は思いますが、政治家諸氏は世の東西を問わず、たいてい「それの何が悪い」「権力を志向するのは当然じゃないか」と思っているらしい。
 では「権力欲」はそもそもヒトの属性なのだから、それを志向するのは当りまえ、というのは本当にア・プリオリ(疑いの余地なく、先見的)に正しいと言えるのか?私はそうではないと思う。「権力」というのは取りも直さず「他者」を前提としているでしょう。「他者」に行使されることを以って「権力」と言えるわけでしょう。となれば、それは良き方向にも悪しき方向にも、「等しく作用し得る」ということを意味してはいないか。ことと次第によっては、相手の人生を変え、場合によっては命を奪うこともある、ということに思い至らないのかと思ってしまう。

 これは何も政治家諸氏のことを言っているわけじゃなくて、一般社会に通有する話ではあります。残念ですが、私自身もそういう場面に何度か遭遇しました。

 選挙で選ばれた政治家というのは、その点あるいは個人商店、または一匹狼的な心魂を持つ人が多いのかもしれない。当選したからといって、選んでくれた有権者の運命を握っているなどとは、もちろん考えもしないでしょう。とはいえ、「国会の議決が一億三千万人の運命を変え得る」という想念に到った時、権力行使がもともと蔵する「暗部(悪魔性)」というものを、充分理解していてもらわないと困る。

 それにしても「権力」というのは、ある種の人たちにとって抗いがたい魅力があるものらしい。「権力」を握って何をするかではなく、「権力」奪取そのものが目的化してしまった場合、政見とか理念というのは「権力」奪取のための手段と化してしまう。小沢さんに「あなたの政策はとか、政治理念は」とか聞いても、何だか愚問というか、吹き出してしまうところがあるじゃないですか。民主党時代「国際平和維持部隊に、自衛隊を派遣するのは当たり前じゃないか」と言っていた人が、滋賀県知事の嘉田さんのスカートに隠れたときには「国民の生活が第一」と言って、誰はばかるところがありませんでした。
 小池さんは政治家駆け出しのころ、小沢さんの一挙手一投足をつぶさに見ていたでしょう。同様に小泉政権下、防衛庁長官環境大臣として彼の手法に親しく接したに違いない。近いところでは、橋本さんの手法もかなり見ているはずです。

 何やらかつてのゾンビたちの「闇への誘い方」を、いかにも彼女らしくスマートにやってのけたいと思っているようで、その在りよう自体ずいぶん醜悪な感じがする。しかも現時点(10月4日)で、今だご本人の去就はお茶を濁したまま(どうも出ないほうに傾いているようですが)。出ないなら出ないで、じゃああなたのフライパンで炙られて、外に飛び出した議員たちのことはどう思っているのか。間違いなく「そんなことは知りません。政治家は個人商店、自分で決めたらよろしい」という返答が返ってくるでしょう。
 私の背筋が寒くなるのは、同じ論法をそれを選んだ選挙民にも言い放って、この人、憚るところがないんじゃないか(現に東京都民にそれを仕掛けようとしています)、ということでしょう。理念に「改革保守」という立て看板を掲げているとしても、私はこういう政治的振る舞いをする人物に、「信」を置くことは出来ない。早い話、こういう人に見送られて「戦地に赴くことは出来ない」ということです。見送られるほうこそ、いい面の皮でしょう。何しろ「後のことは知りません」と言いかねないのですから。
 古びたゾンビの風体は、もうハロウィーンの季節だけにしてもらいたい。好きなだけ「緑のかぶり物」して、都内を咆哮すればよろしい。

 と、はなはだ品下がる話をしてしまいました。こういう話は、しだすと切りが無くなるうえに、しゃべればしゃべるほど、余計不愉快になって過激になる。そういう下降していく自分の容態こそ、ゾンビの術中にはまっていると分っているから、やっぱり政治向きの話はいけませんね。あ~あ!





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Last updated  2017.10.04 10:51:10
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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