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苫治安

苫治安

2006.09.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
書名:存在の耐えられない軽さ

出版社:集英社(集英社文庫)
発行年月:1998年11月
ISBN:4087603512
本体価格:819円(税込 859円)

読了は9月28日だが、こちらで。

あらすじA ほんとうに重さは恐ろしく、軽さはすばらしいことなのか?男と女の、かぎりない転落と、飛翔。愛のめまい、エロティシズム…。冷戦下の中央ヨーロッパの悲劇的政治状況の下で、存在の耐えられない軽さを、かつてない美しさで描く、クンデラの哲学的恋愛小説。

あらすじB 本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻き込んだ、衝撃的傑作。「プラハの春」とその凋落の時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。たった一回限りの人生の、かぎりない軽さは、本当に耐えがたいのだろうか?甘美にして哀切。究極の恋愛小説。


9月17日から読み始め、電車の中でちまちまちまちま読み進めて、やっと。

愛の話。
バックがプラハの春直後のプラハ(&ジュネーブ)なので社会派かと惑わされるが(だいたいクンデラ自身がプラハの春のリーダーの一人だし)、それはまぁ背景であって、愛の話。

上記のあらすじ書いたひとって偉い(どっちも)。
難しい本なのだ。
愛の話だが、半分くらい哲学で(笑)。
しょっぱながニーチェの「永劫回帰」だもんなぁ。
何度も何度も永劫に繰り返されるものがあるなら、それは確かに重く、意味がある。
ロベスピエールがフランス人を断頭台に送り込むために何度も何度も立ち現れるなら、それは確かに重く何かしら意味のあることであると感じられるように。
だが人間の生はたった一回きり、人間の歴史はリハーサル無しの本番一回きり、戻ることは二度とできずやり直しは効かず、したがって進路が改められることもない。
「一しかないとは無いに等しい」と著者は言う。


まぁその耐えがたく軽い、限りなく無に等しい人間の、男と女が自分の求める愛を追うわけだが。
(わざと俗っぽい視点から、女好きのトマーシュに悩まされるテレザの話と読めなくもない(笑))
それがすんごく長くて難しい。
妄想もときどき絡められて(テレザオンリーだけど)、わけのわからない情景も。
哲学もボコボコ挟まれるし(苦笑)。

なんかね。
エロティシズム、と、言われて納得。ただ難しい…。

辛かった。
だが最後の最後、本当に最終の2ページですべて報われた。

野兎になるってことは何を意味しているのであろうか? それはあらゆる力を失うことを意味する。それは誰もが誰に対しても力を持たないことを意味する。

これだけじゃわからないだろう(わからないと思うから平気で載せてるんだけど)。
最後まで読んでもらえればきっとわかる。
最後にテレザが心から言う言葉、そしてトマーシュが彼女に与える言葉がすべてである。
涙が出るほどやさしく美しい。

それにしても、こんなおっそろしい小説をよく映画化したな(笑)。
映画はむしろ「私には人生は重いのにあなたにはなぜそんな軽いのか、その軽さが耐えられない」というテレザの視点をメインに据え、軽かった存在が重さを獲得していくという別世界のように感ずるが(少なくとも私には別モノに思える、原作は軽い存在ですら成就しうる何かを描いていると思うから……でも考え違いをしてるかも)、あちらはあちらで美しく、そして愛の成就を描いている点では共通する。
逆にあれだけ出来がよかったから、今回原作を手にとったわけで、映画はだれにでもオススメできるな。
小説は……忍耐力のある方にオススメ?(笑)

▼この本はこちら。何時間かかったかもはや全然わからん。
存在の耐えられない軽さ

▼ついでに映画のDVDも載せとく。カウフマン監督の非常に質の高い作品。
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Last updated  2006.10.13 12:40:17


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