ビタミンについて 総論
ビタミンは、ほかの栄養素の働きを円滑にして、体の機能を正常に保つ重要な栄養素です。たんぱく質や炭水化物などと並んで五大栄養素の一つにあげられ、発育や健康の維持に不可欠な役割を果たしています。
ビタミンは人間が生きていくために必要な成分ですが、ほとんどのビタミンは体内では作れません。だから、食事やサプリメントから適切な量を摂取しなくてはいけないのです。
また、ビタミンはさまざまな栄養素と協力しあってからだの調子を整えるため、毎日いろいろな種類の食品から幅広く取ることが大切です。
食べ物の好き嫌いが激しい人、外食の多い人や、加工食品を頻繁に利用する人などの、食事に偏りがある方、妊婦や、ある種の疾患にかかっている方などは、ビタミン不足になりがちです。バランスのよい食生活をこころがけ、必要に応じてビタミン剤、サプリメントなどを利用しましょう。逆に、｢私はサプリメントを飲んでいて、ビタミンは十分取れているから、好きなものばかりを食べても大丈夫!!｣という考え方もよくありません。
｢サプリメントとは｣のページでも触れましたが、現代人の食生活習慣はますます欧米化し、糖質（例：さとう）・脂質（例：バター）・動物性たんぱく質（例：肉）は過剰であるのに対し、ビタミン（例：果物）・ミネラル（例：海草）・食物繊維（例：野菜）は不足している人が多く、その影響で生活習慣病が急増しています。また、私たちが日々口にする食物の、単位量に対するビタミンの含有量が昔と違い減ってきています。つまり、昔と同じ栄養素を食品から摂取しようとしたら、昔より多量の食品を食べないといけないんです。
そういった理由で、現代人はビタミン、ミネラルは不足気味になってきています。やはり、基本はバランスのよい食事で、バランスのよい栄養摂取を心がけて、それでも不足する分の栄養素をサプリメントで補給する、という考え方でサプリメントを利用しましょう。
ビタミンが足りなくなると、ビタミン欠乏症を引き起こし、体の機能が正常に働かなくなります。食生活を基本として、体調に応じて、ビタミン剤、サプリメントを上手に利用していきましょう。
ビタミンには大きく分けて、水に溶けやすい水溶性ビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンがあります。
水溶性ビタミンの特徴
水溶性ビタミンは水に溶けやすい特徴があるので、野菜などを水で洗う際は手際よく素早く洗うようにしましょう。また長く水につけているとどんどんと溶け出してしまいますので、これも注意。
水溶性ビタミンの中には、熱に弱いものもあります。特にビタミンCが有名で、熱を加えるとビタミンが破壊されてしまう可能性があるので、調理には注意が必要です。
水溶性ビタミンは、たとえ過剰に摂取しても体内で蓄積されないで、尿として体外に排泄されるので、過剰症の心配はほとんどありません。ただし何事も限度があり、必要量の何十倍とあまりにも大量に摂取するとビタミンB2で知覚障害や、ビタミンCで下痢などの症状がまれに生じることもあるそうです。
脂溶性ビタミンの特徴
脂溶性ビタミンは水溶性ビタミンとは逆に、水に溶けにくく油に溶けやすいという性質があります。水に溶けることはほとんどないので十分な水洗いをしても大丈夫です。また脂質と一緒にとることで吸収率は格段に良くなるので、油を使った調理法がおすすめです。
また脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンより比較的熱にも強いので、熱による損失も水溶性ビタミンより少なく、加熱調理にも適しています。
しかし過剰な分は尿として排泄される水溶性ビタミンとは逆に、脂溶性ビタミンは摂取後もしばらくは体内で（おもに肝臓、脂肪組織）貯蔵されます。そのため多量に摂取すると体内で過剰に蓄積され、過剰症を引き起こします。ただしビタミンEに関しては過剰に取ったからといって何かの症状が出るといったことは報告されていません。
ビタミントリビア
ビタミンを最初に発見したのは日本人の「鈴木梅太郎博士」という人で、1910年、今でいうビタミンB1を発見し、「オリザニン」と名付けたそうです。
でも、当時は日露戦争の頃で、まだ日本が世界の一流国の仲間入りができていないことや様々な理由からビタミンの第一発見者として認知してもらえなかったようです。
そんな「ビタミン」という名前は、ポーランドの学者が、生命維持に必要な（＝ヴァイタル〉アミン（＝窒素基を持つ物質〉という意味で、vital＋amine、つまりVitamineと名付けました。 しかし、その後、次々と発見された同様の物質が、必ずしも窒素基を持つものではないことがわかったため、語尾のeを除いた『vitamin』という表記が定着しました。
A、B、C・・・というアルファベット順の呼び方ですが、アメリカの学者が脂溶性のものをA、水溶性のものをBと分類したために、そのままビタミンA、ビタミンBと呼ばれるようになり、ビタミンC以降は発見順に命名されています。
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