深秘の華苑

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黒左右衛門

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2002.10.18
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 暫く振りに、マコトと逢った。
 逢わなかったのは別に喧嘩したとか、そういう訳では無く、只予定が合わなかったのね多分あたしの方が一方的に。
 向こうも何に忙しいのか知らないけど兎に角仕事が忙しくて帰りが遅いと云うし、あたしも普通に遅いから。でも水曜日位から連日断るのが耐えられなくなって、結局金曜日の晩に逢う事になった。
 しかし、此の日に限って自分の実験をきちきちに詰めていた上に後輩の指導が重なって、それでも無理矢理切り上げて23時位にうちに来る様に伝えた。結局実験よりもマコトを優遇したあたしは悪い奴だよなあと自分でも思う。

 奴は、「酔っぱらった方が色っぽい」と云うだけの理由で家呑みを開始した。いちゃついて、キスをして。何でも彼は最近二十歳の子とヤったそうな。どうだった? と訊いたら「痛がってばかりで余り良くなかった」と憮然としたまま答えた。つまらなかったんだろうなと思うけど、そんなのは女の子に対して失礼だよな。「いいやん。これから教育していけば」みたいな事を云ったら何かしらごにょごにょと呟いていた。多分やっぱりつまらないからいいとか、そのような内容だったと思う。失礼な奴だな。
 そのまま暫くいちゃついて、それから奴はお風呂に入った。爪切りを持って。

 お風呂から出て来た奴は全裸のままベッドの手前で仁王立ちした。ひとつ溜息を吐いて、あたしは其れを銜えた。服を脱がされる。触られる。思わず喘ぎ声を漏らしてしまった。濡れているのは可成り前の段階で奴にばれているだろう。悔しい。
 此の日、奴は肩等をトントン叩いてくれる、電動のマッサージ機を持ち込んでいて、それを徐に取り出してコンセントを挿す。何するんだろうと思ったら微妙な場所にそれを当て始めた。笑う所だろと思う。どうせなら普通に肩を叩いてもらいたい。あたしの反応が今いちだったので、そのマッサージ機は早々に御役御免となった。


 その場で立バック。結局最初の方は声を上げるのを我慢していたけど、途中から我慢なんかできなくなってしまった。そして何度も呪文のように「俺、一番でしょ?」「凄くイイよ」「やっぱり苦労ザエモン。だよ」と囁く。おかしくなる。こヤンキーの事は何処か気になるけど其れ所じゃなくなる。

 最後はベッドに戻り、騎乗位になるように命じられた。「お願いがある」奴は云う。「イキそうになったら、俺の飲んで。で、暫く嘗めて」云われるまま実行した。

 暫く伸びていたが、漸く正気に戻ったあたしはまだもよよんとしている奴を置いて先にお風呂に入った。床掃除もした(鬱)。

「明日早いから(独りで寝させてね)」と理由をつけて奴を家に帰した。翌日は朝いちから実験なのは本当だし、うちのベッドはシングルなので、正直二人で寝ると窮屈だ。ついでにマコトは寝相が悪い。でも本当は余り長時間一緒には居たくなかったのね。何となく。多分、あたしが実験や研究と同じように、マコトとの事にも「終わり」を予定しているからだと思う。余り一緒に居て、何かしらの思い出が増えるのがとてつも無く厭だったのね。
 帰りしな、件のマッサージ機を置いていきそうになったマコトに「忘れてるやん」と云うと、「職場から持って来たのだけど要らないし、あげようかなと思って」と云った。職場から持って来たのならあかんやろと思う。でも、下着越しとは云え、自分のトコに当てた奴を再利用されるのも厭だな。オノレで処分してくれや。マコトは「ねぇ、これイマイチだった?」と訊いてきた。マコトがお風呂に行っている間、こっそりそいつで肩をマッサージしてみたけど今いちだった。使えないなあ両方の意味で。そう伝えると「矢っ張り俺の指が一番か。そうかよしよし」と満足げに頷いていた。凄いお莫迦ちゃんだなと改めて思った。

 結局、思い出は増えたのね。矢っ張りあたしは一生マコトの事は忘れないのだろうなと思うと悲しくなった。





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Last updated  2002.10.19 16:23:38
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