深秘の華苑

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黒左右衛門

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2002.12.11
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 あたしと彼氏さんと、じんじん(♂)との出会いの場は野球場だった。

 大層な野球場では無くて大学の球場ね。大学一回生の頃に体育の授業で選択したソフトボールが偶々一緒だったから知り合った。同じ学部の人だとしか最初は知らなかったけど、兎に角じんじんとの出会いにはインパクトがあった。

 じんじんはすらりと背が高くて顔もなんか物凄く格好良くて縁なし眼鏡が良く似合っていて素敵だった。そんな彼はバッターボックスに立ってキャッチャーの子と放射性同位体の半減期の理論的な話をし乍ら金属バットをぶんぶん回していた。テニスでもしそうな白ジャージに紫のシャツ。そして格好良い男が難しい話をしつつ振り回す金属バット。ほら凄い出会いやん(つうかおかしいやろ?) それから何となくじんじんと、そのグループと仲良くなってきて其処に彼氏さんが居た訳だ。

 二回生になって同じ専攻になって、彼が物凄く頭の宜しくて切れる方だと知った。序でに彼のお父様も賢い。賢いのは遺伝するんやな。そして性格が破綻していて、秀才さんなのにアウトローな事も知った。何がどう破綻しているのかはとても表現できないけど、例えば当時話題だったサリンの合成方法をさらさら解説してくれている傍ら其れの効果的な(且つ色々な意味で保身ができる)利用法及び儲け方法を半ば本気で考えているような。そのおかしさ加減が大好きだった。でも気付いたらあたしは今の彼氏さんと付き合っていた。多分じんじんは友達として好きなのであって恋愛対象では無かったようだ。あたしが彼氏さんと付き合いだしても良く3人で遊びに行った。ゼロヨンしに行ったりとか峠越えしたりとか(爆。

 時が流れて大学院に進学する時、優秀な彼はあっさり他の賢い大学院に合格して、修士1年の夏には既に教授と喧嘩していた。曰く「やっぱ頭のええ大学の人らはアウトローな俺を受け入れてくれない」だそうな。でも貴方、学部生の頃かて変人もといアウトローな人等で徒党を組んでいたけど、同じ専攻内では浮いていたやろとは敢えて云わなかったけど。でも結局じんじんはそのまま喧嘩したラボに留まり博士課程に進学した。じんじんもガクジュツシンコウカイの特別研究員に当たっているのだけど、其れは同期の中で一番出来の宜しかった彼的には物凄く当たり前で、だからこそ其れにあたしも当たってしまった事は奇跡と阿呆な大学院にも偶には当ててやらなあかんやろと思っているであろう文部科学省の意向と、そして面接の時にミニスカートでプレゼンをしたからだと今でも思っているのだけど。兎に角彼は絵に描いたようなエリートコースを邁進していった。

 けれどじんじんは元々変人さんなので何を考えておられるのか、凡人のあたしには余り良く解らない。今日、久々に電話が有ってお互いの近況を報告したりしたのだけど、矢張りじんじんは博士号取得後ポスドクに成ったりはしないそうだ。既にとある全く系統の違う資格を取得しており、全く違う系統の職に就職を決めていた。しかも其の職も何時まで続けるかは解らない、飽きたらまた考えると宣った。そんな根無し草な生活では彼女さんも大変やろと云うと、「其れでも付いていくって(彼女さんが)云ったから」とあっさり惚気られた。ええ男の彼女は矢張りかわいらしい、若干天然の入ったええ人だった。いいね幸せそうで。

 中々凡人には掴みきれない御方だけど、あたしはじんじんがとても好き。因みにじんじんもあたしの事が好きだそうだ。「だってあんたって見た目と違ってアウトローじゃん。女臭く無いし」が其の理由だそうだ。此は喜んで良いのか悪いのかは良く解らないけど好かれる事は良い事だと云う事で。 

 将来、じんじんは彼氏さんと一緒におかしな研究所を作るそうだ。 世界征服の為の。 (じんじんは此の手の事を本気で云っているのか冗談なのか解らないような人で、其れでもってやりかねない人なのね)あたしは其の時にはお茶汲みとコピー取り係で就職させて貰う事になっている。楽しみだ(爆






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Last updated  2002.12.11 21:02:50
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