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苫治安

苫治安

2006.01.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
書名:博士の愛した数式

出版社:新潮社(新潮文庫)
発行年月:2005年12月
ISBN:4101215235
本体価格:438円(税込459円)

感想の前に。
この本も、楽天ブックスのレビューはサイテーである。紹介しよう。
世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した―記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー著者最高傑作。

「示した」の後ろに格好つけてダッシュ(―)を入れたために、かえっておかしく見える。こういう約物は(こういう畑の人間なら)慎重に扱うべきなのに。「、と私、」とはなんじゃ。読点の扱い方も知らんのか全く……(ブツブツ)。


以下はAmazonに掲載の出版社によるレビュー(まっとうだ…)。上記はこれを要約したんだろうけど……下手くそにすぎるぜ……。
あらすじ:
記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。頻出する高度な数学的事実の引用が、情緒あふれる物語のトーンを静かに引き締め整える。著者最高傑作の呼び声高い1冊。

ああ、あまりにおバカなレビューを(『罪と罰』に引続き)連続して見せられたため、ついわき道に逸れてしまったわ……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

非常に面白くて、一気に読み上げた。
「どうなるんだろう、どうなるんだろう」と、読み始めるとなかなか止まらない。
展開がわかっているようでわからないからだ。
どんでん返しで予測を裏切られるようなことはないものの、各所の展開はなぜやら新鮮味にあふれている。
それがとても魅力的。
この新鮮さにはもちろん数学の、ふだんは語られないようなことが折に触れ美しく語られること(博士の口を通じて)が一役買っている。
そうして出現するさまざまな「数のはなし」がまた、いろんな仕掛けに満ちていてすごい。文句なく面白い。
(江夏の背番号とか…!!)


ラブストーリーなんかでは決してないけれど、
人間が人間を知るということは、世界を知るということは、こういうことなんだと思わせてくれる。

この小説には名前が全く出てこない。
「私(家政婦)」の息子も、「√(ルート)」と呼ばれるだけで本名は出てこない。
背景は語られても個人を特定する名前が存在しないのだ。

これもまた、物語の詩情に貢献しているのだろう。

なんか全然紹介になってないけど、とりあえず読んで見るのをオススメ。
分量も少ないし、文章も読みやすい。
詩情のある小説だ。

▼この本はこちら。3~4時間?
博士の愛した数式

追記:映画化される価値のある作品だが、映画製作のスタッフが自分の好みで余計なものを付けて、詩情を損ねはしないかとそれだけが心配。ちゃんと捨象できただろうか?





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Last updated  2006.01.17 13:25:14


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