サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2018.08.13
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カテゴリ: クラシック
イノセンス 5.


 ところで、さきの「Spain~アランフェス協奏曲」のように、声から言葉を省くということは、自身の身体を一種の楽器のように取り扱うという意味で、クラシック歌手の構えに似ていると言えなくもないかもしれません。
 それかあらぬか、ここ最近の彼女はミュージカルにも手を拡げていて、「 ラブ・ネバー・ダイ 」では、驚いたことにリリック・ソプラノの美声を聴かせます。これ確かイタリアオペラのベルカント唱法と言って、広い歌劇場の隅々に低音域から高音域まで、声を滑らかに届けるために用いられた歌い方で、マイクやスピーカーを使う現代のPOPシーンでは、必ずしも必然性があるわけではないのです。
 しかし「オペラ座の怪人」シリーズじたいが、ミュージカルの原点である歌劇に原点回帰したような作品なので、その古典的風合いを尊重したのでしょう。それにしても、彼女のジャズ・スキャットやゴスペルの唱法になじんだ私たちからすれば、まるで別人が歌っているみたいですね。欲を言うなら、これを英語版で歌ってほしい、と思うのは私だけでしょうか?

 それにしても一つのスタイルにこだわらず、自身のパフォーマンスを筒一杯まで広げてみようとする姿勢は、アッパレとしか言いようがない。ふつうプロのシンガーと言えば、自身のスタイルにこだわることが多いでしょう。明晰な個性を発信しないと、なかなか覚えてもらえないからです。逆にスタイルを途中で変更して成功する人なんて、ほとんどいないんじゃないか?
 しかし平原さんの場合は、世間的には今だに「ジュピター」の歌い手として認知されているにしても、本人はそちらだけを深堀りしていくつもりはなくて、むしろスタイルを固定化するのを避けようとしているみたい。あるときはジャズシンガーであり、あるときはオペラ歌手であり、はたまた時には 中島みゆき であるというような。

 まあ、それもこれもご自身の歌唱のキャパに対する自信があってのことで、今の彼女を見ていると自分のキャパの極北を覗いてみたくて歌っている、という感じがしないでもありません。もちろん、それらのすべてがうまく行っているとは、私の知るかぎりお世辞にも言えませんが(とくにクラシックの安直なカバーは、くどいですがクラシックファンの私としてはいただけません。どうせやるならクィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」クラスでやってほしい)、その子供のようにこだわらないイノセンス(無垢)な姿勢は、とても爽快で私は好きです。





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Last updated  2018.08.13 22:24:20
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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