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2024年01月26日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今月4日(水)の東洋館初席4日目、11日(木)の新宿末廣亭の
二の席で、いつも通りの高座を観たばかりだったのに…。

このショック・悲しみの大きさ、そして寂しさは志ん朝師匠・
談志師匠以来の感じがする。

落語協会のみならず、東京演芸界の色物の至宝。最高峰。
誰からも愛された紙切りの三代目林家正樂師匠が、21日に
急逝されていたことが、26日に分かった。
19日(金)まで普通に寄席に出ていたそうなのだが、20日(土)に
休演され、21日(日)の朝に自宅で倒れているのをご家族が発見、


享年76。17日に誕生日を迎えたばかりだった。

…演芸好きにとって、これほど大きな悲しみは近年なかったと
思う。私は、世間に公表される少し前に訃報を知ったのだが、
もうショックで…仕事がまともに出来ない状態になりかけた。




とにかく神業を持つ師匠である。「紙業」と言ったほうが正しい
感じもするが…。マニアになって年がら年中、寄席に通いだすと
「初見の衝撃」がなくなって、さほどリアクションをしなくなる
ことが多いが、正樂師匠の紙切りだけは別物よ、別物。

毎回、大声でも小声でも出来上がりを見て「おおーっ!」という
声が響かなかった客席はない。特に初心者が多い際の、正楽師の


目をつぶれば、いつも通りのルーティンが浮かんでくる。
「職・業・病です」「こうして(揺れないで)切っていると…
暗くなります」「せんべいの袋が開かないから、鋏で切れ」

…頭に鮮明に浮かぶはずだよ、2週間前に見たんだもの(涙)。

私が初めて見たときは「小正樂」時分だったと思う。三代目の

打ち立てた。




たけ平師匠からよく聞いたのだが、正樂師匠は小さいころから
寄席通いをされていたそうなので、芸人さんを批評する目が
非常に厳しかったという。今だから話すが、よく深夜に電話が
たけ平師からかかってくると、正樂師匠が語った演芸論の話で
盛り上がった。

目黒区のご出身だったので「東京風」ということにも非常に
厳しい方だったと聞く。
たけ平師は、昭和の歌も演芸も詳しいから、非常にハマっていた
みたい(笑)。あと小傳次師匠もそうか。

私は2度、お話しさせていただけたことがある。その際にも
非常にカッコいい(江戸風で言えば様子がいい)ことを仰って
くださって感激したものだ。

1度目は2015年のこと。私もお世話になっているご存知演芸誌
「東京かわら版」500号記念のパーティー会場。
私の師匠のひとりで、先だって三朝師匠とのポッドキャストに
来ていただいた、保田先生のところに挨拶にきた正楽師に勇気を
ふり絞ってお声がけをしたとき。

私は20何年(その時点で14年ぐらい)寄席通いをしているが、
紙切りにリクエストをしたことが一度もない!それは何故か。
「客席で大声出すのが恥ずかしいから」(苦笑)。
…ということを…私ゃ少し飲んでいたからか、思わず正樂師に
言ってしまった。そしたら正樂師が…。

「…あのね、こんなこと言うのも悪いけど…寄席の客席でさ、
大声出せる人って頭おかしいと思うよ」と仰ったのだ(汗)。

これを、たけ平師に後で伝えたら「よかったね~!」と一言。
なんで?と聞いたら「東京人は照れなんだよ。照れがない人は
正樂師匠嫌いなんだよ。だから、それで正解なの」だと。

それで、その次は2017年だか2018年の謝樂祭。湯島天神に
行った方々ならお分かりかと思うが、食べ物屋台の後ろ側に
自動販売機が並んでいるところがあって、その横が喫煙所。

そこでたけ平師とパーパー喋っていたら、正樂師がタバコを
吸いにやってきた。私は上記のことを言って「師匠、未だに
注文できません、やっぱ恥ずかしくて…」と言ったのね。
そしたら正楽師匠が「いいよ!別に無理して注文しなくて!
高座見ててくれれば大丈夫だから(笑)」と仰ってくださり、
3人で大笑いしたのも懐かしい。

…とにかく20年以上、山のようにいろいろな高座を観たので、
思い出が多すぎて書ききれない。近いうちに、三朝師匠との
ポッドキャストで「追悼特別番組」ができればいいなと思う。
そこで、文字より言葉で追悼できれば…。

正樂師匠、長い間本当にお疲れさまでした。あの数々の神業を
当然のようにやってのける様にシビレておりました。
もうこれから、師匠が寄席にいないことが信じられませんが、
二楽さん・樂一さん・八樂さんが必ず神業を(徐々にでも)
引き継いでいくことでしょう!

本当にありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。





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最終更新日  2024年01月26日 23時46分18秒
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