サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2020.04.25
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スタートレック・ヴォイジャー

 ということは、乗員乗客合わせて約三千七百人が、乗組員は別としても、付き合いの薄い村サイズの人数が、未知のウイルスにさらされて、船に乗り合わせているという状況は、ちょっと私には想像しにくい。何もなければ結構で豪奢なクルーズが、いったんことが起きると極めて危険な状況に陥るという、パニック映画の定型のような景況を示しましたね。

 それかあらぬか、武漢の情報が、中国当局によって厳重に封鎖されていることもあって、世界中のメディアが横浜に集まって来ました。欧米人にとっては、自国民が乗っているということもあったでしょうが、こうした絵になる状況というのは、間違いなく「メディア映え」するニュースソースだったはずです。それに加えて船内からは、乗客たちがスマホで動画を発信したりするので、虚実取り混ぜの記事が世界を飛び回ることになりましたね。
 あとから考えれば、このころすでにアメリカでもヨーロッパでも、武漢ウイルスはひそかに拡がっていて、遠からず大爆発という段階に来ていたはずですが、欧米メディアは明らかに、これらをはるか地球の裏側の話として、要は自国の乗客の話も含めて、恰好の見せ物としてこれを扱っていました。

 「遠いアジアの港の汚染された船に、欧米人が放置されている、日本は何をしているんだ」というシナリオは、彼らにとってはある意味、非常に居心地のいいトーンであったのではないか?私は今回のダイヤモンド・プリンセスにかんする、外国一流メディアの一連の報道ぶりを見ていて、彼らも案外いいかげんな憶測記事や煽情ネタを流すんだなと思ったものでした。
 元来、武漢ウイルスの集団感染が船内に発生しているらしいので、乗客を降ろしたいと言って来たのはダイヤモンド・プリンセス側であって、であれば、厚労省は国民防護の立場で、「検疫」を前提に対処することになる。乗客乗員の「医療」を施すのは、身もフタもない言いかたをすれば、日本人乗客は別として、「放っておけない」から、いわば人道的立場で行なっているというスタンスになるのです。げんにこの時の医療負担は、さしあたって日本側、乗客乗員の食費はプリンセス側ということだったらしいですね。これって何だかヘンで、じゃあ船籍を持つイギリスや最大の乗客人数だったアメリカ他は何も負担しなくていいのか?という話になります。後になって、アメリカ大使が日本側に謝意を表したということですが、果たしてそれで済む話なのかどうか。
 いずれにしても、あたかも善意を施すのが当然であるかのように、強要して回る欧米メディアのありようは、はなはだ人の心に水を差すものではありました。ついでに言うと、そうした海外の論調に敏感に反応して政府厚労省批判を繰り返した、日本のオールドメディアに至っては、ほとんど笑止の沙汰でしたね。しかし、そうした日本の論調を見ていて、ひそかに戦略的に世界の目を逸らそうとした国がありました。これは後で触れます。


 それにしても、最近の大型豪華クルーズ船の姿かたち。私はその極限まで利益率を優先した、胴長で膨れ上がった船体を少しも美しいと思いません。今どき数十万トンのタンカーでも、乗員十数名というのがあたりまえの時代、よくもこんな奇怪な形の船を造ったもんだと思ったものです(日本製らしいですね)。


 話は変わります。ダイヤモンド・プリンセス騒ぎですぐ思い浮かぶのは、タイタニックということになりそうですが、まああまりに語りつくされた話なので、私は別の連想をしてしまう。昔、テレビでやっていた「スタートレック・シリーズ」のヴォイジャー号のことなのです。ジェーンウェイ艦長率いる宇宙艦ヴォイジャーが、謎のビームに巻き込まれ銀河系の果てに飛ばされて、果てしない地球への帰還の旅に出るという物語でした。そこに登場する様々なキャラクターが面白く、テレビの連続シリーズということもあってか、人気の出たキャラクターは何度も使うということもあったみたいですね(私的には、後半登場したセブン・オブ・ナインがお気に入りでした)。


 スタートレック・シリーズは、神話的要素とスペースオペラのエンターテインメントで、より万人受けに作られたスターウォーズ・シリーズに比べ、多少地味ですが本格SFの風合いを色濃く出して、今だに根強いファンがいますね。初期はカーク船長とミスター・スポックという、魅力的なキャラクターで引っ張っていましたが、特にピカード艦長率いる新スタートレック以後のシリーズは、素粒子理論やパラレル宇宙、あるいはタイムトラベルなど、最新物理学理論のテイストがふんだんに取り込まれていて、かなりのハードSFファンにも納得のいくものではなかったか?
 ヴォイジャー・シリーズは、その傾向がもっとも洗練された時期ということが出来、そのころすでに、いい大人だった私でも、毎回ビデオに録画して楽しみにしていました。逆に言うと、スターウォーズ・シリーズは初回の三編だけ見て、それ以後のは気恥ずかしくて見てません。

 先ほど触れた最大の強敵ボーグは、まったく人智を介さず容赦なく人間界に侵入し、それを同化して巨大な知性集合体に組み込むという、ある意味自動機械に近い振舞いかたをする厄介な敵なのですが、最後はジェーンウェイ艦長の献身と、その圧倒的な自動機械の力をテコに、ヴォイジャーは一気に地球に帰還するという離れ業をやってのけます。
 さて目下の武漢ウイルスという、はなはだ厄介で奇妙な振舞いかたする病原体に対して、私たちはヴォイジャーのような逆転のシナリオを描けるのかどうか?





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Last updated  2020.04.25 21:46:28
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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