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苫治安

苫治安

2003.01.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
■演目:桜の園

■演出:蜷川幸雄
■出演:麻実れい、香川照之、牧瀬里穂、京野ことみ、毬谷友子、森塚敏、菅野菜保之、他
■日時:2003年1月11日(土)19:00~
■会場:シアターコクーン(渋谷)

【内容】
 夫と幼い息子を亡くしたラネーフスカヤ(奥様)は、辛い思い出から逃げるためパリで男と暮らしていたが身も心も空っぽにされ、娘アーニャに伴われて故郷の「桜の園」に帰ってくる。兄ガーエフ、養女ワーリャ、息子の家庭教師だったペーチャらが昔と同じに温かく迎える。
 何一つ変わっていないかに見えた故郷だが、浪費家の兄妹の莫大な借金のかたとして、屋敷も「桜の園」も数ヶ月後には競売にかけられる運命だった。元農奴の息子で成功を収めた商人ロパーヒンは「桜の園」を別荘地にして借金を返済することを熱心に薦めるが、兄妹は笑って取り合わない。行く末を案じながらも、二人の無節操な生活態度は変わらなかった。

 一同は屋敷を出ていくことになる。アーニャは新しい生活に胸をふくらませ、ラネーフスカヤ奥様はパリの男の元へ戻ることに。皆が去ったあと、桜の木が切り倒される音が響く中、運悪く置き去りにされた老執事フィールスは、がらんどうの屋敷の中で横たわる……

滅びゆく貴族を描き出したチェーホフ最後の戯曲。
人間的に魅力的ではあるが、貴族の中の貴族=無産者であるラネーフスカヤやガーエフは、まさにその時代において「滅ぶべき者(貴族)」。
一見、プロレタリアートたちの代表に見える元・家庭教師のペーチャは、インテリゲンチャが何もしないと非難しながら自分も何もしていない(まだ大学生)ので、結局何も代弁していない。
近代的人間の代表者ロパーヒンは、今までの神(奥様)を救いたいと思いながら、最後はそれを追放してしまう、近代的な自己矛盾を抱えている。

何しろ「滅ぶ」んである。貴族が。
主婦として一家を切り回すワーリャがいくらけじめをつけようと頑張っても、もはやこの家における上下の秩序は崩れる一方。まともな給仕をしてくれるのは、老いさらばえた執事のフィールスだけ。つまり旧時代の秩序を保てるのは、今にも死にそうな老執事だけ。あとはみな、秩序を保つ力がないのである(ましてや回復させる力など論外)。

ニナガワの演出は非常にわかりやすかった。
こんなことを言うと怒られるかな?
でも、かび臭さのない演出なので、古典というと敬遠しがちな人たちでも、苦痛なく見られると思う。





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Last updated  2003.01.14 14:30:34


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