深秘の華苑

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黒左右衛門

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2005.06.26
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あたしは、結局不倫相手が迚も迚も好きなので、そして自分が迚も可愛いのでこう云う結論に至ったのだと思えた。

此所最近は彼との関係を何時清算するか?を常に考えていたような気がする。
なので距離を置いてみたり(可成り一方的だった模様だが)彼に仄めかし(違)してみたり。
でも何をしても彼は感じる所が無いか、仮にあったとしてもあたしには其れを伝わらせては居なかった。
そんな日曜日。

彼と既に恒例となっているメェル投げ合い大会の最中に届いた、一つの写メェルがあたしを奈落に突き落とした。
其の写真はキティちゃんゲットだぜ!な内容で、其れ迄のメェルから察するに家族でショッピングセンターに赴いた際、何かの籤引きでゲットしたキティちゃんの風船(結構巨大だった)を写したものだった。
いやキティちゃんはイイのだが。
キティちゃんの隣に彼のお子さんが映っていて。可愛い時期なのもあり本当に可愛くて。



あたしは彼が好き。彼もあたしを気に入ってくれているらしい。
でも、あたしは彼の子供から「お父さん」を拝借しているのだ。
あたしは立派なアバズレ(笑)なのだが、本当に良い両親が構築した幸せな家庭で育てて貰ったと思い込んでいるので、自分が赤ちゃんの頃に写された写真に幸せそうな両親が写っているものを見ると正直救われる(何)気がしてならない。でも、此の幸せな写真を写した当時、仮に両親のどちらかが余所で男or女を抱いていた、とか今聞いたらあたしは取り敢えず酷くショックを受けるだろう。其の当時の事情を受け入れられるかどうかは別問題として、ファーストインパクトは「悲しい」だろう。
だから常に思う。
お子さんに物心が付いた頃、裏切りがばれたらどうするの?とか。

そして。
彼の奥様は、あたしと歳が近い。
あたしは、確かに社会的な面から観たら、少なくともがっかりされるような立場では無い、と思う。
名前を出しても別段恥ずかしくない大学に入学後、博士号取得迄何の障害にも遭遇せずストレートで通過して、現在も一応名前を出しても恥ずかしくは無い会社に就職し其処でも会社の上層部には気に入られている模様で。
でも、プライベェトはぼろぼろ。
多分世間では未だ「新婚」な時期なのに既に旦那と結婚生活に絶望の挙げ句逃亡して、そして元上司との不倫を継続している。


長年付き合った男と結婚して専業主婦になり子宝迄授かって。
其れが彼女の望みだったのかどうかは知る由もないけど、少なくともあたしが曾て願った自分の将来そのままの道を辿っている。
本当に羨ましいと思う。厭味とかでは決して無く、本心で思う。
自分とそんなに変わらない歳であたしの欲しいものを得ている彼女に比べて、自分は何故色々な物を浪費しているのだろうと真剣に思えた。
彼とは性交渉がある訳だが、一つのけじめとして避妊には注意を払っている。しかし、注意を払いつつ他の男との接触が閉ざされている現状では、あたしは彼の子供を孕む事は無いし、彼を忘れさせてくれるような新しい人との出会いも無い。只、彼との制約された時間内での逢瀬の為に日々生きている。


あたしが、今後彼の家族を脅かしかねない存在で在り続けて良い筈が無い。彼は「お父さん」なのだし。
今迄だって考えなかった訳ではない。寧ろ常に考えていた。
悪い事をしていて止められない馬鹿な自分を認識した上で彼の奥さんとお子さんに非常に悪い事をしていると思う。関係がばれた時はばれたなりに、ばれていない(多分)今は今で更に悪い事をしている。
そして、何故あたしは不毛だと解っていて今の関係を継続しているのか。別に此の不毛な関係は直ぐにでも改善できるのだ。あたしはあたしの人生を、あたし自身の力でもう少し良くする必要があるのではないだろうか。
そう思えた時。

そ う だ。終 わ り に し よ う 。

と、いつかのJRのCMのような言葉が浮かんだ。
しかし、いざ決心をすると次はどのように「終わり」を告げようかで迷う。
本当は面と向かって伝えるのが良いと思う。でも、彼と会う事が出来るであろう月曜以降では多分決心が揺らいでしまう。思い立ったら吉日なので今日中に告げたい。しかし電話も無理。となったら矢張りメェルしかない。
寧ろメェルの方が良いかもしれない。云いたい言葉を事前に推敲できるから。
最初に送ろうかと思った文章には、彼がお子さんの写真を送って来た事に対して「其のデリカシーの無さにがっかり」的な文面を含んでしまい、多分にも其れはあたしが捻くれた受け取り方をした為に出てくる感想であり、多分此れでは彼には妙な感じにしか伝わらないだろうと思って修正した。以後修正を繰り返し最終的に自分に納得する文章を作って彼へ投げ付けた時は、既に彼からのメェル到着後一時間が経過していた。

一応、あたしの中では戀の終わりなのだが、不思議と泣けなかった。
あんなに好きだと思えた相手なのに、別れを切り出し、喪失感の余り心は虚になっていても泣けやしない。
矢張りあたしは欠けている女なのだろう。そう納得してうだうだと余暇を楽しみ、日が暮れてからショッピングセンターに行って服を購入した。
此れから小さくリニューアルや!と思いつつ色々物色していたら、何故か突然彼があたしの誕生日にしてくれようとしていた事を思い出した。
叶えて欲しかったな。
小さく思ったら、突然泣きたくなったが一応公衆の面前なので辛うじて思い留まる。
久々に、男と別れて泣きそうになった。


彼からの返事は、此の時点ではまだ得られていなかった。









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Last updated  2005.06.27 23:15:31
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