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苫治安

苫治安

2005.12.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
書名:アメリカの鱒釣り

出版社:新潮社(新潮文庫)
発行年月:2005年08月
ISBN:4102147020
本体価格:514円(税込539円)

なんじゃこりゃ。

あらすじ?つーか一般的レビュー?:
二つの墓地のあいだを、墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた――。涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた“アメリカの鱒釣り”の姿を探す47の物語。大仰さを一切遠ざけた軽やかなことばで、まったく新しいアメリカ文学を打ちたてたブローティガンの最高傑作。

↑最後の一文はまったくそのとおりだけど、他はどうだろう……。疑問だ。


二週間以上前から読み出したのに、読了が12月2日。
そんなボリュームじゃないんだけど、主に睡魔に負けたのと、「続きを読まなきゃ!」ってならないのが原因で、ちま、ちま、ちま、と読んでいたら長くなってしまった。

とにかく読んだぜ。
なんじゃこりゃ、なんじゃこりゃと思いつづけながら。
解説を読んで思ったが、これは幻想文学のカテゴリに配置されるべきなのかもしれない。
それまでの幻想文学の系譜とは全く違うけど。
でもラテンアメリカの作家達だって幻想文学ジャンルによく投げ込まれているではないか。それ以前の幻想文学とはかなり異なるにもかかわらず。
そういうわけで私はとりあえずこの作品を幻想文学に区分けしてしまうことにした。ひと安心(何が)。

47本の短篇から成る一冊で、だいたいに「アメリカの鱒釣り」が登場する(しないのもあったと思う)。
が、そのアメリカの鱒釣りは雑誌だったりバレエの演目だったり人物だったり違う人物だったり小川だったり道だったりただの存在だったり、もぉわけわからん。
あまりのわけわからなさに全部架空じゃないかと思ったりするが、そういうのに限って現実に存在しているものだったりする(訳注を読むとわかる)。

文体も意味の無さもいわゆるそれらとはあまりに違うのでわかりにくいが。

読んでいて、なぜかアンディ・ウォーホルを思い出していた。
作品を見たひとを笑わせておいて(スープ缶の絵なんか陳列されたら笑うしかあるまい)、「これが現実で、お前らだってその現実にしか生きてないじゃないか」とナイフを突きつけるようなウォーホルを(私にとってはそういうアーティスト)。
ブローティガンのほうがやさしいが、そういった、反転して現実を突きつける感じがなんとなく共通しているような……気が……ちょっとする……かも。

翻訳がうまい。

叫びも慟哭もない、苦悩すらないような、一種価値観喪失後のような世界を青天のもとに書ききった感じだった。

▼この本はこちら(読むのに労力要らず。ハードな手応え欲しいひとには不向きかも)
アメリカの鱒釣り





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Last updated  2005.12.08 12:47:31


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