深秘の華苑

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黒左右衛門

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2002.08.15
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 火曜日/水曜日と実家に帰っていて、実験が在るから水曜の晩に戻ってきました。その予定を知っているマコトから連絡があって、水曜日の晩に逢う事になったんだけど。

 うちに来るなり奴は玄関先でちょいいちゃついた後、外に行く事を強制してきた。ちょっと待ってよ、あたしキャミドレス(ブラ無)なんだけど。厭がるあたしの手を強引に引っぱって、マンションのエレベーターに乗り込む。その中でもいちゃつく。止めてよ、あんたココに住んでないからいいかもしれないけどさ。あたしの言葉を無視するマコト。
 エレベーターが最上階に着く。そのまま手を引かれ非常階段に連れ込まれる。階段にあたしを座らせ、背後から前戯を始める。触られるし何だしで躰は阿呆な事に反応しちゃっているんだけど、心が。ふつふつと沸き上がる心の中の何かは、何故かマコトの「フェラしてよ」で沸点に達してしまった。怒る、というよりキレたに近いかもしれない。
「もう厭。いい加減にして」
 あたしは立ち上がってそのまま階段を下に駆け下りていった。あたしの部屋は一階だ。途中で一度マコトに捕まる。奴は阿呆だから、何であたしが拒否したのかが解らない。何で? を繰り返す。厭って云っているやん、と答えてマコトの手を振り切って階段を降りる。一階に到着する。後は突き当たりのあたしの部屋までのダッシュ。締め出してやるつもりがギリで追いつかれて部屋に入られた。さすが元体育会系(笑)。
 玄関で抱き締められる。凄く厭だった。帰ってや、もう厭、を繰り返した。それでもマコトは帰らない。
「何で? 去年だってやったやん」
 去年も厭がったと思うけど? あの時はマコトに勝てなかった。だけど今回は拒否する事でマコトと終わろうが何だろうが、もうどうでも良かった。あたしだって青姦自体が厭な訳ではない(むしろ好きだ;爆)。ただ、ここはあたしのテリトリーであって。もし誰かに見られた場合の事とかを考えたら凄く凄く厭だった。通常の生活スペースが近いと、性的快感とか何とかよりも、あたしは体面を重視しちゃう。世間体を気にする女だから。
「さっきも云ったやん。マンションでするのは厭だって。あたしはココに住んでいるんだから」

「解った、ごめん」
 それを繰り返す。なんか凄く薄っぺらくて意味の込められていないような言葉。取り敢えず謝ってみた、みたいな。それも凄く厭で、あたしは「もういいから帰ってや」「怒る前に呆れるわ」を繰り返した。その後も何度もマコトはペラペラ(に、少なくともこの時のあたしは思えた)なごめんを繰り返し、あたしを抱いて、結局丸め込まれたみたいな感じになった。

 セックスの後、何となくスポーツニュースを一緒に観る。それが終わった後、マコトは帰っていった。帰りしなに「ごめん」を繰り返して。あたしは「もう怒ってへんから」と告げて「気を付けて帰りや」と彼を追い出した。
 本当に、昨日の晩はマコトと終わろうが何だろうが構わなかった。あの男にとってあたしは都合のいい女なんだという事は解っていたんだけど。都合のいい時に、奴の欲望を大概満たしてくれる玩具な女。だってあたしは今まで大概の事は受け容れてきたから。でも昨日は駄目だった。許せなかった。だから要らないと思えた。
 奴が家に着いた頃、奴から「本当にごめん。嫌わないで」的な内容のメェルが入った。嫌う、という感情に至る為には「好き」かその辺の段階に感情がないと嫌えないと思うのだけど。という事は奴はあたしがマコトをそこら辺の位置に置いていると思っているのだろうか? そしてマコトはあたしをその辺に置いているから嫌われたく無いのだろうか? 違うだろう。都合のいい女を失いたくないからだけだ。ふん。

 いつもは従順なのに反逆したり、譬え上っ面だけだとしても、奴に謝らせた事に関してはちょっと「むふ」と思わないでもないけど、それよりも悲しい成分の方がちょっと時間の経った今は大きくなってしまった。

 こういう面倒臭い感情を抱えなきゃいけないのなら、もう要らない。





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Last updated  2002.08.15 12:52:08
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