ちょっと休憩

ちょっと休憩

2009年12月06日
XML
カテゴリ: 本
「先月読んだ本」の続きです。


最終目的地

■「最終目的地」 (新潮クレスト・ブックス)

ウルグアイの片田舎に住む、自殺した作家の妻と愛人とその娘、作家の兄(ゲイ)とその恋人。
世界の果てのような土地で、時間を止めたかのように緩慢に生きている彼らの人生が、作家の伝記を手がけたいと希望する青年の訪問をきっかけに動き出します。

現代小説なのに、裏表紙に評されているように英国古典小説的味わいです。
その上、明確にイメージしにくい南米の土地に多国籍な登場人物たち、という組み合わせには、現実離れした浮遊感も覚えます。
さらに、登場人物の内面描写を抑えて会話によってうまくストーリーを運ぶ手法も、滑らかで軽やかです。

波乱に満ちたストーリーというのとは対極的な「さざなみ」程度の物語。
(登場人物には、「大きなさざなみ」でしたが)

その感情のゆれを実感できるだけで、楽しいと思えます。

するするとあっという間に最終ページ。
心地よい読書体験でした。

読了日:11月25日 著者:ピーター キャメロン




わが子に教える作文教室

■「わが子に教える作文教室」 (講談社現代新書)

清水先生っ、この本の通りに実行したら、うちの子の作文能力もなんとかなりますでしょうかっっ(必死)

読了日:11月26日 著者:清水 義範




みなさん、さようなら

■「みなさん、さようなら」

団地の敷地から一歩もでることなく、成長する少年。
団地という、まるで小宇宙のような、または母親の胎内のような、繭の中のような、そんな閉じられた空間が舞台というのが新鮮でした。
団地の興隆と衰退という時代の移り変わりと共に、主人公の世界の移り変わりが描かれるのだけど、普通ならありえない設定での「しばり」の中で、ちゃんと小説的リアリティが成り立つもんだなあと感心しました。






ラン

■「ラン」

ファンタジー小説とスポーツ青春小説との融合。
主人公がマラソンを始める理由は、たぶん古今東西あらゆる小説の中で唯一じゃないかと思われます。
きっかけはなんであれ、走り始めて、走り続けると(または何かを始めて、それを続けていくことで)、停滞してたものが変わっていくのかもしれない、ということに希望が持てます。
人は知らず知らずに自分の不幸に依存してしまうのかもしれない。


読了日:11月27日 著者:森 絵都






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009年12月06日 23時42分42秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: