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苫治安

苫治安

2005.01.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
監督:ティム・バートン

出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・デヴィート、アリソン・ローマン

 ある父親が息子に語って聞かせる人生の回想。なんでもできる小さな町の英雄だった彼は、ジャイアントと一緒に故郷を出て、サーカスで働きながら、障害を越えて恋する女性と結ばれる。戦争へ行った先で出遭ったシャム双生児と一緒に敵地を脱出し、破産した町を買い上げて元通りにする……。奇想天外な物語に、息子は父親の言葉が信じられない。死期の迫った彼に「本当の話を教えてくれ。父さんが見えない」と頼むが……。

バートンらしいおとぎ話だ。
「えー、そんなのありー?」と思いつつ、にこにこユアン・マクレガー(=若き日のお父ちゃん)につられてぐいぐい話に引き込まれる。次はナニが出て来るんだろうと話の続きを期待してしまう。
まぁ確かにこんな奇天烈な話を年がら年中聞かされて育ったら、思春期辺りから逆に辟易するようになるかもな。
とは思うものの、何かがあって息子の不満よりお父ちゃんの話に軍配をあげてしまうのだ。
それが何故なのかは結局よくわからなかったのだが……。


アーサー・ミラーの「セールスマンの死」だ。
お父ちゃんの職業がセールスマンでほとんど旅行しながら営業していたという経歴や、息子とのギクシャクした関係が、なんとなく似ている。
ただし、全くの裏返し。
お父ちゃんは息子に何かを残して死んでいくし(セールスマンの死では保険金を残すために死ぬが、ある意味でそれは何も残さない)、語られる回想は異様に鮮やかで現在に劣らぬ存在感を持つ(セールスマンの死では回想は「古き良き時代」であり「懐古」でしかない)。
息子はこんな楽しい父ちゃんを持ちながら、留守がちだったのは他の場所に他の女と家庭があったからじゃないかと疑い(セールスマンの死では若き日の息子は父親の素晴らしさを疑いもしない)、父ちゃんの大きさを受け入れられない自分を歯がゆく思う(セールスマンの死では息子は自分の小ささを受け入れようとしない父親に反発する)。

まぁそんなごたくはどうでもいいんです(書いてみたけど)。
面白い。とにかく。
何か見えない糸でつながれている感じや、メタファーてんこもりなのに押し付けがましくないところや、そのへんが監督のうまさなんだと思うけど。

お父ちゃんが「昔から、すぐに体が乾いて水がほしくなる」ようなことを途中で言う。
これが最後に「ああ、●だったからなのか」とわかってうれしかった。
なんというか、謎を解けた嬉しさではなくて、ちゃんと答えが用意されていたことの喜びを感じるのだ。


それで何かが満たされる。
ナニが満たされたのか全然わからないのだが、とにかく感動する。
なぜ?
どこに感動しているのかわからないのに涙が止まらない感じ。
どこを面白いと思ったんだろう?

ただ、見てよかったと思う。
非常にオススメの一作。

追記:私はヘレナ・ボナム・カーターが好き。





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Last updated  2005.02.04 12:51:49


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