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といいつつそのわりにはDVDで、以前観たことがある。
この人の本を読むと
書いてあることに感覚的に共感することが多い。
この人の書く言葉はとても魅力的だと思う。
でも、映画にすると、なかなかしっくりこない。
たとえば
「恋はするものではなく落ちるものだ」。
本で読んだ時はすんなり入ってきたのだけど
映画の流れの中でモノローグとして語られたその言葉は
えもいわれぬ違和感があった。なんか、語られるにふさわしい場面じゃなかった。
たぶんこういうのは個人差のある感想なので
私には合わなかったということだけれども
私だったらあの原作をどういう風に組み立てて映像にするか
そしてどの部分でその言葉を入れたら違和感がないか、考えてしまった。
うーん、むつかしい。
いくつか映画化されている江國さんの作品の中では
いちばん好感が持てるのは「落下する夕方」だと思う。
「冷静と情熱のあいだ」は悪くなかったけど
主人公の女の子の寄って立つ母国語が日本語であることが
隠れた重要要素だと思うのに
そこがキャストに反映されていないのが不満だった。
今度は「間宮兄弟」が映画になる。
どうかわからないが、きっと観に行くと思う。
映画ではわりと邦画をよく観る方だと思う。
たまたまか全体的な傾向かは知らないが
私の観る邦画には原作のあるものが多い。
その中でのお気に入りは「ジョゼと虎と魚たち」。
原作とはだいぶん変わっているけど
失礼ながら原作よりずいぶんよかった。
同時期の作品では「きょうのできごと」もよかった。これは原作もお気に入り。
これらふたつがまさにそうなのだが、
映画でいいなあと思うものの傾向として
いわく言いがたい心の揺れがほのかに表現されているもの、というのがある。
言葉にならない感覚をあらわすには
きっと映像作品にはかなわないと思いながら
その映像作品に匹敵できるような言葉の表現でもって
言葉にならない感覚をあらわしてみたいものだと思う。
『刻まれない明日』 2009.11.27
『終の住処』磯崎憲一郎 2009.10.16 コメント(2)